IE手法の進め方事例①金属加工会社Aの改善事例1改善活動を始める編

IE手法の進め方事例①金属加工会社Aの改善事例1改善活動を始める編

さて前回はIE手法の事例シリーズを
始める主旨を説明しました

【前回記事】>IE手法事例シリーズ開始:IE手法活用の改善事例を知りたいヒト向け
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やはり事例解説スタイルは実際の使い方の
理解を深めるうえで有効です

では早速ですがお話を進めてまいります

 

目次

金属加工会社Aの苦しい事情

ある金属加工会社Aの出来事です

その会社はのスペックは下記のとおり

業種:金属加工業
(アルミダイカスト切削等)
従業員数:12名
売上高:83千万円
主な商品:ポンプ用部品

どこにでもある町工場(まちこうば)です
  
  
しかし主な商品がポンプ用部品なのですが
納品先が大手の自動車関連企業系列のため
少々加工精度が厳しいのです

そのためこの規模の会社では珍しく
3次元測定器でしっかり検査して出します
  
  
実はその測定技術を活用して
廃業のため入手できなくなった部品などを
図面を起こしたうえで納品するスタイルが
評判を呼んで売上高が回復中です

ところが取引先からの価格交渉圧力が強く
なかなか利益が生まれない構造があります

ずっとそんな重要な課題をかかえたまま
対処せずにほったらかしだったため
借入金が膨らんで支払いが苦しい状況に

さすがに追い込まれた70歳代の社長は
たまらず金融機関に相談しました
  
  

そうして保証協会経由で私に
経営改善計画の策定の依頼がきたことが
この会社との出会いとなりました
  
  
 

改善活動のスタートまでの経緯

まずはヒアリングおよび調査で経営を把握
  
  
市場環境は徐々に回復基調にあり
今後の対処のしかたによっては
さらなる売上獲得の期待もありました

やはり課題として大きかったのが
利益を生まない収益構造
  
  

私はすかさず組織表を確認しました

そして社長に依頼して
後継者候補で工場長であるご子息に
一緒に経営計画策定を進めることに

そこで彼は自らこう主張したのです
『ムダは多いので気がついたら直すが
もっと効率性を上げて収益を得たい』
  
  

その言葉を聴けたので
こちらも覚悟を決めました

ある商工会の専門家派遣制度を活用して
改善活動を支援することで調整し
当社に関わることにしたのです
  
  
 

改善活動の進め方事例(1):推進組織をつくる

まず進めたのが改善活動の推進組織づくり

工場長と相談して各職場から
将来を期待する若手を推薦していただき
改善活動を推進するプロジェクトとして
3名でチームを編成しました
  
  
そしてカタチとして
朝礼で全員の前で社長から委嘱状を手渡し
我が社の将来を担う改善チームを
全員周知のうえで発足させました

こういったセレモニーを
軽視してやらない会社が多いですが
その後の意識がまったく変わりますので
ぜひ実施するべきかと考えます
  
  
 

改善活動の進め方事例(2):改善意識を高める

そうしてできがったチームに対し
まずは改善を進める必要性を説明しました
  
  
事業の本質は2つ
◯社会への提供価値の最大化=売上高
◯その価値をつくる経費の最小化=利益

この2つ目の重要性を再認識いただき

そのうえで顧客は何を望んでいるか
他社は何に取り組んでいるか、を説明し
全員で我々に何が必要か?について
ディスカッションしていただきました
  
  
そこで彼らが自らの頭で考えて
最も重要項目だと選択したのは
  
  
『作業方法を合理化する』でした
  
  
実はこの流れ、社長が驚いておられました
『うちの従業員からこんな言葉が!』と
  
  
皆さま誤解しておられますが
従業員は考えていないわけではありません

まとめる機会と発言する機会がないだけ

それを提供すれば、問題意識は経営者と
そう変わらないことが多いことを
経験上我々は理解しています
  
  
そうやってチームメンバーの
活動意欲が高まったところで
実際の改善目標を発表しました
  
   

改善活動の進め方事例(3):改善目標を発表する

 

【改善目標】
作業時間削減:10%(120時間)

当社の売上高人件費比率は30%
これを27%まで落とします

業界平均が33%であるため
徹底してムダを削ぎ落とすイメージです

これにより経常利益率▲2%が
+1%と黒字化が可能となります

さてこの挑戦がどのような経緯で
改善に結びついていくのか?

今後のストーリーを
お楽しみください

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よろしければ皆さま方
記事の一番下のコメント欄に
ご感想やご質問などを頂ければ幸いです

  
   
  
  
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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