IE手法による7つのムダ改善事例 〜⑤在庫のムダ編〜

IE手法による7つのムダ改善事例 〜⑤在庫のムダ編〜

前回はIE手法による
7つのムダ改善事例として
「加工そのもののムダ」
の改善事例について説明をいたしました

IE手法とトヨタ生産方式の関係については
こちらの記事を参照ください
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トヨタ生産方式と言えば
在庫削減のイメージが
強いのではないでしょうか?
今回は「在庫のムダ」の改善事例について
説明してまいりましょう

 

トヨタ生産方式「7つのムダ」の「在庫のムダ」とは?

以前「在庫のムダ」とは
次のように説明しました

完成品、部品、材料が
倉庫などで保管され
すぐに使用されていないことです

 

工程間に滞留している「仕掛り在庫」
というものも含め、
いつ使うのかわからない
というのは「在庫のムダ」と説明しました

一番厄介なのは、「在庫のムダ」は
他の問題の本質を隠してしまうことです

 

例えば、品質上問題があれば
普通はそこでものづくりがストップし
後工程に影響が出ます

しかし、「在庫のムダ」により
とりあえず当面のものづくりには影響せず
本来必要な、問題の原因究明と対策が
後回しになりがちです

 

では「在庫のムダ」の改善方法について
事例とともに考えてみましょう!

 

「在庫のムダ」改善事例①:工程流れ線図活用による工程間仕掛り在庫削減

以前、流れ線図(フローダイアグラム)を活用した
準備作業の改善について説明しました
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準備作業の改善で説明しましたこの手法は
工程間仕掛り在庫削減でも効果的です!

下記は以前の説明で用いた
旋盤とフライス盤をメインとした
金属製品製造業の現場の
フローダイアグラムを描いた例です

 

 
図中のD:滞留、▽:貯蔵 は
無くせないか、減らせないか、の観点で
改善することができました

例えば。。。
材料の一時置きやワーク保管(一時置き)は
その日の分だけを台車で運搬するなどで
無くす、もしくは減らせないか?

そして、特にムダなのは
D or ▽ から D or ▽ へ
つまり
滞留 or 貯蔵 から 滞留 or 貯蔵 へ
移行する流れです

これも、フライス盤と旋盤の作業を
同期化することで、減らせないか?

治工具も、よく使う治工具は
旋盤に近接化、もしくは
あらかじめセットすることで
治工具棚と設備の往復を
無くす、もしくは減らせないか?

こういった着眼点で現場を
チェックしていきたいわけです

 

このように製造現場では
単に仕掛り在庫に着目するのではなく
「D or ▽ ⇨ D or ▽」
の流れになっていないか
の視点で着目すると
「在庫のムダ」が見えてきます!

 

「在庫のムダ」改善事例②:工程間運搬の総量規制による仕掛り在庫増加の抑制

改善事例①でも工程間仕掛りの
在庫削減について説明しましたが
本事例では具体的な削減方法を紹介します

その方法とは。。。
前工程と後工程の間の在庫総量を
増えすぎないように規制することです

前工程がつくりすぎてしまう原因は
後工程が必要な量やタイミングが
把握できていないことが多いです

ではどうするかと言いますと
まず流れ線図などを活用して
本来であればこの工程間で
いくつ仕掛り在庫を持つべきか分析します

そして、その数の分だけタグを作成し
仕掛り在庫と常に一緒にしておきます

つまり、タグがないと前工程は後工程に
仕掛り在庫を送ることができない
そんなルールを浸透・徹底させます


 
そうすることで、前工程と後工程の間の
仕掛り在庫の増加を抑制することが
できるようになります

このようにタグを活用した仕掛り品の
総量規制の仕組みは有効ですので
一度お試しください

 

「在庫のムダ」改善事例③:保管資料の整理による事務作業効率化

3つ目の事例は、事務作業の改善事例です♪

事務作業で「在庫のムダ」とは
いったいどんなものが対象でしょう?

事務所で多いものと言えば
保管資料であることが一般的です

もし保管期限のルールがなければ
まずはルールを作りましょう

そして、決めたルールのとおり
保管しなくて良いものは捨てて
職場内の資料を要るものだけにしましょう
いわゆる「整理」ですね♪

 

捨てる判断が難しければ
いったんダンボール箱などに入れて
別の場所に保管しましょう

その際に開けたら分かるように
ガムテープで封をするなどしましょう

そして、例えば半年後などにチェックして
封が空いていないようであれば捨てるなど
捨て方についてもルールを決めれば
捨てやすくなりますよね

 

さて、今回は「7つのムダ」のうち
「在庫のムダ」に対する改善事例
についていくつか説明しました

 

いずれも「在庫のムダ」はなくすと
あったものがなくなるので
目で見て良くなったことが実感できます!

良くなったことが実感できると
改善して良かったな、としみじみ思えます

実は改善にはこういった『喜び』が
後からスパイスのように効いてくることを
もう皆さまは御存知のはずです

このような成功体験を地道に積み上げて
組織での改善活動を活性化して下さい!
 
 

 

それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

システムエンジニアを経て、自動車部品メーカで生産管理・業務改善を経験。その後、総合電機メーカで現場改善に従事。最近はIoT導入に携わり、IE手法との融合を目指す。現場改善と業務改善は両輪!がモットーの現場大好き人間!

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