生産性が低い理由とは?製造業がまず解決すべき3つのポイント

生産性が低い理由とは?製造業がまず解決すべき3つのポイント

日本は生産性が低い
生産性が低い理由はホワイトカラーだと
最近ではよく聞くようになりました

それは、本当なのでしょうか。。。
  
  

本当に日本の生産性が低いのか?
生産性が低い理由も真実なのか?
そして製造業はどうすべきか?

今回はそんなそんな実状を
明らかにしていきたいと思います
  
  
 

目次

先進国の中で日本の労働生産性が低い:21位

生産性が低いって言われると
なんだか仕事そのものの質が悪いと
言われていると思い、くやしく感じるのは
おそらく皆さま同じではないでしょうか?
  
  

確かにOECD(経済協力開発機構)によれば
日本の労働生産性は21番手でG7最下位
フランスやドイツに比べて2/3程度という
データが発表されています

で、労働時間では日本の年間1735Hrに比べ
ドイツは約1400Hr,フランスは約1500Hrで
約2割り程度長く働いています
  
  

でもこれ、本当に我が国の働き方は
短時間で結果を出す能力が
他国に比べて2/3程度なのでしょうか?

実は私はそうではないと考えています
  
  
 

日本の労働生産性が低い理由:経営観の違い

我が国は世界に比べて老舗企業が多い

創業から百年を超える会社は
10万社以上存在していると言われています
  
  

西暦578年に創業した建築会社 金剛組
など1000年以上の老舗企業も多くあります

つまり我々は近江商人の考え方
『三方良し』の精神を語り継ぐなど
利益よりも供給責任を大切にしてきました

そういう文化を、道徳的な考え方を
重視してきた珍しい国であるとも言えます
  
  

欧米では合理的な考え方が優先され
企業経営はあくまで利潤追求手段だとの
ドライでダイナミックな経営が中心

どちらが良い、悪いでなはく
国民性の違いと言っていいと思います
経営観の違いと言っていいと思います  
  
  

結果、我が国は営業利益率は比較的低い
そのため付加価値も世界的に低い
  
  

だからこそ労働生産性という計算上は
分子にある『付加価値』が低くなる
そうすると労働生産性も低くなる

ホワイトカラーがどうとか
他の国よりも短時間で成果を
出せるとか出せないとかでなく

そういった構造的な問題なのだと
個人的には考えています
  
  

しかし実際には我々も営業目的であるため
利益追求は大前提です

そのためこの時代の流れを上手く活用して
従業員全体での改善活動体制を整えるべく
我が社を変えていきたいわけです
  
  

ではいったい我々はどのようなことから
取り組むべきなのでしょうか?
  
  

 

多くの中小製造業がもつ改善活動への問題点

中小企業診断士として関わった約5百社

最初から改善活動の組織的な仕組みがある
そんな中小企業は1割もありませんでした
  
  

しかし少なくともその必要性については
全社に対してアピールしてきたのですが
それが進まなかった会社が多くあります

改善活動が導入できない会社が持つ問題点
それをまずはご紹介した後で
解決すべきポイントをお伝えしましょう
  
  
 

改善活動への問題点①:自社の課題をつかんでない

中小企業の持つ主な課題は以下が多いです

【中小企業の主な課題】
◯売り上げを増やしたい
◯付加価値を上げたい
◯生産性を高めたい
◯コスト削減したい
◯品質を高めたい
◯シェアを増やしたい など

でもこれだけだとあまりに漠然としていて
誰もアドバイスしたくてもできないです
  
  

つまり社長は我が社の問題点を
しっかりわかっていないことが多いのです
  
  

この『問題点』ってなにかというと
我が社の数年後のビジョンがあって
そのような状態にまだ至っていない部分
それが本当の『問題点』となります
  
  

例えば漠然と売り上げを増やすことが
本当に我が社のためになるのか?の視点
  
  
ある会社の数年後のビジョン=ゴールが
『健康志向系の惣菜パンで地域No,1』なら
いくら超濃密黒糖ドーナツパンが売れても
当社的に遠回りとなってしまうわけです

やはりロカボでも美味なランチパンの開発
低糖質ライフ中の栄養補給に最適セット等

つまり健康志向のお客様が増えないと
健康志向のリピーターが増えないと
当社的に前進していることにはなりません
  
おわかりでしょうか?  

そういう課題を正確に見つめている会社は
必ずちゃんと対処しようと試行錯誤します
そりゃ見つめていると恐いですから
なんとかしようとするのが自然です

進んでいない会社は逆で問題に背を向けて
見てても見ていないように振る舞うクセが
ついてしまっていることが多いものです
  
  
 

改善活動への問題点②:改善への抵抗感の強さ

改善が進んでいない工場の作業方法は
長年そのやり方を継承してきています

つまり誰かの改善への想いの強さより
長年慣れてきたプロセスに執着する力が
思いの他、強い場合があります
  
  

そのため、合理的な改善方法を提案しても
あれこれ理由をつけて抵抗しようとする
組織的なパワーが生まれてしまいます
  
  

2:6:2の原則をご存知ですか?

【2:6:2の原則】
2は優秀な働きをする派
6はどちらでもない派
2はよくない働きをする派

ヒトの集合体は自然にこの配分に分かれる
そう言われている法則です

重要なのはこの6にどう協力いただくかが
カギとなることが多いですが
これも仕組み化を進めることが肝要かと
  
  

 

改善活動への問題点③:推進リーダーの不在

『我が社には人材が不足している』と
多くの社長は我々に訴えかけます

『募集しても良いヒトが来ないのだ』と
自社の実績の小ささに嘆いています
  
  

そうではなく。。。
  
  

実は、もう外部調達が前提であるところに
大きな問題が潜んでいます
  
  

人材は育てるものです
  
  

事前にしっかり仕組みをつくるなど
育ててこなかったから人材不足なのです
  
  

数年後にはこんな職場にしよう
だからこんな技術と設備が必要だと
ゴールから逆算して今から準備を進める

同じようにゴールから逆算して
必要な人材を育ててきていれば
人材が不足することはないハズなのです
  
  

結果的に社長一人でなんでも取り組んで
フォローできる時間も管理できずに
ずるずると時間だけが過ぎてしまい
何も進んでいない現場によく遭遇します
  
  

 

製造業がまず解決すべき3つのポイント

よくある問題を挙げてみましたが
いかがでしょうか?

皆さまの職場でももしかすると
同様な問題が起こってしまって
改善が進んでいないかもしれません

しかし、それを解決する手立てもあります
  
  
 

解決すべきポイント①:企業ビジョンを明らかにする

企業ビジョンとはゴールのことです

やはりゴールを決めなければ
その戦略も立てることはできません
  
  

あなたの職場はいったいどうなるべきか?

その秘密は実は過去にあります
  
  

これまでいったい何を大切にしてきたか?
後悔してもうやりたくない仕事はあるか?
将来、絶対に手放さない信念はどれか?
などを検討してみて

十年先も、百年先も変えたくない信条を
抜き出して文章化することで理念を形成
  
  

それを守るためには本来、どんな職場に
なっていなければならないのか?を
できるだけ具体的に表現したものを
企業ビジョン=ゴールとして設定します

そうすれば今、準備すべきことが明確化し
それを我が社の課題と呼ぶことができます
  
  

もし、慣れていなければ
我々中小企業診断士を使ってもよいですし
心を許せる方にファシリテイターを
依頼してもよいでしょう
  
  

必ず納得のいくゴールを設定して下さい

できれば多くの従業員と一緒に検討する
そうすれば彼らの意欲向上に貢献します
  
  

 

解決すべきポイント②:改善への抵抗感を薄める

企業ビジョンが決まったらぜひ発表会を
開催して従業員の理解を促してください
  
  

いきなり現場にやってきて調査を進めて
『今日からこれをこう変えてください』

そうするのはとても簡単なことですが
これまで長い間守ってきた想いもあるハズ
  
  

そのため、『我が社を良い会社にするため
今後はいろいろな部分を変えていきます』
と理解を求めてほしいのです
協力を要請してほしいのです
  
  

改革とは表裏一体です

獲得するモノがある反面、捨てるモノもある

だからこそ獲得するために捨てるのだと
会社の主張をはっきりしてほしいのです
  
  

そのための協力要請は必ず必要です

相手もヒトです

話せばわかります
  
  

 

解決すべきポイント③:推進組織で人材をつくる

未来のリーダーは育てるモノです

そのため人材を育成する仕組みとして
この改善活動は有効に活用できます
  
  

つまり将来活躍してほしいヒトに
業務改善プロジェクトのメンバーに入れて
重要なポストを任せるようにします

そして次回のリーダーに期待したい旨を
伝えながら活動を実行します

そのプロセスをしっかりと体感することで
多くのことを学べる機会を提供できます
  
  

そうやって期待できるヒトを
一人ひとり丁寧に増やしていくことで
競合関係という相乗効果を生み出し
ある時点を境に成長が加速します
  
  
 

製造業がまず解決すべき3つのポイントまとめ

業務改善を進める必要性は益々高まり
待ったなしの状況まで来ています

感性の高いリーダーはもう何も聞かずとも
すでに行動を開始していることでしょう
  
  

あなたもこれを読んだのであれば
すぐに行動を起こして頂ければ幸いです

当たり前ですがスタートは早ければ早いほど
成果も早く刈り取れるようになるためです

ぜひ実践と学びの高回転化をお勧めします

 
 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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