IE手法改善の基本的な考え方とワークスタディの4つの目的を整理する

IE手法改善の基本的な考え方とワークスタディの4つの目的を整理する

IE手法で現場改善を進めようとすると
業務の流れを改善したり
動作そのものを改善したりと
広い範囲の改善可能性が存在するため
ついつい迷子になりがちになります

そのためIE手法改善の基本的な考え方
そしてワークスタディの目的を
しっかりと把握しておくことで
迷う時間の短縮につながります
 
そこで今回はIE手法の基本的な考え方
そしてワークスタディの目的を
シンプルに整理していきましょう

では早速内容にはいっていきます
 

目次

IE手法改善の基本的な考え方

IE、つまりIndustrial Engineering

日本語での表現は
「生産技術」
「生産工学」
「経営工学」
「管理工学」とさまざま

直訳すると「産業工学」ですが
どうもイメージに合わないためか
あまり使われていないですね
 
「IE」とそのまま
呼ばれることが多いとは思いますが
「科学的管理法」など一般名称でも
表現されたりしています

しかしIEは抽象的概念ではなく
生産性向上という多くの現場にある
課題を解決するために生まれた
技術・手法の集大成です

そのためIEは産業発展にともなって
多くの現場改善に応用されています
 
またIEそのもの理論や手法も
他科学技術の進歩にともなって
どんどん高度化、専門化しており
製造現場だけでなく
・運輸業
・販売業
・サービス業など
あらゆる産業分野に応用されていて
その範囲もどんどん広がっています

それだけ役立つ手法というわけです

ではそもそもIEとはなにか
その定義を押さえていきましょう

 

IEの定義

IEの定義としては
アメリカIE協会(AIIE)のものが
一般的によく取り上げられます

IEの定義
IEは高額のうちで、ヒト、材料、設備の統合されたシステムを設計し、改善し、設定することを対象とするものであり。そのシステムから生ずる結果を明示し、予測し、評価するために、工学的な分析や設計の原理と技法ならびに数学、自然科学、社会科学などの専門知識と経験などを用いる。

要するにIEは、ヒト、材料、設備の
総合的なシステム=ワークシステムを
設計・改善・設定することによって
生産性の向上を図る技術なんだと
そう定義されているわけです
 
ではいったいそのワークシステムとは
どのようなイメージでとらえれば
よいのでしょうか?

少し図をもって説明してみましょう
 

ワークシステムのイメージ

ワークシステムのイメージ

我々が創造している価値そのものを
製品・サービスとして表現するなら
材料をインプットして変換機能を通し
加工してアウトプットしている

このシステム全体を
ワークシステムとしてイメージして
ほぼ間違いないと考えます

これらワークシステムを構成するのが
いわゆる4Mと呼ばれるものです

4Mの4つの構成要素
4M-1:MAN(作業者)
4M-2:MACHINE(設備)
4M-3:MATERIAL(材料)
4M-4:METHOD(方法)

この4Mをどのように働かせるかで
製品・サービスの価値が決まります

そしてその価値を高めることが
最終的に目的になるわけですが
その価値を見極めるための
基本的な「ものさし」が
Q・C・Dというわけです
 
良い製品(Q)を
安い原価(C)で
所定の納期(D)までに
つくり出すことが望ましく
それらをしっかり評価して
さらに創造価値の進化を図っていく

生産性を向上するためには
良いワークシステムを作っていく
そのためにはワークシステムの要素
およびその全体の設計・改善・評価が
とても大切になってくるわけです
 

IEの基本機能:ワークスタディについて

IE手法改善の基本的な考え方は
ワークスタディ、つまり作業研究です

これはテーラーによる時間研究と
ギルブレスによる動作研究とが融合し
体系化されたものでIE手法の基本です

時間がある方は以下の
詳しい情報を参照ください

ワークスタディは現場を中心とした
ワークシステムの問題を解決とする
手法が多く含まれています
 

ワークスタディの4つの目的

ワークスタディが対処すべき対象は
いわゆるムリ・ムダ・ムラです

これらをつねに取り除いていく問題を
解決するための手法というわけです

その目的を丁寧に整理することで
さらなる理解を深めていきましょう

ワークスタディの4つの目的
目的1:最善の方法の発見
目的2:材料・方法・設備の標準化
目的3:適切な標準時間の決定
目的4:新たな方法の維持・定着

もう少しだけ詳しく解説を進めます
 

目的1:最善の方法の発見

生産性を高める最善の方法を
発見することがひとつめの目的です

インプットから最善のアウトプットを
変換するためには
ヒトによる設備や工具等の使い方が
もっとも重要なポイントになります

つまり工程や作業または動作を
どのように進めていくことがよいのか

これらを科学的研究によって
最適解を求めていくわけです
 

目的2:材料・方法・設備の標準化

最善な方法が決まったならば
これらを構成する要素:4Mについて
標準化を図る必要があります

つまりいつでも最善な方法を
安定して再現できるように
ワークシステムを構築するわけです

これも大切な目的ですよね
 

目的3:適切な標準時間の決定

ワークスタディは最善な方法を
標準化していく一方で
適切な標準時間決定にも活用されます

この標準時間は、生産活動を
計画・統制するうえでの
基本尺度としても使う目的もあります
 

目的4:新たな作業の維持・定着

最善の方法を見つけ出したならば
その作業の標準時間はしっかりと
維持できなければ意味がありません

そこで標準化された作業方法が
しっかりと再現できるよう
作業者訓練なども必要になってきます

つまりワークスタディを進める目的は
維持・定着もはいっていくわけです

 

IE手法改善の基本的な考え方とワークスタディの4つの目的を整理するまとめ

改めてIE手法改善の基本的な考え方
そしてワークスタディの4つの目的を
整理してきましたがいかがでしょうか

こうやって考え直してみますと
ワークシステムの最適化を図ること

それがワークスタディであると
シンプルに理解できますよね
 
こういった視点で現場を見直しますと
やるべきことがさらにどんどんと
見つけることができるハズです

ぜひあなたの職場をさらなる
最善な職場に改善してくださいませ

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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