言わば業務改善の常識となっているIE手法
しかしこのIE手法はどのようにして
発展を遂げてきたのでしょうか?
今回はその経緯を知ることでIE手法に
さらに興味もっていただく考えて
その歴史にスポットを当ててまいります
IE手法および関連管理技術の歴史:第0期編
IE手法を含めた管理技術を語る場合
ほとんどは産業革命期以降を対象とします
ですもちろんそれ以前から管理技術は
しっかりと存在をしていた形跡があります
この日本でも豊臣秀吉が城を建てるのに
従来の職能中心方式の代わりに
目的別混成チームを編成して
ブロック別の並行作業で生産性を上げた例
どうもタスクチーム編成の成功例として
1910年代に米国で紹介されたのだとか
しかし産業革命期以前の歴史は属人的で
再現性の高い展開例でないことが多い
そのためしっかりと系統的に取り組めば
成果が得られる方法論として知れたのは
産業が発展した背景の中なのです
IE手法および関連管理技術の歴史:第1期編
産業革命期、特に19世紀第3四半期
あらゆる産業が発展過程で多くの企業が
採算性が高い製造の仕組みを追求しました
いろいろな発明機械は製造プロセス
つまり実験的に成功したノウハウを元に
『工程』単位で経済的編成を考えたのです
英国のアークライト
米国のスレーターなど
多くの最適論が生まれました
その中で米国の発明家ホイットニー氏の
『互換性原理』が代表的な考え方です
これは部品の現物合わせが標準である
従来のものづくりの常識をひっくり返し
実用上さしつかえのない公差を認めて
部品同士の互換性を確保する方向へ転嫁
この時に生まれた言葉が『合理化の3S』
専門化:Specialization
単純化:Simplification
標準化:Standardzation であり
後の大量生産を導く考え方となりました
IE手法および関連管理技術の歴史:第2期編
19世紀第4四半期~第一次世界大戦期
大きな産業の舞台が英国から米国へシフト
それに伴った管理技術の発達も米国が
主導的役割を果たすようになりました
ASMEの創設
米国で1880年に創設された
『ASME:アメリカ機械学会』は
とても広い範囲の問題が扱われたことで
産業界の情報発信拠点の位置づけでした
その中でエンジニアはただの技術者でなく
経済性追求を忘れないよう提唱することで
IE手法や経営学の発展母体としての
役割を果たしました
テイラーとギルブレスの大発見
IE手法ではとても有名人のお二人
タイムスタディ(時間研究)や動作研究等
IE手法の基礎を確立した功労者であり
労働現場を科学的管理法を取り入れようと
熱心に研究を重ねた努力人でもありました
フォードの流れ作業の展開
自動車という大型の組立工場で
流れ作業化をはじめて導入したのは
あの米国の大企業:フォードです
ライン作業では多くの工程の同期化が課題
そのため合理化の3Sと専門的分業化を徹底
機械的になった人間の作業を次々と機械化
仕組みで動く簡易的なオートメーションを
独自に展開させることに成功したのです
やっぱりフォードはすごかったんですね!
IE手法および関連管理技術の歴史:第3期編
1920年代~第ニ次世界大戦期
第2次産業革命:動力が蒸気から電気を
背景に産業界に浸透していった管理技術
それがこの時期になると人間の心理や
統計的手法を加味するようになりました
ホーソン実験:やる気の発見
ウェスタン・エレクトリック社の
ホーソン工場で行われた長期間の実験で
画期的な発見があったのです
最初は照明の明るさが
能率に与える影響についで調査していたが
明るくしていって伸びた能率が
暗くしても伸びていくことから
生産性向上を支えるのは照明でないと判明
そのため本格的な数多くの実験をした結果
『作業者のやる気』の存在が明らかに!
今では当然かもしれませんが
当時はすごい発見だったのです
統計的品質管理
米国の統計学者:シュハート氏が
工業生産における品質管理面に
統計学を導入したのものこの時期でした
具体的には、分業による全数検査を
抜き取り検査方式に切り替えても
信頼性を確保できることを証明
また、この他にも多くの手法が発展
また統合や体系化を繰り返して
大幅に進化を遂げたのもこの時期です
IE手法および関連管理技術の歴史:第4期編
第ニ次世界大戦期~
ここまで発展を遂げてきた手法が
第三次産業革命、つまりコンピュータ等
テクノロジーの発達により
さらなる革新をまねきます
PTS法の発達
ブレインストーミングの開発
マーケティングとの連携
VE手法(VA手法)の一般化
人間的な欲求の充足 など
枚挙にいとまがありませんが
現在ものその発展は止まっていません
業務改善の基礎となったIE手法の歴史についてまとめ
これまでの多くのヒトの知恵と努力と熱意
これらが詰まったIE手法であること
歴史を紐解くことでわずかながら
理解を深めることに貢献できればと願います
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
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