IoT改善事例⑫ミキサー車のIoT化で品質管理の強化を実現

IoT改善事例⑫ミキサー車のIoT化で品質管理の強化を実現

IoTでの改善を紹介するこのシリーズ
12番目の事例を紹介します

今回は生コンクリートおよび原材料の
販売が主な事業である会社が
IoTのテクノロジーのチカラを借りて
品質管理の強化を実現させた事例です

生コンクリートという文字通り
生モノの商品の品質管理に
IoTをどう活かそうと考えたのか?
そしてそのアイデアが生まれた
背景とはなんなのか?

掘り深めながらお話していくので
ぜひご参考くださいませ

 

IoT改善事例⑫の企業概要

IoT改善事例⑫ミキサー車のIoT化で品質管理の強化を実現

IoT改善事例⑫の改善企業の製品活用イメージ

 

【企業概要】
企業名:株式会社東伸コーポレーション
資本金:3200万円
従業員:35名
創業年:1957年(62年間)
事業概要:生コンクリート・原材料販売・その他建設資材全般

当社は創業62年を数える
生コンクリートがメイン商材の
建設資材販売業を営んでいます

実は生コンクリートって
材料でもあり、半製品もあるという
特殊性な一面を持っています

そのため当社では原材料の品質や
その製造工程にも重大な関心を持って
徹底的にこだわるよう徹底しています

その一方で同業5社で設立した
GNN Machinery Japan㈱を介して
新技術やサービスの開発に
積極的に取り組んでいる会社です

当社が直面している課題

年々、生コンクリートの品質に対する
要求が厳しくなっていく環境下で
生産技術が高度化していっています

ところがその一方で
品質検査の方法そのものは変わらず
熟練作業者の勘と経験により検査が
主流となっているのが実態です

特にミキサー車に積み込む出荷形態の
生コンクリートの取り扱いについては
経時変化の検査が不確かであると共に
少数である検査担当に負担が集中する

そんなことも問題となっていました

そこで生コンクリートの
品質検査の効率を上げると同時に
適正な品質評価のできる仕組みづくり

これが業界全体の課題となっていて
当社も漏れずに直面していました

 

IoT改善の経緯

全国の生コンクリートメーカーが
加盟している団体の勉強会で
ある海外ベンチャー企業によって
品質測定装置が開発された情報を
得ることができました

そこで同業5社で技術開発会社
『GNN Machinery Japan㈱』を設立
(以下、通称:GNNMJと呼ぶ)

その会社でその技術の応用をすべく
導入試験をスタートさせたのです!

ではその技術はどんなものでしょう?
順番に解説していきましょう

 

品質変化データを取得・可視化する『スマートアジテーター™』

IoT改善事例⑫ミキサー車のIoT化で品質管理の強化を実現

『スマートアジテーター™』とは
海外ベンチャーのコマンド・アルコン社と
GNNMJとで共同開発した
品質変化データを取得・可視化する
システムツールです

具体的には、ミキサー車のドラムに
専用センサを取り付けることによって
生コンクリートの品質評価データを
リアルタイムでクラウドにアップして
全ての生コンクリートの品質変化を
データ化して取得・見える化します

これまでに全国10社の生コンメーカの
合計約70台のミキサー車に導入して
試験運用の検証を行っています

今後、GNNMJは
全国の生コンクリートメーカに向けに
このシステムを活用したサービスを
提供・販売を計画しています

 

ミキサー車のIoT化によるメリット

それでは今回実施した
ミキサー車のIoT化によるメリットを
改めて整理してみます

【ミキサー車のIoT化によるメリット】
メリット1:製品の経時変化が把握可能
メリット2:最適な製品の作り方も判明
メリット3:見える化システムを新商品へ

この3つのメリットをもう少し詳しく
解説をしていきましょう

 

メリット1:製品の経時変化が把握可能

スマートアジテータの活用によって
建設現場へ届ける時の経時変化を
リアルタイムに把握可能となります

そのため製品の品質検査が簡便化され
検査作業の効率性が高まると同時に
適正な品質の評価が可能になります

これによって省力化によるコスト削減

あわせて品質力の強化につながります

これが1つ目のメリットです

 

メリット2:最適な製品の作り方も判明

2つ目の成果・メリットは
運搬中の生コンクリートの品質情報を
常に監視することで不良品の納入を
事前に防ぐことが可能になります

また蓄積された膨大な品質情報を元に
どう作れば高品質な生コンクリートが
つくれるようになるのか?

製造条件を研究・調整することが
できるようになります

これは品質向上、あるいは
過剰品質を押さえることで
適正な品質、適正なコストを
追求することが可能となります

 

メリット3:見える化システムを新商品へ

ミキサー車で取得したデータを
クラウド上に集約させることで
品質情報をどこからでも確認できる
有料サービスを準備中です

現在そのサービスの外販に向けて
全国の生コンクリートメーカの
ミキサー車を活用して試験運用中

今後の展開によって
新たな商品としての事業展開が
期待されています

 

IoT改善事例⑫ミキサー車のIoT化で品質管理の強化を実現まとめ

今回の改善のポイントとしては
センサ搭載による品質モニタリングで
熟練者の勘と経験に頼らない検査と
生産性が向上を実現させたこと

そして取得した品質データから
最適な製造条件(気温、湿度、材料)
また届ける先の環境から逆算した
適切な配合などを追求することが
可能になったこと

さらには仕組みを新商品にもできる
そんな何度も美味しいIoT事例でした

しかし今回の事例は品質測定装置の
開発情報から実用までもっていけた
その執念があってのことだと考えます

つまり業界全体の課題に対して
自分たちが解決しようとする積極性
つまり事業に対する真摯な姿勢

これまでのやり方が最適だと思わない
謙虚なスタイルが多くのメリットを
受けられる環境をつくったと言えます

そういった組織のパワーが
あなたの職場にはあるでしょうか?

ぜひ自分ゴトとして考えたうえで
IoT活用を検討いただければ幸いです

 

 

それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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