製造業のIoT20事例~その共通点と成功ポイントとは?~

製造業のIoT改善20事例~その共通点と成功ポイントとは?~

これまでIoT事例を中心に
いろいろな製造業の改善事例を
ご紹介してきました

しかしこういったIoT事例を
20件くらいみていくと
成功するにはある条件が必要だと
気づくことができます

IoT事例として紹介された会社は
いったいどんな特徴があって
どのような条件が揃えば
IoT導入を成功できるのでしょうか?

今回はそんなIoT事例から読み取れる
成功するためのポイントについて
お話を進めていきましょう

 

目次

IoTを成功させた20事例

これまで紹介したIoT成功事例は20件

それぞれが進めた改善事例を
もう一度簡単に整理してみましょう

 

IoT改善事例①マニュアル作成ツールの活用で作業を標準化

最初はプラスチックや樹脂などの
切削・抜き打ちなどの加工を施す
樹脂の加工屋さん

超簡単なマニュアル作成ツールで
作業の標準化を実現できた事例でした

 

IoT改善事例②三色灯の光を読み取って稼働状態を見える化

次の会社は切削加工を主な生業とする
どこにでもあるような町工場です

生産管理システムを独自開発して
さらに設備に設置してある三色灯に
光センサを取り付けることによって
稼働状態を見える化した事例

 

IoT改善事例③3Dデータの活用で競合他社との差別化と新事業開発を実現

3社目は自動車のチューニング部品を
製造・販売している会社です

3次元測定データから
5軸マシニング切削加工機を制御する
プログラムの自動生成ソフトを導入

 

IoT改善事例④熱処理炉のIoT化で24時間稼働とAIスタンバイ化の実現

4社目は特殊な表面処理技術をもつ
街の熱処理工場です

設備の稼働情報を見える化することで
夜間確認作業の負荷低減を実現

さらにはセンサーで熱処理条件の
データ蓄積を進めてAIスタンバイな
状態へ進めた事例

 

IoT改善事例⑤IoT機能を持つ生産管理システムの導入で効率生産体制を実現

典型的なプラスチック射出成形で
自動車のコネクタ部品や
内視鏡部品を製造してる会社です

金型のショット信号を取得する
IoT機能を持った生産管理システムを
導入した事例です

 

IoT改善事例⑥3Dデータのフル活用で事業を拡大させた企業が描くIoTプラン

工作機械用鋳物などの量産品に加え
3Dプリンタを活用した鋳物製造も
手がけている会社です

3Dデータを活用した模型製造の技術を
当社のノウハウとして蓄積することで
類似品の製造等を効率化した事例

 

IoT改善事例⑦IoTの仕組みを自社開発してサービス業へと業態転換

これまで設備屋として
工業計測器用アンプや電子計測器等の
設計・製造・販売を手がけてきた会社

その設備にIoT機能を付加することで
リモート監視システムを実現

 

IoT改善事例⑧見積作業の省力化ツールの導入で経営分析が可能に!

旋盤加工が得意な精密機械加工の会社

見積作業を省力化するツールの導入で
見積の負担軽減とシンプル化を実現

 

IoT改善事例⑨若手社員が主導した生産設備の見える化

当社は医療用分析機器関連製品などの
特殊設備の設計・機械加工・組立を行う
設備屋さんです

マシニングセンタ、自動旋盤機、
ワイヤーカット等の十数台の設備から
稼働状況をデータで取得できるように
改造することでデータの取得を実現

 

IoT改善事例⑩切削加工業がクラウド見積サービスで 新会社を設立

航空衛星・自動車・医療等分野向けの
精密機械部品加工と得意とする会社が
クラウド見積サービスの独自開発を
実現してしまった事例です

 

IoT改善事例⑪稼働データ取得とWEBカメラ設置で長年の目標の自働生産を実現

精密プラスチック射出成形加工会社が
PC上ですべての成形機の稼働状況を
一覧で把握できる仕組みを構築して
さらにWEBカメラで監視することで
24時間を実現した事例です

 

IoT改善事例⑫ミキサー車のIoT化で品質管理の強化を実現

当社は生コンクリートの製造販売会社

商品を運搬するミキサー車のドラムに
専用センサを取り付けることによって
全ての生コンクリートの品質変化を
データ化して取得・見える化した事例

 

IoT改善事例⑬ITに詳しい社員による独自の創意工夫で鋳物工場をIoT化

当社はマンホールのふたの専業メーカー

生産設備の動作情報を収集して
稼働状況や生産履歴、注文状況などの
リアルタイムでの可視化に成功

 

IoT改善事例⑭自社商品にIoT機能を追加して使用状況に応じた顧客サポートを実現

当社は特殊なプリンタ機器メーカー

顧客の製造ラインに設置された
プリンタの稼働に関するデータ情報を
ほぼリアルタイムでの取得・閲覧して
適切なメンテナンスに活かした事例

 

IoT改善事例⑯IoT で工場の情報を集約して経営者の業務を支援

建設機械、消防車、医療機器等の
板金、製缶、塗装などがメインの
提案設計力が強い会社です

設備から稼動情報を取得するのでなく
職場の温度・湿度、騒音レベルなど
あらゆるデータを取得・分析して
見える化を実現した事例です

 

IoT改善事例⑰スマートデバイスを活用した『見える化システム』を自社開発

自動車用の熱交換器パイプや
板金部品の製造を手がける会社です

戦略的にIT人材を育てることで
生産管理機能を含んだ情報システムを
さらに発展させることによって
管理負荷の解消を狙った事例です

 

IoT改善事例⑱設備の稼動状況を見える化するIoTツールの導入

当社は金属プレス加工や、それに伴う
金型の製造を行う製造業です

当社が独自開発した生産システムに
生産設備の稼働状況をリアルタイムで
把握し連携させた事例です

 

IoT改善事例⑲設備保全に役立つIoT化したボルトを販売

主に鍛造金型を製造する会社です

荷重変動を高精度に測れるボルトを
生産設備に導入して分析することで
設備の異常検知が可能になった事例

 

IoT改善事例⑳シンプルなIoTツールで設備の稼動状況を見える化

当社は自動車アルミ部品の加工に使う
金型を生産する製造業です

生産設備の信号灯に光センサを付けて
生産設備の稼動状況を管理用PCなどで
見える化した事例です

 

IoT改善事例から見える共通点

これらIoT改善を成功させた会社には
いくつかの共通点があります

それは以下の3つです

IoT改善企業の共通点
共通点1:改善する空気があること
共通点2:ITを活用する文化があること
共通点3:IoTをツールと捉えていること

どういうことか?
もう少し詳しく説明していきましょう

 

共通点1:改善する空気があること

どの会社も職場に改善を良しとする
空気があることが読み取れます

IoTはセンサーなどを活用することで
これまで訓練で磨き上げてきた
ヒトの感覚や勘に頼ってきた情報を
デジタルデータ化する取り組みです

そのデータを加工することで
設備の稼働状況や製造に必要な条件を
見える化することができます

でも見える化して終わり
ではありませんよね!

見えるようになった問題や課題を
解決するための活動が必要です

これらIoT導入に成功している会社は
そういった改善を進める空気が
あることが事例から読み取れます

 

共通点2:ITを活用する文化があること

ほとんどの会社ではそもそもIT活用が
進んでいたようです

生産管理システムを導入していたり
システムを独自開発していたり

これは世の中に溢れだした技術を
自職場にインストールしようという
貪欲さの現れであると言えます

共通点1の改善する空気があるため
このIT活用が進むのは
自然かもしれませんね

 

共通点3:IoTをツールと捉えていること

3つ目の共通点はIoT導入を
ただのツール=手段だと
捉えていることです

実現したい理想の姿=ゴールがあって
その実現のためにIoTを導入する

そのゴールはそれぞれの会社によって
違うようですね

安定した品質だったり
迅速な納期回答だったり
徹底した合理化だったり

いずれにせよ目の前のお客様の要望に
どうやって応えるか?を追い求めて
そのイチ機能としてIoTを導入する

そういった考え方が大切です

 

IoT導入を成功させるポイントとは?

ではそれら共通点を踏まえて
IoT導入を成功させるポイントは
以下の3つです

IoT導入を成功させるポイント
POINT1:経営課題を明らかにする
POINT2:改善が進む仕組みをつくる
POINT3:IT知識を獲得する

こちらももう少し詳しく
解説を進めてます

 

POINT1:経営課題を明らかにする

我が社はこれまでどんなことを
大切にしてきた会社なのか?

それを掴むことは本当に大切です

それはその会社がこれまで事業を
継続出来てきた根拠だからです

圧倒的な品質力なのか
超便利な短納期なのか
競合に負けない低価格なのか
開発は得意!な技術力なのか

それを例えば10年後まで続けるなら
いったいどういうカタチが理想か?

それを明確にしてゴールと置いて
はじめて経営課題は明らかになります

世の中の教科書的優等生を目指しても
中小製造業は生き残れません

やはり個性=強みを伸ばすためには
『選択と集中』
あるポイントで突き抜ける

そのために必要な課題とは?

それを明らかにすることが
まずはどんなツールを検討するにも
必要なことですよね

これが1つ目のポイントで
もっとも大切なことです

 

POINT2:改善が進む仕組みをつくる

IoTツールはほとんどの場合
見えなかった情報を見える化します

その見えた情報をきっかけに
いったいどのように生かすのか?

そこがはっきりしていなければ
正直、意味がありません

そのためまずはヒトの手で
改善が進む仕組みを動かします

POINT1の経営課題があって
それを解決するための改善の仕組み

何を調べて
どのように改善策を考えて
どうやって実行した結果を分析するか

QC活動の問題解決の『型』を使うのか
それとも解決ミーティングを定例化?

いずれにせよ我が社独自の
改善が進む仕組みをつくって
動くようにします

そしてその一部をIoTを活用して
自動化する進め方が
導入を成功させるポイントの
2つ目です

 

POINT3:IT知識を獲得する

最後はIT知識の獲得です

もちろんこれがなければ
はじまりませんよね!

例えば、社内でIT人材を育成する
IT知識を持った人材を採用する
システム屋さんと連携する
という選択肢があります

社内でIT人材を育成する場合は
時間がかかりますがもっとも安いです

逆にシステム屋さんとの連携は
時間は短いですが高いです

必ずどれかを選択する必要があります

このポイントが判断できなくて
IoT導入に踏み込めない会社は
結構多いものです

 

製造業のIoT改善20事例~その共通点と成功ポイントとは?~まとめ

今回は製造業のIoT改善20事例
その共通点と成功ポイントでした

あなたの職場はどうですか?

経営課題が明らかで
改善が進む仕組みもあって
IT知識も獲得できていますか?

人材不足は深刻です

そして収益性向上も待ったなしです

ぜひこの記事をきっかけに
動き出していただけることを
期待しています

 
 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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