IoT改善事例④熱処理炉のIoT化で24時間稼働とAIスタンバイ化の実現

IoT改善事例④熱処理炉のIoT化で24時間稼働とAIスタンバイ化の実現

IoT改善事例シリーズの第4回目は
熱処理炉をIoTで監視・制御することで
大幅の負荷軽減とAIスタンバイ状態へ
職場を進化させた事例です

多くの小さな職場があきらめ勝ちな
大きなステップの踏み出したこの会社

きっとあなたの職場にも
大いに参考になると同時に
勇気づけられる

そんなIoT改善事例です

この記事を読み終えるまでの約3分間
どうぞお付き合いください
 

IoT改善事例①の企業概要

IoT改善事例④熱処理炉のIoT化で24時間稼働とAIスタンバイ化の実現

IoT改善事例④の改善企業の取り扱い設備

【企業概要】
企業名:岡谷熱処理工業株式会社
資本金:1400万円
従業員:29名
設立年:1960年(59年間)
事業概要:金属熱処理(真空熱処理)
真空浸炭窒化、コーティング処理等

当社はこれまで金属の熱処理加工を
メイン事業として行ってきました

そこから派生して
イオン化した金属を部品に蒸着させる
イオンプレーティングという特殊な
表面処理技術を確立して事業化

さらには真空浸炭炉を導入して
真空浸炭(浸炭窒化)事業を立ち上げ
商標や特許など独自技術を資産化

市場から求められる高度な技術を
維持することで市場拡大してきた
長野県岡谷市にある会社です

熱処理がメインですから
どちらかと言えばハイテクではなくて
ローテクの域に入る業界特性

それでもやるべきことをしっかりやり
1個からの個別対応を強みとする
街の熱処理工場として発展してきました

 

IoT改善の経緯

製造業の効率化を進めるあたり
見える化→制御→自動化をいう
自動化の3ステップをたどります

当社では通常、その自動化手前の段階で
夜間を無人稼働を実現していました

しかし実際にはトラブルが起きて
設備が止まってしまって
製品品質は守れず納期遅延が発生

そのため、夜間でも頻繁に管理者が
設備の稼働状況を確認する必要があり
その手間や負荷の大きさが問題と
なっていたわけです

そこで、稼働管理の負荷低減のため
工場外からでも稼働状況が把握できる
IoTの仕組みを導入したのです!

具体的には遠隔監視で早期対応、
遠隔操作により災害等の緊急停止も
可能となるような仕組みとしました

またIoT化した熱処理炉の活用により
夜間休日に工場まで出向く必要がなく
工場管理者の負担が減少しています

さらには製品集配担当者が行う
受注票作成等作業も迅速・効率化

負荷軽減の効果は当社の品質の安定化
収益性を高めることにも
大きく貢献しています

すごいことですよね!

 

今回IoT化した仕組みとはどんな仕組み?

熱処理設備の稼働情報を
インターネット回線を通じて
スマートフォンやタブレット等で
どこでも確認できるようにしました

まだ稼働状況が変わった場合
つまり熱処理炉の温度が変化した時
あるいは何かのきっかけで停止した時
管理者に連絡する仕組みを設置

これによって事実上、安心して
24時間稼働体制を展開できる環境を
整えたことになります

また加工によって変化する
鋼材質・温度・時間の特殊な加工条件を
データとして蓄積する体制を構築

今後活用が期待されるAIスタンバイな
状態をセットしたとも言えます

スゴいですよね。あこがれます!

 

熱処理設備のIoT化による効果・メリット

では今回の実施した熱処理設備の
IoT化によるメリットを整理します

【設備のIoT化によるメリット】
メリット1:夜間確認作業の負荷低減
メリット2:熱処理条件のデータ蓄積
メリット3:受注管理作業の効率化

ではこの3つのメリットを
もう少し詳しく説明しましょう

 

メリット1:夜間確認作業の負荷低減

1つ目のメリットは夜間などに
熱処理設備の稼働確認のためだけに
工場まで出向く負担を削減できます

また遠隔操作で緊急時の対応も
可能となることも大きなメリットです

さらには
いつでも稼働状況を確認できることが
管理者の安心感につながります

この管理側になれば
理解できると思いますが
この安心感は大きいですよね

こういった管理者の負荷軽減が
1つ目の効果・メリットです

 

メリット2:熱処理条件のデータ蓄積

熱処理の温度調整に関するノウハウは
自社の独自なノウハウです

その微妙な作業方法が
デジタルデータとして蓄積されます

そのため今後、蓄積されたデータを
分析・活用することで
より高度な熱処理の実現が可能になり
その後のAI化への流れをつくれます

まさに当社の未来への道筋が
見えてくる可能性を示唆しますよね

これが2つ目の成果・メリットです
 

メリット3:受注管理作業の効率化

さらにはこれらのIoTの仕組み化を
きっかけとすることで
事務作業の効率化も進めました

これまでの受注票作成・管理は
人手がかかるうえ、間違えるリスクも
かかえている状態でした

そこでIT/IoT等の活用により
間違い発行の減少と負荷軽減を
図ることができたのです

また顧客先からインターネット経由で
受注内容をリアルタイムで連絡でき
納期短縮と連絡負荷が削減されました

 

IoT改善事例④熱処理炉のIoT化で24時間稼働とAIスタンバイ化の実現まとめ

設備の稼働管理の負荷低減を目指し
IoT化した熱処理炉の導入と同時に
一部既設炉へのIoT化を図ったことで
夜間等の稼働管理の負担の低減及び
異常時の即時対応化を実現させました

またこれらにより製造業が目指すべき
AIスタンバイな状態をも整備した

ここがこのIoT改善事例の
素晴らしいポイントです

さらにそれをきっかけとして
製品集配担当者の受注票作成等も
効率化・迅速化も進めるなど
課題解決に対して貪欲であることが
評価が高いところですよね

まさにこの会社はIoTを味方につける
意思決定をしたと言えそうです

どうですか?刺激的ですよね。
あなたの会社はどうしますか?

 

 

それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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