なぜいま再びIE手法?時代が求める中小製造業のリスタートプランとは

なぜいま再びIE手法?時代が求める中小製造業のリスタートプランとは

これまでIE手法の多くの分析手法や
その実践的活用法をお伝えして来ました

ですが一旦ここでなぜいまIE手法なのか?
どうして再び注目を浴びつつあるのか?
改めてその説明を加えることで
さらなる理解を深めていただければと
そう考えてお話を進めます

今回もしばらくお付き合いくださいませ

 

目次

IE手法の発展の歴史

IE手法の発端は1890年ごろにさかのぼります

米国のある製鋼所の職長のテイラーさんが
一人ひとりの作業量のバラツキに気付いて
1日の標準的な仕事量を決めようと
科学的なアプローチを考え始めました

そして1910年に『科学的管理法の原理』
という本を出版したのが展開のスタート

もう実に百年を軽く超えているんですね
  
  

その後第ニ次産業革命が起こり
あらゆる科学者やエンジニアが
合理的な手法を生み出した集積が
現在の改善ノウハウ集として
発展を遂げている状態です

高度成長期時代には
トヨタ自動車などの大企業に応用され
成長を目指す製造業であれば
知らない管理者がいないほど
その知名度はが上がったものでした

しかし、いつしかそのIE手法も
一部の改善エンジニアの専門知識として
保有されている程度となりました

それはなぜか?

情報のデジタル化に伴い
効率化は工場レイアウトの設計段階で
最大の効果を生むことが実証され
これまで積上げた改善手法は
シミュレートするノウハウとしての
応用がほとんどとなったからです

つまり一部のエンジニアによって
最適化された工場デザインを
生み出せるスキルとして進化した

そのため最近の工場ではめっきり
このIE手法の存在感も小さくなって
話題にのぼらなくなってきました
  
  
でも。。。
でもなんです

ここにきてこのIE手法が
徐々にスポットを浴びてきているのです

それはいったい
どういうことなのでしょか?
 

現代におけるIE手法の位置づけ

2008年のリーマンショック以降
長期間続いた世界的金融危機によって
我が国経済も大打撃を受けました

その後アベノミクス政策をきっかけに
いまやっとそのダメージから徐々に
回復しつつあると言っていいと思います
  
  
円安政策による大企業の過去最高益!
  
  
そんな流れの影響によって
やっと中小製造業の受注も
少しずつ元気が出てきました

そしてその盛り上がりに準じて
ここ近年、火がつきそうなのが。。。
  
   
第4次産業革命なのです!!
  
  
すでにご存知の方も多いとは思いますが
内閣府が発表している定義を
おさらいしてみましょう

 

第4次産業革命とは何か?

まず第4と言うからには当然
第1~第3が存在しています

第1次産業革命:18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化
第2次産業革命:20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産
第3次産業革命:1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いたオートメーション化

こう定義されればなるほど
技術革新によって産業構造が一変した
インパクトには納得ですよね

そしてすぐそこまで来ているのが
第4次産業革命というわけです

この第4次産業革命では
次の3つのコア技術の革新が
急ピッチで進んでいると言います

【第4次産業革命の3つのコア技術】
(1)IoT及びビッグデータ
(2)AI(ディープラーニング)
(3)ロボット技術および3Dプリンターなど

この技術革新によってものづくり環境は
正直恐ろしいほどの変化を遂げるのだと
我が国の優秀な頭脳が集まる集団が
結論づけています

だからみんなでそれまでにしっかりと
準備を進めてくださいね!というのが
内閣府のメッセージなわけです
  
  
  

この第4次産業革命について
特に日本だけでなく、ドイツや中国などで
国策として方針が発表されているほどです

ここで我々中小製造業が注目すべきなのは
なんと言ってもIoTです!
 

IoT(モノのインターネット)とはなにか?

IoTとは、Internet of Thingsの
頭文字3つを取ったもの
一般的に『モノのインターネット』と
訳されていいます

これまでのインターネットは
コンピューターとコンピューターを
つなぐ役割を担ってきました
  
  
もちろん現在でもそれは主流でしょう
  
  
一方でこの『モノのインターネット』は
あらゆるモノの情報を
インターネットに接続することを指します

つまり、モノにセンサーと通信機能を加え
これらの情報を収集して見える化できます
  
  
要するに、このIoTを活用することで
世界中のどこにいても
我が社の設備が動いているか停止中か
第2工程の南側ドアを何回開閉したか
エッチング液の液温は何度上昇したか

手に持っているスマホで確認可能な
技術がもうすでに日常化しているのです
  
  
あとはあなたがそれを活用するかどうか
導入する判断を下せるかどうかだけです

真面目に一度、調査してみて下さい

驚くほど安価で実現できるハズです
 
  
そしてその環境が整備できた後に
必要となってくる改善ノウハウ集として
このIE手法に再び注目が集まってきている

そういうわけなんです
  
   

時代が求める中小製造業のリスタートプランとは

これまで大きな資本力を持つ
大企業だけの効率化プロセスだった特権が
新しいテクノロジーの応用によって
中小企業でも実現できるまでとなりました

現在の時代背景からくる必要性を
中小製造業だからこその活用理由を
ご理解いただけたでしょうか?

では我々中小製造業は
どんなスタートを切るべきか
  
  
まずは社内で小さなチームを作って
IoTについて研究してください

◯書籍を買う
◯セミナーに参加する
◯展示会に行ってみる など

どういうロジックで
どんな機能を組み合わせれば
何が実現できるのか

まずはそれを知ってください

おそらく自社に参考になる事例は
たくさん見つけられると思います
  
  
これは”時代の流れ”です

会社という船で目的地に向かうには
こういった海流を読んだ上で
細かく舵をきっていく必要があるのです
  
  
そしてどんどんと見える化を
進めていっていただきたい

その後このIE手法の改善ノウハウで
収益力の向上を図る組織体制をつくります

そうやって収益力を一定期間蓄積しながら
新たな次の手を打つことで事業拡大を図る

そんなリスタートプランを
さらに詳細に描いていくことを
強くお勧めしたいと考えます
 

なぜいま再びIE手法?まとめ

とは言ってもこのIE手法を
いつでも使えるように学習しておくことが
前提条件となります

今後もそのための情報をお伝えすべく
また情報発信を継続したく存じます
  
  
   
   
  
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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