IE手法とは、作業研究を追求する職場改革手法

IE手法とは、作業研究を追求する職場改革手法

業務改善を進めるために有効なツール
その代表ツールがIE手法ということ

しかしこのIE手法とは実は
テイラーが生み出したタイムスタディ
そしてギルブレス夫妻の動作研究
この2つが融合・体系化されたものが
『作業研究』と呼ばれる分野です

今回はこの『作業研究』について
理解を深めることにより
よりIE手法の歴史と有効性を
知っていただければと思います

 

作業研究とは?

作業研究とは
英語ではWork studyと呼ばれ
作業者が行う作業を
動作と時間の2つに区分して
それぞれ研究を進める生産性向上活動

動作に着目した活動を方法研究
時間に着目した活動を作業測定と
呼ばれています

この2つについて
もう少し詳しくお話しましょう

 

作業研究における方法研究とは?

方法研究ではその名の通り
方法を研究します

つまり工程や作業方法、作業手順など
実際に行っている方法を調査分析して
最善の方法を見つけるための活動です

具体的には、IE7つ道具の
③工程分析、④動作分析(作業分析)、
⑤レイアウト分析、⑥マテハン分析、
⑦事務工程分析などの手法で
現状を見える化することで研究し
ムダをなくすことで改善を進めます

要するに生産現場全体の再設計を
施すための活動です

 

今やっている作業が本当に最善か
もっとほかに合理的な方法はないか
あらゆる手法を使って切り口をみつけ
改善を次から次へと繰り返す

それが方法研究の方向性です

もうひとつは時間に着目した
作業測定です

 

作業研究における作業測定とは?

作業測定は時間に着目した方向性です

具体的にはIE7つ道具でいう
①タイムスタディ(時間研究)
②稼働分析 という手法を使って
標準時間を設定して管理したり
ムダな時間がどれくらいか把握して
改善や維持の目安としたりします

 

この稼働分析には
連続時間分析法と
ワークサンプリング法とがあります

製品検査で例えれば
時間を把握するのに
前者が全数検査
後者が抜き取り検査 型だと
思って頂ければわかりやすいかと

まずは改善の足がかりとして
稼働分析が活用されると同時に
異常が発生していないか
モニタリング(管理)ツールとしても
大活躍する機能です

 

方法研究と作業測定とで職場の改革を進めるステップ

動作に着目した方法研究
時間に着目した作業測定

この2つのが融合した姿が
『作業研究』の体系です

最初のステップでは全体を見るため
作業測定が行われます

 

この職場ではどのような稼働状況か
IE7つ道具②稼働分析を行って
時間の見える化をしてみるんです

そうすると
実質的な加工時間がどれくらいか
段取りにどれくらいかかっているか
全体像がボヤっと浮かび上がります

これによって何を対策すべきか
優先順位がある程度見えてきます

 

そうすると次のステップは
職場を客観視するために
方法研究の③工程分析を行って
どんな工程なのかを再整理します

そうすると再整理する過程で
『あれ、この作業はホントに必要?』
『これとそれを一緒にできないか?』
『複雑すぐるのでシンプルに!』など
作業者目線では気づけなかったムダが
どんどんでてくるわけです

工程分析って大きな視点だからこそ
作業単位ひとつを削減したり
一緒にすることで半分になったり
ゴソっと改善が進むから合理的です

 

そして次のステップでは
また稼働分析で時間を見てみます

そうすると改善後の状況がわかります

ビフォー・アフターが明らかになると
次のステップでもっと取り組もうと
考えはじめるのが人間というもの

 

いちど工程分析で工程全体を
分析していますから次に
取り組むべき箇所が
ある程度はっきりしているはずです

そのため次のステップはもちろん
方法研究のどれかを使って
改善効果の高そうな順から
攻略していくという使い方です

 

要するに
作業測定で全体を掴んで
方法研究で改善を進めて
また作業測定でつかみ直して
さらに方法研究で改善を進める

こうやって行ったり来たりしながら
スリムで合理的な職場へと成長する

そんなシナリオをトレースできるのが
『作業研究』という概念であり
職場改革手法だということです

 

IE手法とは、作業研究を追求する職場改革手法まとめ

IE手法というツールを体系化した
『作業研究』という概念でもって

改善活動見える化の両輪を回す

 

どちらも大切ですよね

ぜひIE手法をうまく活用して
この両輪を回せる仕組みをセット
してみてくださいませ

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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