製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について

製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について

どの会社も生産性向上を図ることが
優先順位の高い課題であることは
これを読むあなたも感じているハズ

だけど正直
『何からどう始めればよいか不明』
『自社の生産性ってどのレベルか』
『そもそも生産性はどう上げる?』

などなど関係者で初歩的な認識すら
統一できていないと頭を抱えている
との声をよくお聞きします

だけど多くの場合は自社の悩みを
会社以外には相談しないですよね

そこで今回は製造業の生産性向上を
どう具体的に進めていけばよいのか
具体的な取り組み事例や手法について
簡単に紹介していこうと考えます

うちはこれは出来ているけど
ここはやってないなー、などと
スクリーニングしながら読み進めて
いただければと思います

 

目次

生産性とはなにか?

そもそも生産性とはどういうものか
しっかし共有していないと何をどう
対策していく話なのかがわからない

そんな状態の会社は実に多いです

 

生産性とは?
『生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである』By ヨーロッパ生産性本部

 

どこの会社でも製品や価値を作る時
原材料や設備、エネルギーや労働等
必ず複数の生産要素が必要です

これら生産要素を投入することで
生み出す産出量の割合
のことを
一般的に生産性と言います

 
概念的に数式で示せば以下のとおり

製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について

生産性の数式イメージ

 

そのためなので生産性を高めるには
①同じ生産要素で産出量を高める
②同じ産出量で生産要素を節約する

のいずれかあるいは両方を進めれば
生産性というのは高まるわけです

ただし、生産性というのはあらゆる
指標や見方が存在するため
どの生産性を高めるか?というのは
社内で決めておく必要があるんです

 

生産性の主な種類

製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について②

生産性の主な種類

※ 合成投入量=労働+資本+原材料等

 
一般的に生産性の計算式は
分子に生産量か付加価値額か
分母に労働者数や労働時間または
資本ストックや合成導入量とします

この計算式を見れば
おおまかに何を知りたいか
何を重視しようとしているのか
理解できるようになりますよね

 
ここ近年で標準的にクローズアップ
されてきている指標は労働生産性
付加価値額を労働者数、あるいは
労働時間で割った数値となります

とはいえ同じ製造業とは言っても
それぞれの事情や信条は千差万別

これまで大切にしてきたことと
これから積み上げたい方向性により
注目すべき生産性の指標は独自に
設定してフォローすべきですよね

そのためしっかり社内関係者で
話し合って自社が追いかけるべき
生産性とはどれか?を決めて下さい

 

製造業の生産性向上の取り組み事例

それでは弊社が関わった
製造業の生産性向上取り組み事例を
3つ紹介していきたいと思います

 

製造業の取り組み事例①複数購買

複数購買=1社でなく複数社と取引して情報の獲得

 

最初は現場の工程はまったく変えず
生産性を向上した事例を紹介します

A社が購入している非鉄金属材料は
創業当時から1社から購入しており
長年の取引実績による信頼から
ほぼ言い値での取引をしていました

 
よくある状況ですよね

 
しかし取引価格が素材相場と違って
なぜ違うのか質問をしてみても
納得のいく回答がなかったんです

そこでもう購入先を一社
近場で取引先を探してきました

実際に発注シフトしたのは
1割程度であったのですが
見積り合わせによって交渉が可能に

年間2%程度の原価低減が
実現できました

 

製造業の取り組み事例②良品率の向上

製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について

良品率の向上=品質管理を強化して不具合品発生(ロス)を抑制

これまで品質管理は専門部署だけで
不具合発生時の対策検討だけでした

ところが全体の2%程度の
スリキズ不良の発生が止まらない

そのため全工程から代表者を出して
対策チームを編成しました

考え付く主要因を1つひとつ
丁寧に対策していくことを継続

そのため発生率が1/4まで減少し
品質クレームが減少しただけでなく
営業利益率を0.7%改善できました

さらにそのチームは継続して
打痕キズ不良も半減化に成功し
合わせて1.1%改善できたわけです

素晴らしい成果ですよね!

 
このように不良率の減少は
多くのロスを抑制するため
生産性向上に大きく貢献します

 

製造業の取り組み事例③加工時間短縮

製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について

加工時間短縮=問題点を見える化して解決策の実施

最後は一般的ではありますが
加工時間を短縮した事例です

C社は手作業が多い構造だったため
作業者によって作業方法に
バラツキあることが問題でした

生産計画も遅い方に合わせるため
手が早い作業者には手待ちロスも

そのためお互いの作業を
動画で撮影することにより
各作業者のプロセスごとの
動作時間を細かく測定

それによりバラバラだった手順を
全員で検討して最適化を進めました

またラインバランスを調整して
同じ勤務時間で15.8%の生産能力を
増強できるようになってきました

このことにより営業利益を
約2.9%向上させることができました

これも素晴らしい成果だと思います

 

製造業の生産性向上における具体的な手法

製造業の生産性向上における具体的な取り組み事例や手法について

製造業の生産性向上における具体的な手法の一覧表

 

前述したように生産性向上には
①同じ生産要素で産出量を高める
②同じ産出量で生産要素を節約する

のいずれかあるいは両方を進めれば
生産性というのは高まります

その構図はどの業種でも同じですが
製造業では特にそれぞれの活用する
手法がある程度確立されており
それを整理したのが上図となります

ぜひ以下のリンクに以前の手法を
解説した記事を並べてみますので
ぜひ参考にしてみてください

【参考記事リンク】




 

生産性向上における具体的な取り組み事例や手法まとめ

製造業は我が国がものづくり大国として
多くの技術を積み上げてきた歴史がある

だからこそこれらを参考にやってみて
独自に進化する方向性をアレンジして
他社にはできない成長を
ぜひ目指していただきたいと思います

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために

 

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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