製造業の工場での問題点の抽出方法とその解決策の検討ノウハウ

製造業の工場での問題点の抽出方法とその解決策の検討ノウハウ

製造業の工場での問題点は多いです

でもそのすべてに対処する必要が
あると言えばありますが
それは現実的ではありませんよね

だからこそ重要な問題点はどこか?
それを解決するには何をすべきか?

多くの作業者と一緒に考えることは
多彩な気づきを共有できるとともに
合意形成への有効な手段です

 
そこで今回はこの西本がどのように
工場内で問題抽出を行っているのか
その抽出方法に加えて解決策を
検討するノウハウを紹介します

今回も読み終えるまでのお時間
最後までお付き合いくださいませ

 

目次

工場での問題点の抽出方法

工場での問題点の抽出はいつも
以下の手順で実施しています

 

問題点の抽出のための3つのステップ
[STEP1]会社の課題を明らかにする
[STEP2]最重要問題を1つ決める
[STEP3]その主要因を3つ抽出する

 

それではこれら3つについて
どのように進めるのか解説します

 

[STEP1]会社の課題を明らかにする

工場で働くヒトは作業に関する
技術やノウハウへのこだわりは高い

でもその一方で作業に集中するため
他問題は誰か偉いヒトやスタッフが
解決してくれるだろうと逃げてます

その結果、関心度が低いんです

5S活動や品質に対する考え方が
自分の作業責任の範疇にとどまり
会社としてのパフォーマンスは
実はたいして気になってません

だからこそ最初に当社独自の課題に
意識を向けてもらう必要があります

 

課題を付箋にメモする

まずは作業者に集まってもらって
ご自身が考える当社がやるべきこと

考えられるだけすべて付箋に
メモしてもらいます

最低でもひとり5件ほど
『この取り組みはウチには必要』
『うちはこのチカラが不足』
『これをやればもっと強くなる』

など、付箋1つに1項目

5分ほど時間を提供して
考えてもらいます

 

その課題を模造紙に張り付ける

 
模造紙を上記のように
縦軸に重要度(大)(小)
横軸に緊急度(高)(低)を書き
自分が考えた課題がどの位置なのか
判断して貼り付けながら考えた課題を
周囲の方々に説明していただきます

このワークを実行することで
全員の頭の中にある課題認識の
すべてが明らかになると同時に
その認識(意見の数)の強弱
加えてやるべきことの全容が
わかるようになります

 

経営理念や方針を再確認

全員の認識がわかったところで
改めて自社の経営理念や方針を
再確認します

他社と違った自社独自の考え方や
大切にすべきこと、あるいは
理想とすべきイメージを再確認し
そのうえでさきほどの重要度と
緊急度の捉え方を再修正しながら
不足している点は付け加えます

 

重要課題を3つ決める

そしてその重要度や緊急度を
参考にしながら3つの重要課題を
決めていきます

このプロセスを進めることで
はじめて自社がやるべき課題が
全員納得のうえで認識を共有できます

まずはこれをやるとやらないとで
この後の全員の意欲に差ができます

大切なことですので
ぜひ進めてください

 

[STEP2]最重要問題を1つ決める

そして課題認識が終わった次の段階は
さきほどの議論のイメージが残ってる
模造紙全体を再確認しながら
最重要問題を1つ決めます

これまで重要度や緊急度、そして
経営理念や方針を確認した材料から
最初に取り組むべき重要な問題を
導き出します

それをテーマにしながら
次のステップへと移ります

 

[STEP3]その主要因を3つ抽出する

製造業ですから慣れるためにも
特性要因図を使って議論します

 
特性要因図

 
たとえば上記は5S活動が進まない
という問題が選択されたとして
これらの要因をみんなで考えて
特性要因図で整理していきます

カテゴリとして4Mを設定して
全員が気づいている要因をすべて
この模造紙上に貼り付けます

 
そして3つの主要因を決めます

これで当社が優先して
解消すべき問題点に対する要因を
仮説として3つ設定できたわけです

ここまで進んだら次は
解決策の検討へと進められます

 

改善策の検討ノウハウについて

改善策を検討する時には以下のような
ステップでいつも進めていきます

 

改善策の検討のための3つのステップ
[STEP1]個人単位で対策案を考える
[STEP2]取り組む対策を3つ決める
[STEP3]アクションプランをつくる

 

それではそれぞれどう進めているのか
もう少し補足を加えていきます

 

[STEP1]個人単位で対策案を考える

問題点の抽出時に仮説として置いた
主要因3つを意識しながらそれらを
解決できる対策案を考えてもらいます

それらを考えてもらう時に
また問題点の抽出時と同じように
1項目1つ付箋にメモしてもらいます

これはチームで考えてしまうと
最初に発想した意見に流されてしまい
多くのアイデアが生まれない構図が
自然とつくられてしまいます

そこでまずは個人でいろいろ考えて
多彩なアイデアをひねり出してもらい
あとで選ぶ流れで進めることが
対策案の質を高める有効な進め方です

 

[STEP2]取り組む対策を3つ決める

どの対策案を決めるべきか選ぶ時は
さきほどの重要緊急マトリクスを
少しアレンジした表を模造紙に書き
それを使って議論します

縦軸には改善効果が大か小か
横軸にはすぐできるか時間がかかるか

まずは個人で考えた対策案をそれぞれ
どのポジションになるかを考えながら
自分が検討した対策案を説明します

 
そして本来なら改善効果が大きく
すぐできる対策案を選択すべきですが
議論する時にいろいろ話し合うため
それだけではない判断基準も出るはず

そして総合してその中から
その問題は解決するだろう3つの
対策案を決めていただきます

 

[STEP3]アクションプランをつくる

 
進めるべき対策案が3つ決まったら
あとは実行するのみなんですが
具体的な実行計画をつくらなければ
今度のみに行こうね』状態のような
社交辞令で終わる可能性が高いです

そのためその対策案を実行できるよう
アクションプランを作成しておきます

具体的には3つの対策案について
なにどのように進めるのか
そして
いつだれが進めるのか
ちゃんと決めます

 
特にだれが、いつ進めるのか
具体的な名前や実行開始時期が
決まらない対策案はほぼ
実行されることがないと思っていて
ちょうどよいと思います

ぜひ〇〇部の〇〇さんを責任者として
メンバーは〇〇、〇〇、〇〇、で
〇月〇日(〇曜日)〇時〇分に実行
まで具体的に決めると実行されます

 

問題点の抽出方法とその解決策の検討ノウハウまとめ

製造業の工場での問題抽出は
やはり非常に重要な作業です

問題点を見つけ出して共有した上で
適切な解決策を見つけることにより
工場は生産性、品質力など実力を
積み上げることにつながります

もしこの方法に興味があるようなら
お気軽に問合せしてくださいませ

アクションを伴わない情報収集は
頑張るだけ意味がないですからね

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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