生産方式の意味と種類~自職場の生産形態と特徴を把握する~

生産方式の意味と種類~自職場の生産形態と特徴を把握する~

工程管理の最適化を考える場合に
まず把握しなければならないのが
自職場の生産方式や生産形態です

自職場がどのようなつくり方なのか
その特徴を理解したうえで
最適な管理体制を考えることが大切

そのため工程管理の基礎知識として
どのような種類や特徴があるのか
まずは説明させていただきますので
しっかり押さえていきましょう

 

目次

生産方式とは何か?その意味について

ではそもそも生産方式とは
具体的に何を指すのでしょうか?

いつものように辞書を調べてました

しかし『生産方式』では
なんと出てきませんでしたので
『生産』『方式』とに
分けて調べてみました

 

生産(読み方)せいさん


1 生活に必要な物資などをつくりだすこと。「米を生産する」「大量生産」
2 人間が自然に働きかけ、財・サービスをつくりだし、または採取・育成する活動。
3 出産。しょうさん。


出典 デジタル大辞泉/小学館 より

 
生産は『つくりだすこと』

 

方式(読み方)ほうしき


 ある一定のやり方。定まった形式・手続き。「入札の方式を決める」「所定の方式に従う」「仮名漢字変換方式」


出典 出典 デジタル大辞泉/小学館 より

方式は『一定のやり方』とすれば

生産方式は『つくりだす方法』という
分類を指すことになりそうです

 

生産方式:4つの種類について

ではそんな生産方式には一般的に
どのような種類があるのか

大きく4タイプに分けられます

 

生産方式:4つの種類
種類1:個別生産方式
種類2:ロット(バッチ)生産方式
種類3:連続生産方式
種類4:プロセス生産方式

 
まずはこの4つのタイプについて
簡単に紹介していきましょう

 

種類1:個別生産方式

一つひとつ個別に生産する方式です

たとえばオーダーメイドの服や靴
大きな設備や個別設計したお家も
この個別生産方式になります

お客さまが希望する仕様に従って
その通りに丁寧につくりあげる

もっともオーソドックスな方式で
ものづくりの原点ですよね

 
作り手の裁量に任される部分が多く
その品質や効率性にバラツキが
生まれやすいのも特徴的で
実力の差が出やすい方式です

これが代表的な種類の1つ目です

 

種類2:ロット(バッチ)生産方式

これは個別生産方式より一歩進んで
まとまった量の時に採用されます

ある数量を1ロットとして固めて
このロット毎に工程を進めます

まとめて加工するため
バッチ生産方式とも呼ばれます

 

種類1の個別生産方式と
種類3の連続生産方式の間の
生産方式と言えるでしょう

このことによりある程度
連続加工が実現できるため
段取り替えなどのロスを
減少させることができます

ところが実際にはまとめ生産なので
ちょっとしたことで在庫が多く
なり勝ちなのも困った特性です

また個別でもなく連続でもないので
この方式がもっとも効率的な管理が
難しい方式と言えます

多品種少量の中小製造業は
もっともこの方式がが多いですね

 

種類3:連続生産方式

3つ目の生産方式は連続生産方式

文字通りずーーっと連続して
同じ加工を施す方式です

多くの作業者は1日中、同じ作業を
繰り返すため品質も安定しますし
何より段取り替えを最小化できます

一方で同じ作業を繰り返すだけの
大量の注文がなければ成立しません

ようするに大量生産方式ですね

 
一般的に工場をイメージする時に
この働き方を思い浮かべるでしょう

でも中小企業ではなかなか少ないし
大企業でも最近は大量生産は
あまりお聞きしませんよね

 

種類4:プロセス生産方式

最後はあまり聞きなれない
プロセス生産方式です

これは調合・混合・混練・分離など
流体を原材料とする生産方式です

 
例えば化学プラントや調味料工場
最近話題のワクチンなど製薬も
この仲間に入ります

連続生産方式とも言えるのですが
流体だけに管理が特殊であるため
別グループにすることがほとんど

製造する品種変更には洗浄が伴い
段取り替えにものすごく時間が
かかるのが特徴的です

 

生産レイアウトによる生産方式

生産方式とはつくり方による分類
そのように解釈はしたのですが
実はそのレイアウトにより分類する
生産方式もよく知られています

 

生産レイアウトによる生産方式
種類5:ジョブショップ生産方式
種類6:ライン生産方式
種類7:セル生産方式

 
皆様もお聞きしたことのあるだろう
生産方式について改めて紹介します

 

種類5:ジョブショップ生産方式

これはオーソドックスな生産方式で
同加工ができる設備をまとめて配置

その加工機能が必要な仕掛品が
その配置を回っていく生産方式で
文字通りジョブショップを置いて
ものづくりを進めるレイアウトです

多くの中小企業はこのレイアウトで
ロット(バッチ)生産していることが
多いと思いますが皆さまの職場は
いかがでしょうか?

 

種類6:ライン生産方式

次はラインで製品を送りながら
製品を加工・組立していく方式です

ライン生産方式と表現すると
ベルトコンベアーに乗っかっている
イメージを思い浮かべるかもですが
それだけではありません

作業員の配置を一連(ライン)化し
組立・加工を行う流れ作業の全般を
表現する生産方式です

 
大量生産が必要とされる時に
採用させる高効率な形態です

生産能力よりも多い注文がある場合
最大の効率性を発揮できる一方で
段取り替えが必要になると途端に
コントロールが難しくなります

また単純作業であるため
育成に時間はかからないものの
離職率が高くなるのも特徴的です

 

種類7:セル生産方式

1人または少数の作業者が
主にU字型に構成したレイアウトを
持ち回りながら完成させる生産方式

つまり多品種少量の受注に対応する
ライン生産方式とも言える形態です

 
作業者には複数工程を覚えてもらい
その組み合わせは無限にあるので
1つずつ習熟しながらも対応できる
そんな特徴を持っています

最終的に覚えることが高度なので
もちろん離職率もかなり下がります

一方で管理者にはそれなりの知識が
求められるため中小製造業では
採用されていないのが残念なところ

 

生産方式の意味と種類まとめ

いかがだったでしょうか?

自職場の生産方式の分類として
参考になる種類を意味合いを
お伝えしてきました

これまでずっと継続してきた
その生産方式は適切でしょうか?

本来はセル生産方式が最適なのに
まだジョブショップ生産方式で
あるいは多品種少量なのにまだ
ライン生産方式で苦労している

そんな工場に出会うこともあります

 

それぞれの職場の最適な生産方式は
いったいどのようなスタイルなのか

その生産方式に進化するためには
どんなステップが必要なのか?

またの機会にお伝えできれば幸いです

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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