QC活動のテーマ選定方法(決め方)について

QC活動のテーマ選定方法(決め方)について

QC活動のテーマの決め方や選定方法を
最近質問されることが多くなりました

QC活動のメンバーに選ばれたり
リーダーを任されてみると
最初に迷うのがテーマ選定ですよね!

いったいどういったことが
職場に中で問題となっていて
いったい何に取り組めばいいのか?
難しいですよね

でも実はこのプロセスを
なんとなくで取り組んでしまうと
後の結果に大きく影響するのです!

『えー、関係ないんじゃないの?』
『それ、上司に相談するものでしょ』
『いやいや結果は実力で決まります』

言いたいことは分かりますが
この選定方法によって
かなり影響は大きいんです

いったいそれはどういうことなのか?
何をどう取り組むことが正解なのか?
結果を高めるためのポイントとは?

今回はそんなお話です

 

目次

テーマ選定の意味

まずQC活動において
テーマを選定するということは
いったいどういうことでしょうか?

QC活動は品質・納期・価格の対応力を
高めるための改善活動です

問題を解決する『型』
その実行の支援ツールである
QC7つ道具の活用が前提です

つまり期間限定の改善チームを組んで
個人では解決できない職場の問題を
メンバーで寄ってたかって解決する
イベント(お祭り)みたいなものです

 

その問題解決には人気ドラマのように
鉄板と呼ばれるストーリー展開が
すでに準備されています

メンバーはそのとおり演じさえすれば
そのドラマは感動であふれるはずです

ですが重要なことがあるのです

職場にはあらゆる問題が潜んでいます

その活動によって解決する問題が
あまりにも小さすぎるとしたら
誰のためにもならなかったら
やっぱり感動も小さくなります

つまり取り組むメンバーの
改善意欲に大きな影響が出ます

 

やはり苦労して同じ改善を進めるなら
誰かに大いに喜んでもらえる

そんな活動にしたいですよね

だからこそこのテーマが適切かどうか

それが非常に重要になるわけです

 

最適なテーマの選定方法(決め方)

メンバーのモチベーションが高まる

そんなテーマ選定が最適ですよね!

『これなら絶対に改善したい!』
『あのヒトがこんな風に喜ぶ!』
『こんな貢献ができるなら誇れる!』

そんな感想を持っていただくためには
このテーマの決め方はどうすべきだと
皆さまは想像するでしょうか?

最適な選定方法(決め方)のSTEPは
以下のとおりです

【最適なテーマの選定方法(決め方)】
STEP1:経営方針(経営理念)を確認
STEP2:職場の問題点を見える化する
STEP3:改善メンバーで全員の意見を集約
STEP4:問題の優先順位をつける
STEP5:上司に相談してテーマを選定

このステップをもう少し詳しく
説明していきましょう

 

STEP1:経営方針(経営理念)を確認

まずは自分職場の経営方針
あるいはさらにそのベースにある
経営理念を確認してください

経営理念とは会社そのものの存在意義

確かにキレイゴトに聴こえますが
時間をかけて丁寧に本来の意味を
解釈する必要がある大切な信条です

経営理念、社是、綱領、クレドなど
言葉では表現はされていなくとも
その企業が創業より大切にしてきた
信念があるはずです

まずはそこを踏み外すことは
自らの家系を呪うに等しく
得することは少ないと想像します

 

そしてそれに沿った現在の経営方針
どういったゴールを目指すために
我々は何を重視しているのか?

こういった事業方針を確認することが
改善を進めることで評価していただく
あるいは喜ぶヒトが増やすために
とても重要な1つ目のステップです

 

STEP2:職場の問題点を見える化する

2つ目のステップは自職場に存在する
問題点をすべて明らかにすることです

これは改善メンバーだけでも良いですが
自職場に所属するヒトにできるだけ
一緒に考えてもらいたいのです

なぜなら改善メンバーの意識だけでは
問題点をすべて見出すことが
難しいこともあるからです

そのためあらゆる視点でもって
問題点を洗い出すことを優先します

 

具体的にはアンケートを取ります

アンケート用紙を作ってもいいですし
付箋に書いてもらってもいいです

それぞれ10件程度
職場で当たり前に解決すべき問題点
お客さまを喜ばせるための問題点
作業者がいつも困っている問題点
など、切り口を工夫して
答えてもらって下さい

ステップ1の理念・方針を加えると
啓蒙にもなるので組み合わせるのも
とてもいい効果を生み出します

ただし、宿題を丸写しするヒトも
出てくるでしょうから
カンニングは禁止でちゃんと自分で
考えてきていただくよう促します

そうやって関係者の問題意識から
発生する言葉をすべてすくい上げて
次のステップに進みます

 

STEP3:改善メンバーで全員の意見を集約

関係者全員の問題点を収集できたら
次にその意見を改善メンバーで
まとめていきます

具体的には意見をすべて
付箋に書いていきます

その付箋をKJ法でグルーピングして
同じ意見をまとめていきます

この時、枚数が多い項目は
多くのヒトが問題だと認識していると
見える化できます

そのことによって
問題点のリストが完成します

そのリストの完成をもって
次のステップへ移ります

 

STEP4:問題の優先順位をつける

多くの問題点を並べて見て
その中から改善テーマを選定します

時間が許すならそれぞれ問題について
改善の実現性や速度や大きさ
改善コストなどで比較して
優先順位を付けたいところです

しかし実際には調査や評価に
時間がかかることが多いため
もう改善メンバーであーだ、こーだと
ディスカッションして
今すぐ取り組むべき問題ベスト3を
決定してください

 

ここでやって欲しくないのは
最初から多数決で決める方法です

たしかに手っ取り早いのですが
このディスカッションは実は
メンバー間の問題認識の共有によって
すり合わせ効果が期待できるわけです

あらゆる問題にはあらゆる視点で
情報を把握する必要があります

この作業はお互いが知っている情報を
やりとりしながらテーマを選定します

そのことで改善メンバーの
テーマに対する理解が深まり
解決すべき課題として誤解がないよう
認識を統一することができます

 

STEP5:上司に相談してテーマを選定

改善メンバーの納得のうえ決めた
テーマのベスト3

それを上司に相談し今回のテーマを
選定します

これまで把握した経営理念・方針
自職場全員の問題のリストアップ
改善メンバーで決めたベスト3の
経緯をすべて説明して
まずは1位のテーマで取り組むことを
承認してもらってください

やはり改善メンバーが選んだ1位です

それを変更するのではあれば
上司に改善メンバーが納得するだけの
理由を明らかにしてもらってください

そうやって職場全体でテーマを決めて
結果を最大化できる改善環境を
整えていただければと思います

 

このテーマ選定方法(決め方)のメリット

この方法は確かに
少し時間と労力が必要となります

でも以下のメリットを得られます

【このテーマ選定方法のメリット】
メリット1:全員の協力を得られる
メリット2:メンバーの意欲が高い
メリット3:事業方針にマッチする

どういうことかもう少し説明します

 

メリット1:全員の協力を得られる

全員の問題意識から生み出すため
やはり改善への納得感が最も高い
状態を維持できます

と、いうことは改善活動が始まれば
その協力度合いがまったく違います

何だか分からないことがやっている
のと
あの問題解決のためにやっている
のとでは
積極性がかなり変わるハズですよね

そのため協力を得やすい環境を
整えることができます

 

メリット2:メンバーの意欲が高い

全員の問題意識をまとめながら
自分たちがテーマ設定したわけです

しかも自分の知識、メンバーの意識を
共有しながら熟考を重ねたうえで
今すぐ解決すべき問題を
テーマにしたわけです

そのため改善メンバーは全員
その解決の必要性を理解しています

なんとかしなければいけない問題だ!

ともっとも深く理解しています

そのため取り組む意欲が高まるのです

 

メリット3:事業方針にマッチする

最初に経営理念・方針を確認し
最後に上司に説明して承認を得ます

そのことでこの会社の方向性と
ぴったりマッチできるテーマを
選択していることになります

そうすると、その問題を解決すれば
多くのヒト(お客さまや作業者)に
役に立つ改善活動となるはずです

もう完璧ですよね!

 

QC活動のテーマ選定方法(決め方)についてまとめ

事業はいつも競争環境の中にいます

このテーマ選択方法を参考にして
改善テーマを適切に選定することで
ぜひ結果を高められるよう工夫して
強い組織づくりを進めてください

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次