生産管理システム導入vsノーコード展開~デジタル構想の考察~

生産管理システム導入vsノーコードツール展開~デジタル構想の考察~

これまでデジタル化との課題に対し
生産管理システムの導入、および
ノーコードシステムの展開について
検討を進めてまいりました

しかしそれぞれの特色がわかっても
自社のデジタル化をどう進めれば
よいかどうかはわかりませんよね

そのためこれまで紹介してきた
生産管理などのシステム情報や
ノーコードシステムの概要について
改めて整理することによって
自社の将来について考えましょう

今回も読み終えるまでのお時間
しばらくお付き合いくださいませ

目次

生産管理システムの現状について

生産管理システムの導入率は
都会と田舎の特性を併せ持つ地域
兵庫県でのアンケート調査では
実に57%と多い結果でした

しかも導入企業の37%が
独自開発のシステムとのこと

やはり生産管理は独自性が強く
会社のアイデンティティですから
それは納得かと思います

一方既製品では圧倒的シェアを誇る
テクノア社製『TECHS』シリーズを
飛込み?取材してきましたので
改めて紹介しておきます

テクノア社製『TECHS』シリーズ

生産管理システムは基本的に
必要機能が網羅されているものの
本当のメリットはそんなことより
会社側の支援スタンスにありました

主なトピックスは以下のとおり

①業種特化のシステム構想と機能が特徴
②中小企業特有の課題を解決できる機能装備
③段階的に導入=実績管理→見える化の戦略
④現場に合わせた機能の組み合わせを提案
⑤中小企業診断士より経営的アプローチを実施

もう少し補足してみましょう

①業種特化のシステム構想と機能が特徴

まず前述のとおり生産管理の形態は
多種多様のために全対応は謳わず
多品種少量生産の工場向けに特化

リピート品が多い現場では
あまり効果が出ないことをはっきり
アピールしているところがすごいな
と思いました

彼らは売れればよい、とは一切
思っていないメーカーだということ

これは正直、我々からすると
信頼に値する頼もしい会社ですよね

②中小企業特有の課題を解決できる機能装備

人手やノウハウが慢性的に不足する
中小企業特有の課題を解決できる
機能をたくさん装備しています

例えば。。。
・リアルタイム原価と最終予測を計算
・部品手配と管理が楽
・部品の色で納入状況がわかる
・仕掛り中の設計変更にも対応

などなどです

これは助かりそうですよね

③段階的に導入=実績管理→見える化の戦略

また大企業システムにあり勝ちな
資材所要計画:MRPを機能させるため
膨大な時間が必要される
部品構成表:BOMの準備も必要なく

実績管理から手軽に始めることで
データ蓄積されて見える化するなど
小さく始めることができる仕様が
ちょっと嬉しい事実ですよね

④現場に合わせた機能の組み合わせを提案

さらにはシェア1位の実績から
当社工場に合わせた機能の組合せを
経験豊富なスタッフが提案して
くれるというので安心です

⑤中小企業診断士より経営的アプローチを実施

そして社内に在籍している
中小企業診断士から
経営的なアプローチもフォロー

これには我々もうかうか
していられないですね、苦笑

【ご参考リンク】
[getpost id=”5584″]

ノーコードツールについて

ノーコードツールとは
コードを書かなくてもアプリが
つくれるツールのことを言います

つまり必要なプログラム知識が
最小限であるために
プログラムが書けない一般社員でも
少し勉強すればアプリ作成が可能に

近年そのためのツールが
どんどん増えているということです

それでは代表的なツールを順番に
紹介していきましょう

サイボウズ社製『kintone』

まずはもっとも著名度の高い
サイボウズ社製の『kintone』です

その特徴は以下のとおり

①日本語開発のハードルの低さ
②導入サポートとして対面開発の強烈さ
③スタートコストは安い(拡張が課題?)
④業務改善の具体的な手段として活用可能

①日本語開発のハードルの低さ

まずはなんと言っても日本語での
開発環境のハードルの低さが
ダントツではないでしょうか?

おそらく1時間もあれば
そのツールの特徴を理解できて
アプリ開発が進められるかと

②導入サポートとして対面開発の強烈さ

さらにサイボウズパートナーによる
導入サポートがすごいです

特に『対面開発』と呼ばれる対応は
打合せしている席上で
アプリを組み立てていけます

この状況を見てノーコードツールの
本当の意味がわかったほどの衝撃!

そもそも情報知識に明るいヒトが
これを使ったら最強だということ

③スタートコストは安い(拡張が課題?)

そして運用経費が思ったより安いが
実は拡張性に課題が残っています

と、いうのもkintoneで取り扱う
データはkintone内なので
外部システムとの連携が不便です

そのため既に動いているシステムや
他のクラウド機能が弱いため
今後の進化に期待ですよね

④業務改善の具体的な手段として活用可能

しかし開発そのものが簡単なので
普段の業務をデジタル化する速度は
最速と言っても過言ではありません

すさまじい役立ち具体に驚愕です

【ご参考リンク】
[getpost id=”5668″]

Google社製『AppSheet』

それでは次によく使われるだろう
Google社『AppSheet』の紹介です

このツールの特徴は以下の5つ

①グーグルのワークスペースとの親和性が高い
②自社の少人数であれば運用コストは格安!
③英語環境でもあり、相応の独自学習が必要
④独自に対面開発っぽい有償サポートも実施中
⑤有料だがデータベースを指定可能(拡張性高)

こちらも少しだけ補足しましょう

①グーグルのワークスペースとの親和性が高い

グーグルのサービスと言えば
〇 Gmail
〇 Googleカレンダー
〇 Googleマップ
〇 Googleサイト
〇 各オフィスアプリ
 などなど

よく使われている便利なサービスが
無料提供であるためお馴染みです

このお馴染みのサービスを法人用に
組合せたのがワークスペースです

このワークスペースをお使いの
法人なら無料で、しかもこれらと
組合せて使えるのですから
親和性は抜群ですよね

②自社の少人数であれば運用コストは格安!

ワークスペース利用者はもちろん
それ以外の方でも小規模利用なら
たいして費用がかからないんです

お試しではじめてみるなら
最高のサービスとなります

③英語環境でもあり、相応の独自学習が必要

ただしkintoneと比べてしまうと
英語環境+独自機能が満載なので
使いこなせるように習得できるまで
数週間かかることになります

ここがちょっとネックですよね

コストを取るか
時間を取るか
、という選択です

④独自に対面開発っぽい有償サポートも実施中

そしてGoogleは大きすぎるのですが
今回解説いただいた吉積情報さんは
有償サポートも実施しています

kintoneで説明した対面開発に
よく似たサービスもありますため
それを活用すれば衝撃的な速さで
必要なアプリを作ることも可能です

⑤有料だがデータベースを指定可能(拡張性高)

最後のkintoneは拡張性に
難がありましたがこちらは大丈夫

そもそもAppsheetデータベースは
Google社製のエクセルである
スプレッドシートが標準です

ですが有料プランにはなりますが
外部のデータベースを指定できます

そのため将来的に拡張が必要だと
予測できる場合でも大丈夫
というわけです

【ご参考リンク】
[getpost id=”5758″]

Microsoft社製『PowerApps』

最後は超有名なMicrosoft社製の
『PowerApps』というツールです

その特徴は以下の5つです

①IT投資から外れる数の多いデジタル化が適応範囲
②PowerPointに似たUIで馴染みやすい開発環境
③データベースを指定可能(拡張性は高い)
④Power Platformを組合せるので運用費は高め
⑤分析機能は製造業の改善には有効

それではこの5つについても
少しだけ補足していきましょう

①IT投資から外れる数の多いデジタル化が適応範囲

まずは基本的な同社の考え方として
このノーコードツールは
デジタル化を進めると大きな成果が
創出可能なIT投資案件とは違い
IT投資判断ができない小さな改善が
その対応範囲なんだとの割り切りが
前提となっています。

だからこそ制作時間がかからない
制作の簡単さが必要だと

②PowerPointに似たUIで馴染みやすい開発環境

そのためMicrosoft社らしい
PowerPointによく似た使い勝手で
創作がし易い環境を作ったそうです

馴染みがあると学ぶ時間が短縮され
直感的に操作ができるのは魅力です

③データベースを指定可能(拡張性は高い)

そしてこのツールでは標準的に
最初にデータベースを選ぶのだと

つまり外部データとの連携が可能で
拡張性はこれまでのツールのなかで
格段に高いことが伺えます

④Power Platformを組合せるので運用費は高め

ただこのPowerAppsは単体でなく
Power Platformと呼ばれる
機能パッケージの一部に同梱され
幾らかの費用がかさみます

これが他ツールに比べると
少々高くつくとの情報でした。

⑤分析機能は製造業の改善には有効

ただこのPower Platformは
高度な分析ツールを含んでいて
その機能は有効に働きます

なぜなら情報分析には経験と
詳しい統計ツールの学習が必要

そのため分析が不得意な
中小製造業には役立つかと

【ご参考リンク】
[getpost id=”5807″]

自社のデジタル化構想を考える

これまで紹介してきた
デジタルツールを参考にして
自社のデジタル化への構想を練ると
どのような答えに結びつくでしょう

生産管理システムは独自に
痒い所に手が届くサービスへと
進化をしてきているようです

またノーコードツールは
キントーンは日本語で簡単
Appsheetは格安で活用可能
PowerAppsは高度な機能満載、と
それぞれ個性的進化を遂げています

どのツールが最適であるか?は
最終的に自社がどうなりたいか?に
よって定義されることとなります

例えば、自社はこれまで
品質力が高いと評価されてきていて
その根拠が高齢職人のこだわりで
10年後もキープできるのかが課題

だとするならどうしますか?

生産管理システムでのデータ化は
技術承継面での効果は期待できません

だとするとまず
製品品質に対する見方の習得
高い製造技術やノウハウなどを
動画記録や明文化するなどで標準化

その上で各工程でのチェック項目を
アプリ化が簡単なkintoneを使って
デジタル化して記録を残す、などが
考えられるかと思います

また短納期対応が当社の強みなら
生産管理システムの導入により
さらなる強みに変えられないか?

システム業者との詳細なる
打合せが必要となるはずです

もし細部のこだわりが合わない場合
自前で生産管理システムをつくる
必要が出てくるかと思います

しかしkintoneでは
拡張性に限界があるため将来が心配

そのため費用が低めのAppsheetを
数週間ほど時間をかけて習得して
必要な機能を量産する体制を選択

当社からIT人材を育てるカタチで
徐々に生産管理に必要な仕組みを
組み立てていく戦略が最適かと

生産管理システム導入vsノーコード展開~デジタル構想の考察~まとめ

大企業とは違う中小製造業は
いつでも資源が豊富に揃うわけでは
ありません

だからこそ必要な機能や人材は
時間をかけて積み上げるべきです

数年間かけてコツコツと

数年間積み上げてこなかった会社が
今、困っているという構図ですよね

ぜひ正しい判断をするために
我が社は何を大切にしてきたのか
そして今後、何を大切にすべきか
それには今、何が必要なのか

もし迷うようでしたら
いつでも相談を申込んでください

>> 全国相談窓口 <<

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次