IE手法による分析・改善の対象は
直接ワークを加工・組立する作業だけが
対象なわけではありません
ワークを設備まで運んだり、図面を確認したり
といった準備作業も対象となり得ます
今回は、そういった準備作業を対象とした
IE手法による分析・改善方法について
説明します
準備作業を分析する前に
やはりどう考えても
いきなり「さあ、準備作業を分析しよう!」
とは、なりませんよね?
まずは、ざっくりとどんな作業が多いのか
全体像を把握することからスタートします
少し復習してみましょう
復習!ワークサンプリングによる稼働分析
「ざっくり」と分析する方法については
過去に説明しました
【過去の記事】IE手法の活用方法①まずは現場をざっくりと分析してみよう!
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ワークサンプリングにより稼働分析する際に
作業が以下のように層別されました
┣ 主作業 ・・・主体作業のうち、加工・組立に直接的に関与する作業
┗ 付随作業 ・・・主作業に付随して間接的に必要な作業
付帯作業 ・・・本来の作業の準備や段取りなどの作業
余裕
┣ 作業余裕 ・・・必要だが不規則、偶発的に発生する作業
┣ 職場余裕(管理余裕) ・・・本来の作業とは無関係に発生する管理上の遅れ
┣ 用達余裕(人的余裕) ・・・人間として生理的に必要となるもの
┗ 疲労余裕 ・・・重筋作業などの疲れを回復するための遅れ
非作業 ・・・作業者の個人的理由や不明な場合
この分類における「付帯作業」が対象となります
では、具体的な分析・改善方法について
解説していきましょう!
フローダイアグラムとは?
フローダイアグラム(流れ線図)とは
レイアウト図に、物や人の移動経路を線図に表し
プロセスを分析するための手法です
過去に似たようなのがありましたね?
そうです!
フロープロセスチャートです
まずはフロープロセスチャートについて
もう一度押さえましょう
復習!フロープロセスチャートによる工程分析
フロープロセスチャートについては
過去に学習済みです
【過去の記事】IE手法の7つ道具③工程分析のフロープロセスチャート(加工工程分析)編
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加工 ◯・運搬 ⇨・検査 ◇・停滞 D の
4種類の工程分析記号を用いて
工程全体を表現する分析手法でした
フローダイアグラムは
このフロープロセスチャートと同様の内容を
レイアウト図上に記載するもので
基本的な考え方はフロープロセスチャートと
同じです
特に行ったり来たりというような動きが
多い場合は
このフローダイアグラムで分析すると
判り易くなります
下記は旋盤とフライス盤をメインとした
金属製品製造業の現場の
フローダイアグラムを描いた例です
いかがでしょうか?
実際の物や人の動き(ムダな動き)が
イメージし易いのではないでしょうか?
しかし実際には見ている以上に
自らが作成する過程によって
多くの問題点に気付くことが
とても多いものです
そのため、皆さまが実際に
フローダイアグラムを作図できるよう
実際の書き方や改善の着眼点について
説明していきたいと考えます
フローダイアグラムにおける改善の着眼点
フロープロセスチャートと同様に
以下の視点で改善します
① D:滞留、▽:貯蔵 ・・・ 無くせないか、減らせないか
例えば、材料の一時置きやワーク保管(一時置き)は
その日の分だけを台車で運搬する
などして無くす、もしくは減らせないか?
② ⇨:運搬 ・・・ 無くせないか、減らせないか
例えば、材料の一時置きスペースを
無くす、もしくは減らしたことによる
活スペースに、作業台を移動させることで
作業台と旋盤との行き来は
無くす、もしくは減らせないか?
特にムダなのは
D or ▽ ⇨ D or ▽
の流れです!
これも、フライス盤と旋盤の作業を
同期化することで、
ワーク保管スペースを減らせないか?
治工具も、よく使う治工具は
旋盤に近接化、もしくは
あらかじめセットすることで
治工具棚と設備の往復を
無くす、もしくは減らせないか?
といったようなアプローチです
この考え方も、以前学んだECRSですね♪
さて、今回は準備作業を対象に
フローダイアグラムを用いて
分析・改善する方法について
説明しました
それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために