QCストーリー5:標準化と管理の定着で歯止めを施す

QCストーリー5:標準化と管理の定着で歯止めを施す

QCストーリーという問題解決フレームは
QC活動には欠かせない大切な機能ですが
そのQCストーリーの最後のフェーズが
『標準化と管理の定着』となります

最初にテーマを設定して
次に現状把握と目標設定
そして要因の解析を進めたあとで
対策の検討と実施をしました

そして最後の総まとめとなるのが
この『標準化と管理の定着』です

このフェーズによってしっかりと
問題抑制に歯止めをかけるわけです

ではその『標準化と管理の定着』を
どのように進めるのか?
早速、説明していきましょう

 

目次

QCストーリー5:『標準化と管理の定着』の進め方

この『標準化と管理の定着』フェーズは
QC活動で改善を施せた成果を
しっかりと確保し続けるために
大切なプロセスです

対策の実施で問題がどれほど改善したか
その結果、どの程度目標値を達成したのか
などの視点で効果確認を行って
しっかり管理体制を構築したうえで
施した対策を標準化します

標準化とは簡単に言えば
いつも守れるようルール化することです

具体的には以下の3つのステップで
それぞれ取り組むべきことを説明します

【『標準化と管理の定着』の3ステップ】
ステップ1:効果の確認
ステップ2:管理体制の構築
ステップ3:手順の標準化

ではこの3つのステップについて
進め方を解説してまいります

 

ステップ1:効果の確認

まず当初の目標値と比べた実績値
つまり達成度を把握してください

また対策の効果を要因ごとに確認して
よりよい対策はどれだったか
検証を進めていきます

もちろん『対策の検討と実施』でも
同様のことを実施しているので
ここは難しくないはずです

そして数値表現はもちろんのこと
これらをグラフで視覚的に表すなど
QC7つ道具はここでも活躍します

また、写真やグラフ比較などで
全体の効果をビフォーアフターで
対比することができれば
より効果が表現可能です

まずは取り組んだ結果がどうなったか
しっかりとメンバー全員で把握して下さい

 

さらに別視点でとても有効であるため
ぜひ以下を進めてください

結果(数値)以外に品質、コスト、納期に
直接的な効果はあったのかどうか

また手法の習得や技術力の蓄積
問題意識の向上やチームワーク強化など
間接的な効果も改めて可能なかぎり
洗い出していただきたいのです

結果(数値)で表せない効果を量産する
そんな意義がある活動であることを知る
これ以上の人材育成はないと思います

このプロセスによって
関わったメンバーの今後の労働意欲を
高めていくことができます

 

ステップ2:管理体制の構築

次に成果(数値)が元に
戻ってしまわないかどうか

しっかりモニタリングしておく体制を
構築しておく必要があります

成果(数値)および対策がちゃんと
守られているかどうか

管理図やグラフで表したり
作業のチェックシートを運用したり
QC7つ道具を駆使して
異常が起これば視覚的に分かる仕組みを
構築していく必要があります

メンバーで話し合ってもっとも効果的
かる合理的な方法を検討して
運用を開始してください

そして管理数値に異常が現れたら
再度対策を講じれる仕組みや体制を
決めておいてください

 

ステップ3:手順の標準化

最後のステップは標準化です

具体的には作業マニュアルを作成します

対策後のよりよい手順を
しっかり『これが標準ですよ!』と
宣言するわけです

皆さまもそうですよね!

時速60KMで走る自動車が
制限速度を超えているかどうか
制限速度という標準がなければ
分からないわけです

同様にこの仕事をするなら
これが標準ですよ!と分からなければ
いいのか、悪いのかも判断できません

そのため、改善前の手順でなく
改善後の手順が新しい標準になることを
しっかり作業マニュアルとして表現します

それに加えて忘れないで欲しいことが
この新・作業マニュアルが変わったことを
しっかり関係者に説明してください

時間を取って説明して
必要であれば現場で教育・訓練を
実施してください

知らない間に変わっていたので
知りませんでした、なんて
苦しい言い訳を言わせないように
お願いします

 

QC活動における『標準化と管理の定着』の重要性

どれだけ的を得た要因を見つけても
どれだけ素晴らしい対策を施しても
それがルールとして守られずに
元に戻ってしまうQC活動をよくみます

そのような職場は2つ原因があります
1つはこのフェーズがしっかりやれてない
もう1つはルールを守らない空気がある
ことです

 

理由1:このフェーズがしっかりやれてない

QCストーリーの最後のフェーズは
歯止めをかけることです

歯止めとは本来、車が動かないように
車輪と地面との間に挟んでおく道具です

つまり元に戻らないようにするための
大切なプロセスなわけです

そのため、成果が出たからほっとして
このフェーズにチカラを抜いてしまうと
いったい何のために頑張ってきたのか
わからない状態になってしまいます

その結果、決めたルールを守らない
周囲を責めはじめることになります

そうではなく
『守らざるを得ない状態にする』
までが我々の仕事です

せっかくの努力がムダになる

そんな状態にならないよう
最後まで気を抜かず
ぜひやり遂げてください

 

理由2:ルールを守らない空気がある

この空気がある職場は深刻な状態です

作業者もひとりの人間です

人にはそれぞれ生まれた環境も経験も違い
それぞれ全く違う価値観を持っています

そのため、個人個人に判断を委ねる職場は
それぞれが都合よく勝手に捉え方を
歪めるクセがついてしまっています

そのため歯止めをしっかりしても
『何を言ってやがる』とそっぽを向き
自分勝手な論理を構築して拒否する人が
何人か必ず生まれます

その対処法は一人ひとり対話をして
相手の考え方をじっくり聴いて
その上で相手の言葉で
説得していくことしかありません

 

しかし一方で3S活動など
整理・整頓・清掃という
論理的にあらがえない根拠を元に
組織全体をルールが守れる組織へと
変革していく方法もあります

よい人材はすくすくと伸び
そうでない人材もルールは守ってくれる

ルールを守らない空気があるなら
QC活動の前に3S活動をはじめて
改善の土壌づくりを進めることを
オススメします

 

QCストーリー5:『標準化と管理の定着』まとめ

さて、この『標準化と管理の定着』

その進め方と重要性は
ご理解いただけたでしょうか?

最後まで気を抜かずに
しっかり進めていただることを
願っております

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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