製造業でいう標準化の基本的な考え方と手順

製造業でいう標準化の基本的な考え方と手順

製造業では仕事を進めている中で
標準化というキーワードを
よく聞かれると思います

ですが、具体的には
何をどうすることでしょうか?

いろいろな答えがあると思いますが
今回はそんな標準化についての
基本的な考え方とその手順について
改めてお話していきたいと思います

 

目次

標準化とは何か?

それでは標準化とは
いったい何をどうすることなのか

まずは辞書を調べてみましょう

 

標準化(読み方)ひょうじゅんか


1 標準に合わせること。また、標準に近づくこと。「まちまちの技術力を標準化する」
2 何もしなければ多様化・複雑化し、無秩序になってしまう事柄について、秩序が保たれる状態を実現するために、誰もが共通して使用できる一定の基準を定めること。製品やサービスの品質・性能・安全性・互換性の確保、利便性の向上、試験・評価方法の統一などを目的として、統一された規格をつくる過程をいう。「商品の規格を標準化する」


出典 デジタル大辞泉/小学館 より

 

どちらも合致している意味ですが
製造業では2がより近いですよね

 
何もしなければ
多様化・複雑化するのが
製造現場ってものです

だけど一定の秩序を保てるような
状態にする必要がある

なので誰もが共通して使える
基準=標準を定めること
を狙います

 
製造現場で働くヒトはせっかくなら
良いものをつくりたいって
ほとんどが思うものなんです

そうすると独自に工夫をして
いいやり方を研究していく

けど同僚に評価されたくなかったり
いいやり方を盗られたくなかったり
自分のやり方を共有しないのが人情

だからそれぞれ独自性が高い
作業方法にバラついてしまうもの

 
これをヒトによりタイミングにより
環境や条件によりバラつかないよう
一定の基準=標準を定めたうえで
それに近づけていくことを
標準化というわけです

 

標準化の目的

だけど製造現場での標準化は別の
表現をすることが多いんです

つまり製造現場での標準化の目的は
以下のように定義できます

製造現場での標準化の目的
4Mを活用して、QCDのバランスを取るため

ちょっとよくわかりませんか?

では製造業的に解説をし直しましょう

 

生産活動の4つの要素:4M

まず生産活動における4つの要素

MAN(作業者)
MACHINE(設備)
MATERIAL(材料)
METHOD(方法)

を4Mと呼びます

【4Mの詳細解説は以下をご参考に】

 

生産管理の3要素:QCD

そして製造業で重要とされる3要素

Q:Quality=品質
C:Cost=価格・原価
D:Delivery=納期・量

をQCDと呼びます

【QCDの詳細解説は以下をご参考に】

 

標準化の目的とは?

生産現場というのはおおまかに
この4Mを投入することによって
QCDのバランスを取って
自社らしい個性・特徴を保ってます

 
品質対応力が強い会社なのか
価格対応力の市場評価が高いのか
納期対応力が認められているのか

 
その絶妙なバランスレベルが
あなたの会社のブランドイメージ

ならばそのイメージどおりの
機能的評価を確保していくために
4Mをしっかりと管理していく

それがこの標準化の大きな目的です

 
おわかりですよね!

ではその標準化の一般的な手順を
紹介していきたいと思います

 

標準化の4つの手順

標準化は一般的には以下の4つの
手順をたどっていきます

標準化の4つの手順
手順1:目的の明確化
手順2:標準書の作成
手順3:標準書の伝達
手順4:確認と是正

それでは簡単にその手順を
補足していきましょう

 

手順1:目的の明確化

標準化を進める目的を明確にします

特に対象とする仕事の範囲、条件、
組織・体制等を決定しておきます

また該当標準文書の維持管理方法も
同時に決めておくようにして下さい

 
この時、標準化の決定事項に関して
他の標準と整合性をとるように
十分な配慮しておくことが必要でし

決してダブルスタンダードを
作らないようにお願いします

 

手順2:標準書の作成

次に標準書として文書化します

決定事項に対して解りやすく、また
誤解の生じにくい表現を使って
まずは文書化を進めてください

また決定事項の中に
目的・内容と異なる好ましくない
結果が予想される場合があれば
処置方法(対処方法)も記載して
いくことが大切です

 

手順3:標準書の伝達

標準書ができあがったらそれを
関係者にしっかり伝達していきます

具体的には標準書を使った教育です

教育を行ったあとはかならず
その教育効果を測定するように
していただくことが重要です

例えば作業を観察して評価するとか
質問を準備していて答えさせるなど
工夫してみることが大切です

だってわかっていなかったら
なんの意味ももたないですからね

 

手順4:確認と是正

そうしてやっと実際の作業を任せて
上司が観察したり、あるいは
他の方法で標準が守られているかを
確認していきます

もしそのうえで標準文書の内容に
問題あることが発覚した場合は
その都度該当文書のルールに従って
是正処置を実施していきます

この継続がなにより重要なことは
もうおわかりのことですよね

 

標準化の分かりやすい表現

その標準書の言葉選びには
慣れと注意が必要です

以下にわかりにくい表現と
わかりやすい表現を並べましたので
比較しながら学習してみてください

 

わかりにくい表現 わかりやすい表現
①バルブをゆっくり閉める バルブを時計の秒針の速度で閉める
②軽くたたく 生卵を割る程度の力でたたく
③徐々にスピードを上げる 30秒ごとに100rpm単位で回転を上げる
④できるだけ近づける 1mm程度まで近づける
⑤軽く押さえつける 500g程度の力で押さえつける
⑥少しずつまわしながら確認する 時計の5分ずつの角度でまわしながら確認する
⑦ゆっくり曲げる 90度曲げを5秒ぐらいで曲げる
⑧異音なきこと コンコン音、カサカサ音なきこと
⑨そっとつかむ 生卵を持つ感じでつかむ

 
どうでしょうか?
表現が具体的で定量的だと
伝わりやすくなりますし
訓練もやりやすくなりそうでせすよね

 

製造業でいう標準化の基本的な考え方と手順まとめ

できれば標準書を作成する時に
その標準書を読む側の対象を
しっかり想定しながら作成下さい

 
やはり、新人用にはすべてを記載し
やさしく表現する必要がありますし
ベテラン用には全体というより
要点中心がわかりやすいですよね

近年では新人用には動画撮影・編集で
標準を伝える選択肢を選ぶ会社も
増えてきていますのでオススメです

 
ここまで解説を進めてきましたが
御社の中での標準化は
どこまで進んでますか?

ぜひ比較しながら不足箇所を
しっかり押させて改善してみて
いただければと思います

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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