もう19回目を数えるIoT改善事例を
紹介する同シリーズの今回は
海外企業が開発したIoT化した部品
『ピエゾボルト』というアイテムを
展開していくお話です
この『ピエゾボルト』とは
どんな機能を持っていて
どのような展開をしたのか?
そしてあなたの職場にどのような
メリットを与えてくれるのか?
今回もご参考いただけばと思います
IoT改善事例⑲の企業概要
資本金:8500万円
従業員:230名
設立年:1966年(53年間)
事業概要:精密冷間鍛造金型、温・熱間鍛造金型、粉末焼結金型等の製造
当社は昭和40年に創業した
主に鍛造金型を製造する会社です
特に鍛造の中でも冷間鍛造と呼ばれる
温度を上げずに加工する製造技術に
強みを持っています
さらに当社では競争力を維持するため
設計技術を高める努力をしていて
海外製のシミュレーションソフトを
現場の中で使いこなすと同時に
販売代理店として販売を行っています
つまり自社の強みを違った業界で
事業化できることを経験で知っている
そんな当社が次の事業化へ向けて
いろいろと検討を重ねてきました
当社が抱えていた課題
当社が得意な冷間鍛造金型の製造は
特殊技術の応用が必要な分野なので
現状では競争力があると言えます
しかし主要顧客である自動車メーカが
主力品を電気自動車に移すという
大幅な受注減少リスクがあります
そういった危機感を持っていた当社は
今後のメイン事業を新しく育てていく
必要があると強く認識していました
別に自動車業界でなくとも
当然、時代の移り変わりによって
いつまでも今のまま受注が続くという
そんな夢のようなことは
ありえませんよね
IoT改善の経緯
そんなある時当社は
以前より参加していた
冷間鍛造に関する国際会議の中で
ドイツのあるベンチャー企業と
幸運にも出会ったのです
そしてそのベンチャー企業が開発した
ボルト型のセンサ『ピエゾボルト』
そのアジア圏での販売契約を締結し
販売をスタートすることができました
ただのラッキーとも言えます
しかし当社がずっと新事業を探すとの
活動を継続していたからこそ
出会えたとも言うこともできます
あきらめずに行動し続ければ
いつか機会がやってくるものだという
いい例ですよね
ではその『ピエゾボルト』とは
いったいどういった機能を持つ
アイテムなのでしょうか?
IoT化したボルト『ピエゾボルト』
『ピエゾボルト』とは
ボルト内に加えられた圧力を検知する
圧電(ピエゾ)素子が組込まれていて
締結したところの荷重変動を
高精度に測定することできるのです
またボルトにかかる圧縮側の力と
引張の力の両面を測定可能なのだとか
さらに振動計測も同時に可能なようで
細く設備稼働状況が探知できそうです
JIS基準のボルトと同じ形状なので
機械・装置に使用されているボルトを
置き換えるとボルトの負荷を数値化
計測システムと組み合わせることで
工程の異常検知や危険予測などが
できるようなるという優れアイテム
一方で現状ではボルト自身を
ケーブルからPC経由でデータを蓄積し
リアルタイムにデータを把握できる
システムとなっているため
設置側にもある程度のIT知識が必要
つまり我々の知見が必要とされる
そんな特徴を持つ
便利アイテムなのです!
ホント、すごい時代ですよね
IoT化したボルト『ピエゾボルト』の活用によるメリット
それでは改めて今回の改善事例として
IoT化したボルト『ピエゾボルト』の
活用によるのメリットを
整理していきましょう
メリット2:シミュレーションの高精度化にも貢献
メリット3:IoT製品により新事業創出
それではこれらの成果・メリットに
もう少し詳しい解説を加えます
メリット1:設備の異常検知が可能に
ピエゾボルトはそのセンサ情報を元に
分析してデータ化することで
設備の異常検知が可能になります
また設備稼動によって捉えた
荷重や振動をデータ化して
パターン分析をすることで
設備の予知保全も可能になります
例えば故障特有の振動やボディの
ねじれ具合を事前に検知して
そろそろメンテナンスが必要だと
お知らせをしてくれるといった
とっても親切な機能が組めるのです
そうなれば故障で生産が止まる
そんなトラブルがなくなります
まさに夢のような機能ですよね!
メリット2:シミュレーションの高精度化にも貢献
2つ目のメリットは当社が持つ
シミュレーションソフトとの連携です
加工機に取付けたピエゾボルト情報と
シミュレーションで得た計算値を
相互に比較し検証していきます
それらのデータの関係性を分析して
シミュレーションの計算条件に
フィードバックすることで
より精度の高いシミュレーションが
できるようになります
仮想的な検証が現実的な検証に近づく
当社の強みがさらに強みへと
進化させていく方向です
これは頼もしい限りです
メリット3:IoT製品により新事業創出
さらに今回の『ピエゾボルト』は
海外企業との相互連携によって
導入させることができました
その後に同商品の販売だけでなく
自社でデータ活用も可能になりました
そのことによって取得したデータを
シミュレーションに応用したり
データ分析のサービスも事業化可能
製造業からサービス業への一部展開も
進められることができそうです
なるほど、ニッチな産業だからこそ
他社ではできないことも多いですよね
そこに目をつけるところはサスガです
IoT改善事例①マニュアル作成ツールの活用で作業を標準化まとめ
海外企業との企業間連携により
センサを組み込んだボルトである
『ピエゾボルト』を設置することで
異常検知等のためのツールとして
活用可能な仕組みを構築
そしてさらには以前より取り組んでいた
シミュレーションをサービス化するなど
新たな事業の種を植えることに成功した
そんなIoT改善事例でした
このようにIoTアイテムって
多くのヒトが知らないところで
静かに進化しています
さてあなたの会社ではそんな
海外アイテムを探していますか?
応用できるかどうか試していますか?
もうそろそろスタートしなければ
だいぶ遅いくらいですので
ダッシュしながら追いつきましょう,笑
それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
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