IE手法の活用方法③準備作業(付帯作業)の改善:流れ線図の活用法

IE手法の活用方法③準備作業(付帯作業)の改善:流れ線図の活用法

IE手法による分析・改善の対象は
直接ワークを加工・組立する作業だけが
対象なわけではありません

ワークを設備まで運んだり、図面を確認したり
といった準備作業も対象となり得ます

今回は、そういった準備作業を対象とした
IE手法による分析・改善方法について
説明します
  
  
   

目次

準備作業を分析する前に


  
やはりどう考えても
いきなり「さあ、準備作業を分析しよう!」
とは、なりませんよね?

まずは、ざっくりとどんな作業が多いのか
全体像を把握することからスタートします

少し復習してみましょう
  
   

復習!ワークサンプリングによる稼働分析


  
「ざっくり」と分析する方法については
過去に説明しました
  
【過去の記事】IE手法の活用方法①まずは現場をざっくりと分析してみよう!
[getpost id=”2552″]
  
ワークサンプリングにより稼働分析する際に
作業が以下のように層別されました
  

主体作業 ・・・本来の目的である作業
 ┣ 主作業 ・・・主体作業のうち、加工・組立に直接的に関与する作業
 ┗ 付随作業 ・・・主作業に付随して間接的に必要な作業
付帯作業 ・・・本来の作業の準備や段取りなどの作業
余裕
 ┣ 作業余裕 ・・・必要だが不規則、偶発的に発生する作業
 ┣ 職場余裕(管理余裕) ・・・本来の作業とは無関係に発生する管理上の遅れ
 ┣ 用達余裕(人的余裕) ・・・人間として生理的に必要となるもの
 ┗ 疲労余裕 ・・・重筋作業などの疲れを回復するための遅れ
非作業 ・・・作業者の個人的理由や不明な場合

  
この分類における「付帯作業」が対象となります
  
では、具体的な分析・改善方法について
解説していきましょう!
  
   

フローダイアグラムとは?


  
フローダイアグラム(流れ線図)とは
レイアウト図に、物や人の移動経路を線図に表し
プロセスを分析するための手法です
  
過去に似たようなのがありましたね?
そうです!
フロープロセスチャートです
  
まずはフロープロセスチャートについて
もう一度押さえましょう
   

復習!フロープロセスチャートによる工程分析


  
フロープロセスチャートについては
過去に学習済みです
  
【過去の記事】IE手法の7つ道具③工程分析のフロープロセスチャート(加工工程分析)編
[getpost id=”2444″]
  
 
加工 ◯・運搬 ⇨・検査 ◇・停滞 D の
4種類の工程分析記号を用いて
工程全体を表現する分析手法でした
  
フローダイアグラムは
このフロープロセスチャートと同様の内容を
レイアウト図上に記載するもので
基本的な考え方はフロープロセスチャートと
同じです
  
  

特に行ったり来たりというような動きが
多い場合は
このフローダイアグラムで分析すると
判り易くなります

下記は旋盤とフライス盤をメインとした
金属製品製造業の現場の
フローダイアグラムを描いた例です

 

     
いかがでしょうか?
  
実際の物や人の動き(ムダな動き)が
イメージし易いのではないでしょうか?
  
  

しかし実際には見ている以上に
自らが作成する過程によって
多くの問題点に気付くことが
とても多いものです

そのため、皆さまが実際に
フローダイアグラムを作図できるよう
実際の書き方や改善の着眼点について
説明していきたいと考えます
  
  
   

フローダイアグラムにおける改善の着眼点


  
フロープロセスチャートと同様に
以下の視点で改善します
  
  

① D:滞留、▽:貯蔵 ・・・ 無くせないか、減らせないか
  
例えば、材料の一時置きやワーク保管(一時置き)は
その日の分だけを台車で運搬する
などして無くす、もしくは減らせないか?
  
 
  
② ⇨:運搬 ・・・ 無くせないか、減らせないか
  
例えば、材料の一時置きスペースを
無くす、もしくは減らしたことによる
活スペースに、作業台を移動させることで
作業台と旋盤との行き来は
無くす、もしくは減らせないか?
  
  
  
特にムダなのは
 D or ▽ ⇨ D or ▽
の流れです!
  
これも、フライス盤と旋盤の作業を
同期化することで、
ワーク保管スペースを減らせないか?
  
  
  
治工具も、よく使う治工具は
旋盤に近接化、もしくは
あらかじめセットすることで
治工具棚と設備の往復を
無くす、もしくは減らせないか?
  
といったようなアプローチです
この考え方も、以前学んだECRSですね♪
  
  
  
さて、今回は準備作業を対象に
フローダイアグラムを用いて
分析・改善する方法について
説明しました

   
   
  
それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

システムエンジニアを経て、自動車部品メーカで生産管理・業務改善を経験。その後、総合電機メーカで現場改善に従事。最近はIoT導入に携わり、IE手法との融合を目指す。現場改善と業務改善は両輪!がモットーの現場大好き人間!

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