業務改善を成功できない意外な理由~IE手法の本質~

業務改善を成功できない意外な理由~IE手法の本質~

IE手法を活用して業務改善を進めようと
多くの職場が取り組んできましたが
成功する職場とできない職場が生まれます

多くの現場を見てくるとその要因が
わかるようになってきます

今回は成功までたどり着けない理由を
紹介することで、成功させるための
ポイントをお伝えできればと思います

 

IE手法の本質とは?

IE手法をシンプルに説明するなら
『現状を見える化することで
改善案を見つけやすくする手法群』
と表現することができます

しかしそのアプローチのほとんどは
微妙に違う作業を抽象化する
つまり『繰り返し作業』に見立てる
割り切りが必要となります

それはいったいどういうことでしょうか?

 

厳密に言えば同じように見える作業も
1回1回まったく違う動作を
つなげているはずです

手首の角度も違うし位置も違う
歩く方向も違うし速度も違う
細かく言えばまったく同じ作業は
この世に存在しないことになります

それを『同じ作業』だと見立てて
モデル化をすることで
全員で知恵を出し合える環境をつくる
その上でで改善を進めていく

これがIE手法の本質と言えます

 

業務改善で生産性を高めるポイント

そのため『繰り返し作業』がない作業に
IE手法では成功できません

例えばパターン化できない芸術などは
IE手法での改善は期待できないのです

 

一方で1年に1度しかない作業も
繰り返し作業になります

年賀状の宛名を書く
人事評価を見直す
給料計算をする

住所が変わっていたり
従業員の等級が上がったり
残業時間が変わったり

時々によって特別対応が必要ですが
大まかに似通っていれば繰り返し作業です

 

そこでこれらの繰り返し作業を
どうやって機械的な作業にするか
何も考えずにスピーディーに処理できるか

それを対策することが生産性向上に
大きく貢献します

 

業務改善を成功できない事例

例えばこのサイトの記事作成作業の場合
ほとんど同じことは書いていないので
繰り返し作業に見えないかもしれません

しかし実際にはタイトル=テーマ作成後
見出しを先に決めて文章を書くルールを
実際には決めて書いています

つまりプロセスを抽象化すると
繰り返し作業に見えてきますよね

 

またこの記事を書いているPCの辞書には
多く使う言葉を定型化して登録しています

例えば『よろ』と打つと
『よろしくお願い申し上げます』だとか
『いつおせ』と打つと
『いつもお世話になっております』など

実はこの文章作成作業には
繰り返し作業が満載であるため
改善アイデアはまだまだ生まれそうです

 

しかし実は。。。
ほとんどのヒトはこの繰り返し性を
見逃してしまっています

つまり作業に繰り返し性を認めないかぎり
改善を進める対象にすら上がらないのです

 

IE手法の敵~成功できない意外な理由~

業務改善全般に言えることでもありますが
IE手法の敵は
『すべては1つひとつ違う作業である』
と考える思考そのものです

 

違いを探せばきりがなく見つかります

『設計の仕事は工場の作業と違って
毎回プロセスが変わるので
IE手法では改善できません』
などと何度も言われました

でもこういった意見は
営業でも、研究でも、経理でも聞きます

でも、類似設計ではパターン化できますし
お客様もグルーピングすれば分類可能
研究活動作業の繰り返しは多い
経理作業なんて機械化に一番近いはずです

そうなんです!

 

改善しようとする側の考え方しだいで
IE手法の応用範囲はいくらでも広がります

しかし実際には意外なことに
自らを改善したくない
これまで慣れた作業を変えないための
言い訳をつくりだしているのに近いのです

 

業務改善を成功させるためのポイント

業務改善を成功させるためのポイントは
以下の3つです

【業務改善を成功させるためのポイント】
(1)事業の本質と自社の状況を共有する
(2)業務改善は必須の活動であることを公言する
(3)改善報告会を設定する

それではこの3つのポイントについて
もう少し詳しく解説していきます

ポイント1:事業の本質と自社の状況を共有する

我々はなんのために事業をしているか?
当社を取り巻く環境はどういう状況か?

業務改善が必要とされている理由を
包み隠すことなく説明します

経営理念からはじまって
顧客ニーズや競合他社比較の外部環境
それらを踏まえた企業ビジョン(ゴール)
そして部門の数値目標

具体的なことを説明することで
しっかりと自分のやるべきことを
認識していただくことが重要です

 

ポイント2:業務改善は必須の活動であることを公言する

そのうえでこの業務改善は
優先順位の低い仕事などではなく

通常作業と同等の位置づけであること
なくてはならない活動であることを
しっかりとTOPから公言して頂きます

そのことでさらに認識と理解を深め
自らの業務であることを受け止めて
いただきます

 

ポイント3:改善報告会を設定する

これは前回の記事をご参考ください

[clink url=”https://seizo-bu.com/改善マインド/ie手法の活動報告会のススメ~活動内容を解説する/”]

 

業務改善を成功できない意外な理由まとめ

やはり改善マインドを高めること
そのことによって同じ手法を活用しても
改善成果がまったく変わってくることを
理解していただけたかと思います

やはりあなた一人がいくら改善を進めても
従業員全員で取り組んでいる競合他社には
勝つことはできません

そのため上記の3ポイントを押さえながら
徐々に活動成果と改善ノウハウを蓄積して
競争力のある組織づくりを進めてください

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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