IE手法の7つ道具⑤レイアウト分析の使い方編

IE手法の7つ道具⑤レイアウト分析の使い方編

前回のお話はIE手法の7つ道具の4つ目
動作分析および作業分析を進める上で
とても重要になる生産方式についてでした

身近であるご自身の職場がどのタイプか?
まずはそこから認識いただかなければ
適切な分析を進めることができません

【前回記事】>IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)生産方式の種類編

まずは前回の記事内容については
しっかりと理解を進めておいてください

では、今回はIE手法の7つ道具の5つめ
レイアウト分析についてお話を進めます

しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

レイアウト分析とは?

そもそもレイアウトとは何でしょうか?

ご理解している方も多いと思いますが
何?と聞かれると、どう表現すればいいか
腕を組んで考えてしまいます

そう、人の記憶というのはいいかげんです

ですから定義を確認しておくことは
コミュニケーションにおいて
とても重要なわけです

そういう意味でまず、定義を述べます

レイアウトは、
地取り、配置、割付けなどと訳されます

つまり工場内における
すべての設備や入り口や通路などの配置を
レイアウトと呼ぶわけです

現時点の配置の状態を再評価することで
業務効率は高くて働きやすい配置へと
改善を施すことが目的です

それではレイアウトはどのようにして
最適化を図ればよいのでしょうか?

定番なる手法が存在しますので
それを紹介してまいります

 

SLP:Systematic Layout Planningの使い方

このレイアウト分析を行う場合
Systematic Layout Planning
略して:SLPと呼ばれる
レイアウトの進め方を体系化した手法を
活用することが一般的です

ではこのSLPの進め方を下記の順序に従って説明します

【SLP:Systematic Layout Planningの進め方】
1.P-Q分析の実施
2.相互関連分析図およびアクティビティ相互関連図の作成
3.面積相互関連図の作成
4.改善案の検討

 

 

1.P-Q分析の実施

以前、『1.改善対象の選定』を説明時に
解説したP-Q分析を行います

つまりパレート図を用いて改善するうえで
重点的に取組むべき優先製品を決める

ただ、レイアウト検討時に重要な視点として

累積生産量が80%までの製品群をAクラス
95%までをB、それ以上をCとした場合

Aクラスはライン生産方式
Bクラスはセル生産方式
Cクラスは機能別生産方式が推奨されます

ただこれは一般的なオススメ情報であり
実際にはスペースや予算などの制約に沿った
妥協案を検討する必要があります

だからこそその検討を進める前に
全体としての理想的な優先度合いを
まずはあらかじめ掴んでおきたいわけです

 

2.相互関連分析図およびアクティビティ相互関連図の作成

IE手法の7つ道具⑤レイアウト分析の使い方編

物の流れをある程度掴んでおくために
相互関連分析図、および
アクティビティ相互関連図を作成します

レイアウトを検討時の最も小さな単位を
アクティビティと定義して、それらを
物流面、品質面、管理面の重要度を
この2つの図表により見える化します

これによって
近くに配置した方がよいアクティビティ
離れても問題が無いアクティビティなど
アクティビティの関連性を評価できます

 

3.面積相互関連図の作成

IE手法の7つ道具⑤レイアウト分析の使い方編
次にアクティビティ毎の所要面積を求めて
相互関連分析図に割付けて面積相互関連図
として表現します

工場で利用可能な保有面積と
アクティビティ毎の必要面積を比較検討します

その時にアクティビティの必要面積が
保有面積よりが大きくなった場合は
面積を圧縮するなどの調整を施します

これらのシミュレートによって
最適解の検討を進めていきます

 

4.改善案の検討

これまでの分析や作業によって
理想的なレイアウト案をイメージします

一方で、建物の特性、運搬プロセス、
作業面や安全上などの制約条件があるため
これらを考慮したうえで
複数のレイアウト案を作成します

そしての複数の案を
生産性や安全性、コスト面などの観点より
多面的に評価して実行案を選定します

 

IE手法の7つ道具⑤レイアウト分析の使い方編まとめ

レイアウトの改変だけで大幅な効率化を
実現した現場をいくつも見てきました

職場の見た目って、変化がないものだと
思い込んでいませんでしょうか?

説明してきた言葉をご理解いただければ
想像できると思いますが、厳密に言えば
レイアウトの最適解は
製品の組合せにより毎日変わります

そのため、何年も変わっていなければ
最適化するだけで生産性は向上します

良品率が高止まりの職場であれば
ぜひ分析してみることをお勧めします

さて次回はIE手法の7つ道具の最後

マテハン分析についてのお話です

マテリアル・ハンドリング
つまり物流改革を実現し得る
分析手法の登場です

ぜひ次回もお楽しみくださいませ。

 

 

それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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