IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)生産方式の種類編

IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)生産方式の種類編

前回のお話はIE手法の7つ道具の4つ目
動作分析および作業分析の概要でした

おおまかにはイメージは掴めたでしょうか

【前回記事】>IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)概論編

この分野はタイムスタディ(時間研究)や
ワークユニットなどと同じように
とてもIE手法っぽい独特な世界観を持つ

 

そしてさらに
この動作分析(作業分析)は改善の糸口を
見つけるためにとても有効な分析です

しかし前回で説明したように
さまざまな手法が存在しており
それぞれの職場にマッチした分析手法を
まずは適切に選択することが求められます

その選択要素として需要な鍵となるのが
工場の生産方式です

今回はその生産方式について
再認識を進めてまいります

しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

生産方式の種類について

世の中に存在するあらゆる工場は
以下の4つのタイプの生産方式、ないし
その組合せが主な構成要素です

【主な生産方式】
個別生産方式
ライン生産方式
ロット生産方式
セル生産方式

工場それぞれ
取り扱う商品、つまり製造過程によって
最適な生産方式が選択されています

もちろんすでにご存知の方も多いですが
それぞれどんな生産方式なのか?
改めて確認してきましょう

 

個別生産方式とは

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こちらはもっとも原始的な方式で
ひとつの製造品を全員で順番に
加工を施していく生産方式です

例としては船の建造や、製造装置
プログラム開発など

それぞれの加工・組立技術
そしてその作業速度の向上が
課題のメインであることが多いです

またスケジュール管理が弱い場合は
生産性が上がりにくい特性もあります

 

ライン生産方式とは

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こちらは大量消費時代を担った
代表的な生産方式です

ベルトコンベアーなどで流れてくる製品に
部品の組立や加工を行う生産方式

作業員の配置を一連(ライン)化するため
ライン作業(生産方式)や連続作業方式と
呼ばれています

ある期間において、単一の製品の製造や
大量生産を行う加工・組立に適しています

主な製造例としては鉄鋼や薬品に加え
いわゆる流れ作業全般となります

工程の生産速度を一定にするため
見た目ではボトルネックが見つかりにくい
特性をもっています

また不良品が発生したら取り返しがつかず
一部のトラブルが全体的な被害に発展する
そんなリスクがあるのも特徴的です

 

ロット生産方式とは

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ロット生産とは、製品ごとに
ある一定数量(ロット)でグルーピングし
そのロット単位で生産を行う手法のこと

現代では多品種少量の受注ニーズは高い

そのため単一の製品を同ラインで生産する
ライン生産方式に比べて柔軟性が高いため
現代ではこの生産方式の採用が多い

ロット生産では同ラインで複数製品を扱う

つまり一定量をまとめて生産することで
製品切替時の段取り替え時間を短縮する

そんな狙いがあっての選択です

しっかりとした生産計画がない場合
需要供給のバランスが崩れ易い特性があり
生産管理体制の強化の課題をよく聞きます

 

セル生産方式とは

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GT(Group Technology)の概念を応用し
工程系列をグーピングファクターにして
部品及びマシンをいくつかのセルに分類し
生産する方式です。。。

いきなり難しくなりましたよね

そうなんです
この方式が柔軟性が高く効率的な方式だと
言われている生産スタイルです

要するに多品種少量ニーズに合致する方式

1人、または少数の作業者チームで
製品の組立工程を完成まで行います

そのため作業者の動きがムダになりにくく
労働生産性が高くなる特性を持っています

ライン生産方式やロット生産方式など
従来の生産方式と比較して
作業者一人が受け持つ範囲が広いのが特徴

つまり主な課題は多能工と呼ばれる
多くの作業スキルを持った人材の育成です

そのため働きやすい環境づくりなど
従業員の定着率確保が前提であるため
ただの絵に描いた餅となっている現場を
我々はよく拝見します

一方でこの方式を採用している工場は
携わる作業者の問題意識のレベルも高い

そんな印象をもつ職場が多くです

やはり高度な管理が必要な生産体制は
高度な人材を育てるのだと
個人的はそんなふうに理解しています

 

IE手法の7つ道具④動作分析(作業分析)生産方式の種類編まとめ

ほとんどの職場では当たり前になっている
現時点で採用されている生産方式

そのカタチが本当に現在の顧客ニーズに
合っているのでしょうか?

こういった種類別でみていくことが
考え直すきっかけとなっているはずです

『昔からこれでやってきたから』
『検討時間より生産時間が優先』
『これからも今のままでいけるはず』

など、いろいろお考えもあるかと存じます

ただ。。。
この情報に出会ったのも何かのご縁

であれば、素直に考え直してみるのも
時代の流れに沿う経営センスかと思います

ぜひこの貴重な機会、ご活用ください!

さて、いよいよIE手法の7つ道具も5つめ
レイアウト分析についてのお話です。

現在のレイアウトをどうやって分析して
改善へと結びつけていくのでしょうか?

ぜひ次回をお待ちくださいませ。

それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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