IE手法の7つ道具⑥マテハン分析の使い方編 運ぶムダの改善

IE手法の7つ道具の5つ目として
工場レイアウトの最適化を図る

前回はそんな分析手法を紹介しました

【前回記事】>IE手法の7つ道具⑤レイアウト分析の使い方編
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今回はそのレイアウト分析の成果ポイント
『運ぶムダ』そのものを改善する
マテハン分析について解説をいたします

しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

マテハンとは?

そもそも『マテハン』という言葉

一般的に認知されていませんよね

正式にはマテリアル・ハンドリング
(Material handling)と呼びます

直訳すれば『機器による作業』です

このマテハン機器を想像してみれば
理解は早まります

【マテハン機器とは(具体例)】
「台車」「パレット」「フォークリフト」「コンベヤ」「クレーン」「搬送用ロボット」など

つまり移動や積み込み、積み下ろし
倉庫への入出庫、仕分け作業をはじめ

工場内の原材料・部品・仕掛品など
全てのモノの移動全般をさします

 

マテハン分析の目的

マテハン=物流機能は
ものづくりを行う製造工場の中では
重要な機能を持っています

しかし一方で物流機能は。。。
まったく付加価値を生まないところに
大きな特徴があります

つまりモノの取扱いを増やせば増やすほど
価値を生み出さないコストを増加させます

今回のマテハン分析の大きな目的は
その取扱いを極力減らすことなのです

 

近年のマテハン機器はIoTやAIをはじめ
ロボット等とハイテク化が進んでおり
作業効率化の目玉として注目されています

なぜなら比較的改善が進んでいる工場でも
人件費の50%、実に作業時間の20%が
マテハン業務に費やされているからです

要するに生産性向上の潜在的なパワーが
このマテハン部分に隠れているのです!

それでは自工場のマテハン分析は
どのように進めればよいのでしょうか?

解説を進めていきましょう

 

マテハン分析の進め方

マテハン改善の着想は
「人」「設備」「モノの動き」の生産要素
の関係性の中にあるといえます

そのためこれら現状を観察できる
『運搬工程分析』と『運搬活性化分析』
この2つの分析手法を活用して見える化し
最適解を検討できる環境をつくります

 

運搬工程分析とは

IE手法の7つ道具⑥マテハン分析の使い方編 運ぶムダの改善

【運搬工程分析の例】

 

運搬工程分析は、前述した加工工程分析と
大きな違いはありません

ただ、加工ではなく運搬を中心にみるため
記号などが少し違うだけです

そのため基本的には加工(◯)以外は
付加価値を生まないと理解して
取り扱い、置き換え運搬、リフト降ろし
仮置きにおいても徹底的になくすことを
検討していく必要があります

また、どうしてもなくすことが困難な場合
回数の削減や距離の短縮、時間の削減を
進める改善案を検討していきましょう

 

運搬活性化分析とは

IE手法の7つ道具⑥マテハン分析の使い方編 運ぶムダの改善

【運搬活性化分析図の例】

 

この運搬活性化分析では、
運搬の距離や回数を削減するとともに
取り扱い工数を減らすことも考えます

例えば倉庫にある玉ねぎを運搬する場合
カゴやパレットを準備して載せて
さらに持ち上げて移動するなど
ある程度の工数がかかります

これを玉ねぎをあらかじめケースに収納し
コロコン上で移動可能としておいて
なおかつ傾斜をつけておけば
所定の位置まで自重で移動可能となります

こういった改善を検討するために
現状の工数を活性度はどうかについて
上図の活性化分析図を描いて確認して
下記の着眼点を参考に改善案を検討します

【活性化指数別の改善の着眼点】
0:カゴやケースにまとめ入れの工夫
1:スキッドやパレットで運搬を容易に
2:台車兼運搬者活用などで運搬の容易化
3:コンベア上、またはコロコン活用
4:距離、運搬スピードなどの改善

運搬プロセスは運びやすいか
運搬に適した通路か
など最適化を視野に検討を進めてください

 

IE手法の7つ道具⑥マテハン分析の使い方編まとめ

物流改善は奥が深いものの
しっかり取り組まれている現場は
あまり多くありません

だからこそ取り組まれたことのない職場に
とっては宝の山であることが多いです

ぜひ、分析・改善をご検討ください

さて、IE手法の7つ道具も
いよいよ次が最後の手法です

事務工程分析の詳細について
お話しを進めます

ぜひ次回もお楽しみくださいませ。

それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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