現代の3S活動:ミニマムに実行して組織改善力を育てる進め方

現代の3S活動の進め方:ミニマムに実行して組織改善力を育てる方法

 工場で「ものづくり」を進める職場には、整理・整頓・清掃=3S活動をしっかりと実行する必要性があることは、このサイトをお読みいただいているあなたにはもちろん理解いただいていることでしょう。でもヒマな時間が豊富にある工場ならこの3S活動に集中して取り組むことは簡単ですが、多くの工場では日々忙しく作業をされている中、なかなか活動への時間が捻出できません。

 そこで今回は、工場の整理・整頓・清掃=3S活動をどうやれば効率的に、しかも確実に行うことができるようになるのか?実際に多くの継続企業が取り組んでいるミニマムな3S活動の進め方を紹介することにします。今回も読み終えるまでのお時間、しばらくお付き合いくださいませ。

目次

3S活動が実施されない3つの理由

 整理・整頓・清掃=3S活動の目的は「職場を良くする」ための組織改善力を育てることです。なので、効率的な方法で改善力が育つのか?との疑問が出てきます。しかし忙しい中であっても、なその方法がないわけでもないんです。それはなぜか?説明するためにまず、多くの工場で3s活動が実施されない理由を押さえていきましょう。

理由1:活動時間が捻出できない

 生産現場は常に動いているため、作業中に3S活動の実施時間を確保することは簡単ではありません。しかも作業者は作業をすることが最重要だと認識し、それ以外の業務を軽視する傾向があります。そのため、3S活動を実施する時間を捻出できない、しない判断が常態化され勝ちです。

理由2:何を改善するのか考えるのが苦しい

 ある程度改善が進むと職場がよくなり、改善すべき点が簡単には見つからなります。理由は、改善は進んでも発想レベルが上がっていないためです。そのため決めきれないまま数週間過ぎていき、結果的に改善が進まない状態に陥りやすいです。それを避けるためは発想レベルを上げる学習と改善案を考えて決める機会がないと、考えることそのものが苦痛になってしまいます。

理由3:なぜ進めるのか?が理解できてない

 3S活動の目的や効果が理解されていない場合、実施意義を見出すことができず、3S活動が実施されなくなってしまいます。そのため、3S活動の目的や効果を明確にして、全員が共有することが重要です。

3S活動で進めるべき最低限の活動とは?

 効率的な3S活動を実施するには、最低限の活動を把握しておくことが必要です。

整理における最低限の活動とは?

 整理における最低限の活動は、①必要な物品と不必要な物品を分ける基準をつくること、そして②不必要な物品を廃棄する機会をつくることです。①の基準があれば、誰もが廃棄するモノを区分できます。そして②の廃棄する機会を作れば作るほど、職場から不用品は減少していくはずです。

整頓における最低限の活動とは?

 整頓における最低限の活動は、③モノの置き場所を決めること、④それに表示を付けること、そして⑤その置き場所の最適化を図ることです。③の置き場所を決めて④表示を付ければ、その決め事を守ろうとします。そして⑤その場所の最適化を図ることで、効率的な作業工程を追求できます。

清掃における最低限の活動とは?

 清掃における最低限の活動は、⑥清掃する場所に清掃する方法と時間と担当者を決め、⑦清掃体制を改善する機会を確保することです。⑥を設定することである程度実施ができます。そして⑦の改善機会があればただの清掃から異常管理が可能になるまでブラッシュアップしていけます。

3S活動における効率的な実行方法

 これら最低限の活動を念頭に置きながら3S活動を効率的に実行するためには、以下の方法が有効です。

実行方法①職場のゴール=理想像を共有する

 3S活動の目的やゴールを全員が共有することではじめて、3S活動に取り組むべき意義を理解できます。そして職場のゴールを明確にすることで、どうやれば達成できるのか?と具体的に発想できる環境が整えることができます。やはりスタート前のエネルギー充填はここからです。

実行方法②活動の実行計画を決める

 3S活動の実行計画を決める機会をつくります。理想的な職場=ゴールを実現するには、どのような活動が必要になるのか?それは何を、どのように、いつ、だれが実行するのか?の実行計画を決めてください。その実行計画を決めることができれば、実行確率がグン!と上がります。

実行方法③実行者にちゃんとフィードバックする

 3S活動の実行した者には、実行したことに対する評価(良かったか、足りなかったか)、そして今後さらにレベルアップしていただくための改善点をフィードバックすることで、改善意識を強めたり、発想レベルを高めることができます。ここに注力していない職場はやはり、3S活動が続かなくなることが多いです。そりゃそうですよね。見られてないなら誰もやらないです。

効率的な実行方法を進める時の留意点

 最後にこれらの実行方法、つまり効率的な3S活動を実現するためには、以下の3つの留意点があります。ぜひ念頭に置きながら活動してみてください。

留意点①定期的な学習する機会は必要

 3S活動に関する考え方や知識、進め方を学習する機会を設けることで、3S活動の効果を最大化することができます。社内企画で進める、あるいは外部講師を呼んで実施してもらう。いずれにせよ定期的な学習機会を設けることで、3S活動の取組み意欲の強化、発想レベルの向上が図れます。

留意点②活動のための時間を決める

 あらかじめ3S活動の実行時間を定めて、生産活動との折り合いをつけることでに、3S活動の実施がスムーズに進むようになります。作業が忙しくて、改善アイデアが浮かばない状況でも、実行時間が決まっていればそれまでになんとか考え出す努力をするはずですよね。

留意点③実行した作業者を評価する

 最後は3S活動の実行した者をしっかり評価して、効率化に貢献する協力者と実行ぜずに貢献しない者との人事評価には、差をつけるよう配慮すべきです。やはり職場がやろうとしている方針に努力するものは報酬は弾むべきですよね。経営者側ならなおさらその重要性は認識できるはずです。設備と違って人材は時間が経過すれば能力が高まるもの。有益な人材投資をお願いします。

整理・整頓・清掃における効率的な実行方法まとめ

 今回は3S活動の効率的な実行方法について紹介しました。3S活動を効率的に実行することで、組織改善力を育てることができます。3S活動を実施する際には、活動時間を決め、常に改善アイデアに関心も持ち、3s活動の最低限必要な項目を押さえることが重要です。また、3S活動の目的や異議を明確にし、実行計画を決め、実行者にフィードバックすることで、3S活動の継続性を確保することができます。ぜひ、今回の内容を参考にして、3S活動のミニマムな実践を試してみてください。

 それでは今日はここまでです。今後とも宜しくお付き合い下さい☆
 長文乱文を最後まで読んでくださりいつもありがとうございます♪

 すべては御社の発展のために、すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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