数字のまとめ方の基本~QC7つ道具の基礎知識~

数字のまとめ方の基本~QC7つ道具の基礎知識~

前回はQC7つ道具で扱うデータの
種類について解説しました

【参考情報】QC7つ道具ツールを構成するデータとは何か?

一方でそのデータを表現する時の
数字のまとめ方、つまり表現方法は
とっても重要な意味があります

そのため数字のまとめ方の基本として
今回は数字の持つ意味合いを
解説していきます

 

目次

数字の持っている意味について

集めたデータをどう表現するのか?

それを知っていくことは
共通言語を増やすことに繋がります

例えば、平均値、中央値といった
統計的な表現をしたとしても
それがいったいどういった意味を
持っているのかを知らなければ
あまり意味を持たないことになります

しかし知っているだけで
メンバー間での品質の状態の
共有スピードがかなり早まるため
ぜひとも覚えて頂きたいと思います

 

数字のまとめ方の基本

データで集めてきた数字の集まりは
中心:データの中心を表す値
ばらつき:データの散らばり
を把握することが必要です

中心を示す数値としては
平均値中央値、最頻値があります

ばらつきを示す数値としては
範囲、偏差平方和、分差、標準偏差
あります

これらの数値はデータに基づいて
計算して得ることができます

早速、それらの計算方法について
明らかにしていきましょう

 

平均値の計算方法

たくさんのデータを集めたとします

そしてそれらのデータをすべて合計し
データの個数で割った値を
平均値と呼びます

こうすることでデータのばらつきを
なくした場合のレベルが把握できます

 

中央値

いくつかのデータを小さい順に
並べ替えたときに真ん中に一する値を
中央値=Me:メディアンと言います

平均値の算出に比べて
計算が必要ないので
平均値の代替えとして用いられます

また、データに異常な値が入ると
平均値は影響を受けてしまいますが
中央値はそういった問題がおきない
特徴をもっています

ただし奇数の場合はわかり易いですが
偶数の場合は真ん中の2つの平均値を
中央値とします

 

最頻値

もっとも頻繁に現れる数値を
最頻値=M:モードと言います

これはもちろんデータの中から
同じ数字をカウントしていって
もっとも多い数値を最頻値とします

これをグラフ化したものが
ヒストグラム(度数分布図)となります

【参考情報】ヒストグラムの作り方(エクセルも含む)

範囲

データの中の最大値と最小値の間を
範囲=Rと言います

範囲はばらつきの大きさを
把握するための数値です

ヒストグラムでいう幅にあたります

 

偏差平方和

次はデータのばらつきを数値的に
まとめる方法です

最初に個々の数値が
中心(平均値)から
どれだけ離れているのかを
計算していきます
 
まずデータ全体から平均値を求めます

次に数値それぞれと平均値の差を
計算します

この差を『偏差』と呼びます

この『偏差』を単純に足すと
平均値との差ですから
プラスもマイナスも等しくあって
”0”になってしまいます

そのためこの偏差を2乗したデータを
合計していってばらつきを表現します

それを偏差平方和=S:ラージエスと
言います

 

分散

偏差平方和は偏差の2乗の合計値です
そのためデータが多くなってくると
そのばらつきの大きさに関係なく
大きくなっていきます

これではデータの数の違う
ばらつきの比較がしにくいですよね

そこで偏差平方和をデータの数で
調整することを考えていきます

具体的には偏差平方和
(データの数-1)で割ることで
調整します

こうやって得られる値を
分散=V:ラージブイと言います

なぜデータの数でなく
(データの数-1)なのかというと
数学的にデータの数の誤差を
少なくするためです

 

標準偏差

平均値の単位は元のデータと同じです

しかし偏差平方和は計算の過程で
プラス・マイナスを取るために
2乗しています

それを元にしている分散も同じなので
この単位を2乗する前のものと
合わせるために分散の平方根を
とることにした数値を
標準偏差=s:スモールエス
と言います

 

数字のまとめ方の基本~QC7つ道具の基礎知識~まとめ

さて、いろいろなまとめ方が
出てきましたがまとめてみますと

データの特色をあらわす値として

平均値、中央値、最頻値

データのばらつきをあらわす値として

範囲、偏差平方和、分散、標準偏差

を紹介しました

これらの数字のまとめ方は
QC7つ道具を使いこなすうえで
基本となるものなので
しっかり把握しておきましょう

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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