マトリックス図法の作り方を事例で解説!評価項目のポイントも

Y型マトリックス図法

新QC7つ道具シリーズの4つ目は
マトリックス図法です

マトリックスと言えばどうしても
映画を思い浮かべてしましますが
厳密に捉えればもちろん違います

 

英語で言えば『行列』であり
その構造を活用して問題解決の
着想を得ようとするツールのこと

今回はマトリックス図法についての
作り方について事例を交えながら
しっかりご理解をいただけるよう
お話を進めていきたいと思います

 

目次

マトリックス図法とはなにか?

まずはマトリックス図法とはなにか
早速、辞書を確認してみましょう

マトリックス図法(読み方)まとりっくすずほう


新QC7つ道具のひとつ。表を用いて、項目間の関連性や特徴、問題点などを明確にし、新たな発想を得るための手法。マトリックス図法を用いて作成した図表をマトリックス図と呼ぶ。調べたい項目の現在の問題点や特徴などを把握し、対策を立てる場合などに利用される。特に当てはまる項目に◎、当てはまる項目に○などの印をつける。


出典 デジタル用語辞典/ASCII.jp より

 

かえって表現が難しいでしょうか

 

ある着目したい状況について
2つの要素で分析してみるツール

その2つの要素を横軸と縦軸
つまり表を使ってみていくので
行列=マトリックスと呼ばれます

これがけっこう使えるツールなので
皆さまには強く勧めたいです

 

マトリックス図のイメージ

マトリックス図法1

マトリックス図のイメージ

 

上記のイメージ図のように
2つの要素を行と列に配置して
行と列の交点に着目することで
それぞれの要素を1つずつ丁寧に
考察を繰り返すことができます

 

これによって全体を見るだけでは
みつからなかった関係性や問題が
明らかになることがあるから不思議

 

さらにこの作業を複数人で行えれば
そのメンバー間で情報共有が進み
各要素を判断する理由を知ることで
問題に取り組む積極性も変わります

要するに職場で起きている状況を
丁寧に因数分解するだけでなく
複雑な状態を共有するだけでなく
人材育成面でも効力を発揮する
なんとも優れたツールなのです

 

マトリックス図の種類

実はこのマトリックス図は
用途によって代表的な4つの種類に
わけることができます

マトリックス図の4つの種類
種類1:L型マトリックス図
種類2:T型マトリックス図
種類3:Y型マトリックス図
種類4:X型マトリックス図

どんなものがあるのか
さらっと見ていきましょう

 

L型マトリックス図

L型マトリックス図

L型マトリックス図 例

これはもっとも良くつかわれる
マトリックス図です

縦軸と横軸にそれぞれ要素を置き
その要素同士の関連を見ていきます

 

T型マトリックス図

マトリックス図法T型

T型マトリックス図法 例

これはL型を左右に広げて
T型にしてみたマトリックス図です

同時に2つのL型の表を閲覧できて
効率的な表現として使えそうですね

 

Y型(C型)マトリックス図

Y型マトリックス図法

Y型マトリックス図法 例

今度はT型を発展させて
2つの要素ではなく3つの要素の
関連をみていけるマトリックス図を
Y型マトリックス図と呼びます

これ、実はこのY型が現れる前は
C型というキュービック型の表が
使われていたのですがいまでは
こちらのY型の方が主流です

 

X型マトリックス図

マトリックス図法X型

X型マトリックス図法 例

さらにY型を発展させることで
4つの要素の関連をみていく図が
このX型マトリックス図です

 

十字型をしているのが特徴で
ぐるっと一周できるのがいいですね

とは言っても多面性が必要なのは
情報の分析の時だけであって
結論を表現する時にはおおむね
2つの要素で足りることが多いため
L型が使われることが一般的です

 

ですので代表的なL型を例にとって
マトリックス図の作り方について
お話を進めてまいりましょう

 

マトリックス図法の作り方

マトリックス図法の作り方として
以下のステップが代表的です

マトリックス図の作り方:5つのSTEP
[STEP1]分析する2つの要素を決める
[STEP2]評価方法を決定する
[STEP3]マトリックス図を作成し評価する
[STEP4]考察して情報を得る
[STEP5]情報から対策を考える

ではこのステップについて
もう少し説明を加えていきます

 

[STEP1]分析する2つの要素を決める

まず何と何とを組み合わせた
マトリックス図をつくるのか

またそれぞれの項目・分類などを
どのような要素にわけるのかなどを
決めていきます

 

例えば改善チームが5人で
これらメンバーにQC手法の習得が
必要であると考えたとき
とりあえずこのメンバーそれぞれの
現在のレベルを評価してみる
なんてことを検討します

つまり、メンバー5人の横軸に並べ
QC手法を縦軸に配置するなど
具体的な表をイメージします

 

[STEP2]評価方法を決定する

次はそれらの軸が交わるポイントの
評価する方法を決定します

横軸の要素と縦軸の要素の交点に
両者の関係の有無、関係の強さなど
2つの要素の組み合せを評価するが
その評価をどのように表現するか
を決めていきます
 
たとえば
良し悪し評価なら〇、△、×
あるいは+、-でもよいかも

関連性の強さや程度なら
5段階や10段階でもよいです

さらには計測値であるなら
数字そのもの方がかえって
わかりやすい時もありますよね

今回のQCの例は5段階としましょう

 

[STEP3]マトリックス図を作成し評価する

マトリックス図法

マトリックス図法 作成例

これまでのステップで決めた内容で
マトリックス図を作成します

それぞれ各自の自己評価、そして
周囲の方からもこれでいいか
確認して評価していきます

このことで、自分の客観的な評価や
周囲のレベルを知ることができます

 

[STEP4]考察して情報を得る

そして作成したマトリックス図を
考察していきます

たとえば上図でいえば
〇Aさんはほぼ全部の手法をマスター
〇BさんもAさん同様レベルが高い
〇Cさん、Dさん、Eさんはまだ
未取習得の手法が多い
という情報を得るわけです

 

[STEP5]情報から対策を考える

そして最後に読み取れた情報から
対策を考えます

たとえば
〇Aさんは他のヒトを始動する
〇BさんもAさんを補助する
〇Cさん、Dさん、Eさんはもっと
学習を頑張る
〇ヒストグラム、散布図、管理図が
弱いので集中して学習する など
いろいろと考えていけるわけです

 

2つの要素=評価項目選びのポイント

このマトリックス図法は2つの要素
つまり評価項目になにを置くかで
読み取れる情報を変わってきます

要するにこの評価項目の選び方に
センスが問われると言ってよいです

ではこの評価項目を考える時の
3つのポイントは以下のとおり

評価項目選びの3つのポイント
[POINT1]お互い関係のある要素
[POINT2]客観的に評価できる要素
[POINT3]知りたいことがわかる組合せ

順番に解説していきましょう
 

[POINT1]お互い関係のある要素

2つの要素を分析する目的なので
当たり前ではあるのですが
お互い関係のある要素を
選んでいただく必要があります

なにかわかるかなー、と
関係の薄い2つを選んでしまうと
評価する時に悩み勝ちになりますし
評価後に情報が読み取れないことも
起きてしまうと時間のムダです

たとえば”客単価”と”不良率”
”納期遵守率”と”作業者の体重”など
マトリックス図の要素に採用しても
なかなか読める情報がありません

そのため2つの要素はしっかりと
お互い関係のあるものを選択下さい
 

[POINT2]客観的に評価できる要素

また、2つの要素を並べても
客観的に評価できない要素も問題です

著しく主観に偏った要素ですと
果たしてその評価が正しいかどうか
わからない分析になってしまいます

そうなると結論の信ぴょう性も
低い状態になってしまいますよね
 

[POINT3]知りたいことがわかる組合せ

最後は知りたいことから逆算した
組合せにするとムダが少ないです

たとえば今回の例で言えば
『みんなのQC手法の習得レベル』
それが知りたいことだったはずです

だから一人ひとりの習得レベルと
QC手法別の評価していくことで
誰がどれくらいのレベルか?
手法間で偏っていないか?
などがわかることになります。

そうやって知りたいことを満足できる

そんな組合せにしてください

 

今回のまとめ

いろいろと展開事例の多い今回の
マトリックス図法

皆さまもどこかで活用したことが
あるのかもしれませんね

ぜひマスターして使いこなして
いただきたいツールです
 

また、系統図法とマトリックス図法を
組合せたテンプレートも配布中です

よければ下記の記事から
ダウンロードしてご活用ください

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それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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