3ム=ムダ・ムラ・ムリがなぜ悪い?3S活動がダラリを省くその理由

3ム=ムダ・ムラ・ムリがなぜ悪い?3S活動がダラリを省くその理由

すべての職場にはムダ・ムラ・ムリ
つまり3ムと呼ばれる多くのロスが
隠れていると言われています

でもそもそもムダ・ムラ・ムリって
なぜ職場には罪悪になるのか

そして3ムはどういう時に生まれて
どうして3S活動がダラリに効くのか

今回はそんな基礎的でありつつ
新人や第三者に説明に困る部分を
紐解いていきたいと思います

ぜひお役立てください

 

目次

3ム=ダラリとは何か?

おわかりだとは思いますが

3ムとはムダ・ムラ・ムダのことで
もちろん3つのキーワードの頭文字が
『ム』であるので3ムと呼ばれます

 

読み方は『さんむ』です

 

なんだかカッコ悪いので最近では
3Mとも呼ばれることもありますが
4Mとは違うので紛らわしいですよね

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ダラリについても同じです
こちらは覚えやすいように
『ム』以外を外出しにしただけですね

なので『ムダラリ』と呼んでいる
会社もあるほどです

 

ま、呼び方のバリエーションでなく
この本質的な意味がとても重要です

まずはこの3語について辞書でもって
基礎的な言葉の定義を抑えましょう

 

【3ム①】ムダについて

無駄(読み方)ムダ


[名・形動]
1 役に立たないこと。それをしただけのかいがないこと。また、そのさま。無益。「―な金を使う」「時間を―にする」
2 「むだぐち」に同じ。
「しゃれも―もいっかう言はず」〈滑・膝栗毛・初〉


出典 デジタル大辞泉/小学館 より

 

役に立たない無益な行動や時間のこと

 

このムダな行動や時間を削減することで
製造リードタイムを削減できたり
製造原価を低減できたりします

 

つまりお客さまにとっては
注文から納品までの短納期対応により
企業競争力を高めることができますし
なによりムダな作業が減っていくので
同じ販売価格なら我社の利益が増えて
将来への存続パワーやみんなの給料を
増やせる条件を整えることができます

 

いいことずくめですよね!

 

でもこれって普通に職場を見渡しても
何がムダなのかって気づかないです

でも本当ならこの無益なムダについて
職場に関わる全員が関心をもって
探す意識づくりが理想ですよね

 

そうはなっていない、ということなら
問題が見えない職場だということです

では次の『ムラ』を見てみましょう

 

【3ム②】ムラについて

ムラって普通に使う言葉ではなく
『まだら』が由来なので
そちらを調べてみました

斑(読み方)[音]ハン(漢) [訓]まだら ふ ぶち


[名・形動]
1 色の濃淡、物の厚薄などがあって一様でないこと。また、そのさま。まだら。「斑なく塗る」「染め上がりに斑な部分ができた」
2 物事がそろわないこと。一定していないこと。また、そのさま。「製品の出来に斑がある」「斑な天候に予定が狂う」
3 気が変わりやすいこと。また、そのさま。「斑な性格」「斑気(き)」


出典 デジタル大辞泉/小学館 より

 

上記では2の意味ですね

つまり作業、あるいはその製品が
そろわず、一定していないさま

ようするにバラツキです

 

作業者の違いや体調・気分等によって
あるいは一定しない作業方法によって
または温度や湿度等の職場環境により
出来栄えが揃ってないことを表します

このことによって品質や納期
さらには作業にかかる費用なども
バラついてしまうことになります

そのことによって品質異常や
納期遅れ、さらには利益率の悪化など
本来生まれることのないトラブルが
お客さまや我々職場自身に降りかかる

 

でもこれもムダと同じく職場の全員で
探そうとする意識や姿勢がないと
まったく気づけないことになります

怖いですよねー

そして最後はムリについて説明します

 

【3ム③】ムリについて

無理(読み方)ムリ


[名・形動](スル)
1 物事の筋道が立たず道理に合わないこと。また、そのさま。「無理を言われても困る」「怒るのも無理はない」「無理な言いがかり」
2 実現するのがむずかしいこと。行いにくいこと。また、そのさま。「無理を承知で、引き受ける」「無理な要求をする」
3 しいて行うこと。押しきってすること。また、そのさま。「もう無理がきかない」「無理に詰め込む」「あまり無理するなよ」


出典 デジタル大辞泉/小学館 より

 

これは3つ目がもっとも近いです

作業者や設備などに対して
もうムリがきかないほど
ムリに詰め込むことです

これは本当に危険な状況ですよね

 

通常こなせる負担量を大きく超えて
実現不可能なほど働かせること

これが続けば、設備もヒトも
壊れてしまいます

 

ぜったいあってはならないこと

 

でもこれって通常、確認できることを
確認していない異常な状態にないと
なかなか発生しないものですが
現実の職場でも起こりうることです

この3ムについてはもうすこし
事例をあげて説明してみましょう

 

ムダ・ムリ・ムダについてのトラック事例

3ム=ダラリは職場に隠れています

これらを知って見つけようと思えば
見つかるものです

そのためもう少し理解を深めるため
トラック運搬の事例で説明しましょう

 

事例1:トラック運搬のムダ

トラックで運搬する場合ほとんどは
荷物をA地点からB地点まで運びます

でもよく起こることは
B地点から戻ってくる時の荷台には
何も載っていない状態であること

 

これは本当にもったいないですよね!

 

これではトラックの運搬能力の
半分は活用できてないことになります

でもちょっと前まではこれが普通で
誰も疑わなかった常識だった

 

A地点からB地点まで荷台は100%
そして帰りも100%が最大能力なら
実際の積載率はどれくらいか知る

そして現代はWEBや連携先と共同して
この積載率を高めようとしています

これがムダという概念の正体

 

事例2:トラック運搬のムラ

もし1日に3便を走らせるとして
1便は適量に荷物を載せられたとして
2便は1/2、3便は1/3と
減少しているとどうでしょうか?

これだったらよほど急がない限り
1日2便で十分だと誰もが思います

 

でも、これってよくある話で
物流の状態にムラがある場合でも
普通こんなもんだと思ってしまえば
普通に何十年もつづいてしまいます

わざわざ計算してないから気づかない
つまり問題だと認識していない
だから改善しようとも考えない

でも気づいたら、誰もが改善できる

 

面白いものですよね

そして最後はムリです

 

事例3:トラック運搬のムリ

これはもうおわかりのとおり
荷台の最大積載量を大きく超えた
荷物を載せてしまうことです

燃費も悪いでしょうし
道中の危険も高まるでしょうし
なにより危険行為ですよね

 

ちょっとくらいいいか、から始まって
もう何十年も続けてましたって事例も
よく聴くので怖い話です

 

もうおわかりでしょう?

 

このムダ・ムラ・ムリってホントに
職場にとって良くないことなのに
失くす仕組みがない中小企業が
多いということもまた事実です

この3ム=ダラリを省くのに実は
3S活動がとても有効なんです

それはどういうことか?
お話を進めていきましょう

 

3S活動がダラリを省くその理由

多くのムダ・ムラ・ムリというのは
問題に気付かない状態であるから
その職場にずっと滞在し続けます

 

そりゃそうですよね

目に見えないゴミは拾えないんです

 

でもこれが誰の目にも見えたら
その職場はどうでしょうね

おそらく拾うヒトも増えると思います

そうなんです

そこが3S活動のすごいところです

どういうことか?

 

3Sの3つの活動とその効果

3S活動は整理・整頓・清掃です

整理は、必要なだけの職場にする活動
整頓は、モノを効率的に働かせる活動
清掃は、ピカピカにするための活動

この活動がしっかり定着すれば
その職場環境は劇的に美しくなります

 

なぜなら3S活動は
全員参加で職場を良くするための
組織的な活動であるからです

その3S活動をしっかり進めることで
以下の3つの変化が生まれます

 

3S活動が職場に与える3つの変化
変化1:個人の意識が高まる
変化2:組織対応力が強化される
変化3:問題解決能力が向上する

もう少し噛み砕いて説明しましょう

 

変化1:個人の意識が高まる

3S活動では毎日、清掃を行います

そして整理活動で必要なモノがどれか
選別するチカラを養っていきますし
整頓活動でどうやれば効率化できるか
自らの知恵と工夫で対策を施します

 

つまり、なにが問題なのか
どこに問題が潜んでいるのか?
今後、問題が生まれそうなのはどこ?
など問題意識を高めることになります

 

つまり、ムダなモノがないかどうか
どうやれば効率的になるのか
汚している原因はいったいどこなのか

 

自らの五感と想像力を働かせて
問題を見つけようとする意識が
とても高まっていきます

これが1つめの大きな変化です

 

変化2:組織対応力が強化される

 

次に変わるのが組織対応力です

 

3S活動は全員参加で進めていきます

つまり個人で進める改善に加えて
職場単位=チームで進める改善も
同時に進めることとなります

 

その時に個人が認識した問題を集めて
全員で取り組む最適案を全員で考える

そういう機会を定期的に設けることで
チームとしての改善経験をどんどんと
蓄積していけるわけです

つまり改善事例を量産しながら
組織改善力を強化することができる

すごい活動ですよね

 

変化3:問題解決能力が向上する

個人の問題意識が高まって
チームの改善力が強化されることで
職場全体の問題解決能力が向上します

これは本当に前職場が身に着けたいが
なかなか装備できない能力ですよね

でも3S活動をしっかり取り組めれば
実現することができるのです

 

問題なのはその
正しい進め方を知っているかどうか

 

それさえ知れば問題解決能力が向上し
ムダがなく、ムラもなく、ムリもない
そんな安定してロスも最小限の
強い職場づくりを進められます

この能力、絶対欲しいですよね

 

3S活動がダラリを省くその理由

3S活動を進めることで
個人の意識が高まり
組織対応力が強化され
問題解決能力が向上する
そんな変化を起こすことができる

 

それが、3S活動を進める職場が
ダラリを省くことができる理由です

 

あとはその正しい進め方を知るだけ

ぜひ、このサイトでその進め方を
しっかりと学んでいただければ幸いです

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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