製造業DXを人材育成に活かすための3つの留意点

製造業DXを人材育成に活かすための3つの留意点

製造業でデジタル変革を進める時
必ずと言って良いほど人材育成が
大きな課題として浮かび上がります

では実際に製造業DXを進めた会社は
その課題をどのように解決したのか
逆に製造業DXが人材育成に
どんな影響を与えたのか?について
お話していきたいと思います

今回もお時間を頂戴しますが
しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

製造業DXにおける2つの課題

デジタル技術を活用する上での課題

デジタル技術を活用する上での課題など By ものづくり白書2021

 
まずは製造業DXを導入できた会社に
いろいろと質問をした回答を
集計したグラフを紹介します

上図の【図表2-12】が示すように
デジタル技術活用への課題を聞くと
ノウハウや人材、予算の不足を
挙げている会社が多くなっています

また【図表2-13】を見ると
DX導入の先導的役割を果たしたのは
「経営トップ」
が最も多いのは
当然の結果と言えます

そりゃデジタルとはいえ経営改革は
経営者の仕事ですからね、苦笑

さらに【図表2-14】を見てみると
ノウハウに精通すべきなのは
「部門のリーダー社員」
だと考える
会社が最も多いことがわかりました

 

つまり製造業DXを進めるなら
「経営トップ」が先導的役割を担い
「部門のリーダー社員」が
ノウハウに精通している

そんなスタイルがより最適であると
実際に導入した会社が
教えてくれているに等しいわけです

では多くの中小製造業では
いったいどうなっているでしょうか

西本の主観ですが
よくある中小製造業の状態は
以下のとおりとなっています

 

製造業DXを進めたい中小製造業の状態

ここでは先ほど出てきた2人の
キーマンを事例に話を進めます

 

「経営トップ」の状態

社長を含めた経営トップは
通常運転のQCDの状態に対する
感度は高いものがあると考えます

品質の維持・強化のための施策
原価低減に対するアイデアや工夫
納期遵守・短縮に関する強化策

いずれかに興味があり、おそらく
これまで努力してきた経緯や知見を
持っているのではないかと思います

 
でもいかんせん
『デジタル』と言われれば専門外

歳のせいにしたり、逆に遠ざけたり
自分が先導しようなんて思うのは
ひと握りの個性的=少し変わった
経営者に限られるイメージです

 

「部門のリーダー社員」の状態

経営トップの指導の元
おそらく部門機能はこの社員に
集中していると考えられます

 
中小製造業は人数も多くないです

だから優秀な人材に負荷が集中して
現時点でも基本対応でてんやわんや

それに加えてデジタル変革なんて
正直やってられない状態ではないか

多くの中小製造業の現場をみて
そう感じています

なのでデジタルの導入ノウハウに
精通するべきだ、と言われても
非現実的すぎる世界観だと
そう考えるヒトがほとんどなんです

 

デジタル変革を実現する人材育成のあるべき姿

経営トップはデジタルにうとくて
部門リーダーは忙し過ぎて対応不可

この2つの壁を乗り越えるには
いったいなにが必要なんでしょうか?

それは。。。今後の会社のあり方を
関係者がしっかり理解すること
です

それはいったいどういうことか?
もう少し補足を加えましょう

 

あるべき姿1:どんな会社になるのか決める

まずはこれまでの会社の経緯から
自分達が何を守り=何を捨てるのか
はっきりさせることが必要です

一般的な優等生的な会社になるには
大企業のような資本が必要でしょう

そんな夢物語を追いかけるのでなく
実際に注文をくれるお客様が今後も
喜んで受注をくれる会社とはなにか

自社らしい進化を遂げたイメージを
数年後のゴールと置くことが
最初のスタートになります

 
これの意思疎通がないのであれば
おそらく従業員一人ひとりが
違うゴールを狙うチームとなります

そんなサッカーチームって
どれだけ個人が努力しても
強くなれないですよね

 

あるべき姿2:どうやってなるのか考える

どんな会社になるのかが決まったら
どうやってなるのか?を考えます

つまり達成のための
シナリオ=経営戦略を考えるんです

旅の計画を練る時って

〇日〇時に△△に到着するためには
どの交通手段を使って何時に出発し
どのルートで移動するのか?

などを考えますよね

同じようにここで
なりたい会社になるために
じっくり作戦を考えるわけです

 
ただしこの経営戦略を考える時に
交通手段=スキル・ノウハウが
当社内にないことが多いんです

ま、多くはここであきらめます
あきらめてきたと思うんです

だけど達成が数年後だったら
考えようがあるわけですよね

つまり、ここで重要になるのが
人材育成なんです!!

 

逆に製造業DXを人材育成に活かす!

人材育成はどの会社でも必要です
それはあたり前の話ですよね

だけど製造業DXを進めるのに
経営トップのデジタル技術の理解と
部門リーダーのITノウハウが必要

だったら進めにくい人材育成を
製造業DXを進めるために使う

 
つまり前述した経営戦略の中に
積極的にデジタル技術を活用して
なりたい会社になるシナリオを
しっかり描いてみることで
自然と公的に経営トップが先導し
部門リーダーがノウハウを学習する

そういうスタイルを確立することが
可能となるはずです!

ではそんなスタイルの確立のための
留意点を3つお伝えしましょう

 

留意点1:経営計画を策定する

どんな会社にしたいのか?の対象は
もちろん決算状態も範疇です

つまり理想の会社になった暁には
どんな売上・利益を達成できるのか

そういった数値面もあわせて
関係者が納得するようなプランが
完成させられれば理想的ですよね

まずは未来の会社の設計図をつくる

最初の留意点として挙げておきます

 

留意点2:全従業員を巻き込む

これは製造業DXでなくても
経営トップのお仕事ですよね

経営計画を策定したならその説明を
まだ作ってないならそのシナリオを

その理由を含めて全従業員に対して
理解と協力を求めることが重要です

だって会社を成長させるのは
経営トップや上司の仕事だと
普通の従業員ならそう思ってます

だけどそうじゃないですよね

事業は個人ではなくチーム戦です

『全従業員で会社を良くしていく』

そんな会社だけが生き残っていく
現代社会はそんな構図になっている
そのことを忘れることのないよう
2番目の留意点として挙げました

 

留意点3:人材育成に資金を投入する

中小製造業がもっとも弱いのが
ここじゃないかと思います

デジタル技術を活用するのに
導入ノウハウが必要なことがわかり
部門リーダーを育成することになる

けれど知識補充は『頼んだぞ』って
本人まかせになっていることが多い

それはちょっと無責任ですし
そんな状態だとそんな人材も
会社を辞めることを考えちゃいます

 
だからこそ重要な人材育成に
時間=資金を投入してください

だってなりたい姿になるために
重要なノウハウを習得するんです

そりゃ、会社として事業として
しっかり先行投資してください

 
設備もお金を払わないと
新規設置ができないように
しっかりと時間もお金もかけて
確実に習得できるよう留意ください

 

製造業DXを人材育成に活かす留意点まとめ

製造業DXに限らず課題解決は
人材育成の限りある貴重な機会です

そのため経営プランをつくって
全従業員でその実現に力を合わせ
人材育成に資金を投入する

この3つの留意点はできるなら
すべて実施して欲しいところです

 
これからやってくる
デジタル化の波

ぜひ味方につけて人材育成機会に
つかっていただければ嬉しいです

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては企業発展のために
すべてはみんなの笑顔と元気のために

 

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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