IE手法での改善を最大化するECRSとその実践的活用法とは?

IE手法での改善を最大化するECRSとその実践的活用法とは?

前回まででIE手法の7つ道具について
おおまかに説明を終えました

なんとなくIE手法はなんなのか?
少しずつ見えて来たかと思います

ただしこのIE手法の7つ道具は
あくまで分析手法

職場の実態をある表現方法で描くことで
改善の種をテーブル上に並べただけ

つまりそれらを使ってどう料理するのか?

料理人の改善意識や考え方によって
獲得成果がかなり変わってくるのも
現実なのです

そこで成果を大きく左右する重要な考え方
つまり改善の発想スキルのひとつである
ECRSについてお話をしていきます

しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

ECRS(改善の4原則)について

ECRSとは改善案を検討するにあたり
その代表的な着想の4視点を
頭文字で表したものです

【ECRS(改善の4原則)とは】
 Eliminate:排除
 Combine:統合と分離
 Rearrange:交換
 Simplify:簡素化

つまりこの4つ切り口で検討することで
漏れなく改善案を検討できると言います

ではそれぞれどういった視点なのか
もう少し詳しくお話していきましょう

 

Eliminate:排除とは

Eliminate:排除とは
その仕事、作業そのものをなくせないか?
を考える視点のことです

ある工程の中の作業
ある作業の中の動作 などを観察する時

その作業、その動作は
そもそもなくてもよいのでは?

そんな自らの問いかけによって
ムダな作業や動作を見つけ出します

まずこの最初の視点で
なくせる作業、動作を見つけられるなら
改善効果は最も大きくなります

この排除への視点は
あらゆる改善より先行して
検討する必要があります

 

Combine:統合と分離とは

Combine:統合と分離とは
同時にできないか?別々にできないか?
を考える視点のことです

前のEliminate:排除の視点で
排除できなかった作業や動作について
どんな方法で実行することが適切か
を考えていきます

これまでの固定概念や偏見にはとらわれず
なるべく効率的な方法を再度検討してみる
ことが重要です

 

Rearrange:交換とは

Rearrange:交換とは
入替えや代替え
つまり他のやり方で置き換えられないか?
あるいはタイミングを変えられないか?
を考える視点です

作業や動作についての順番の入替えや
代替え方法について思考を巡らせます

 

Simplify:簡素化とは

Simplify:簡素化とは
距離を短く、従業を軽く、もっと簡単に
できないか?を考える視点です

 

ECRS(改善の4原則)の実施ポイント

この4視点はこの順番で検討することに
実は大きな意味があります

そうです!鋭い方は正解です

効果が大きい順番に並んでいるのです

多くの方は改善を考えようとした時には
すぐSimplify:簡素化に飛びつきます

この分析結果なら距離を近づけたらいい
それを運ぶならツールを投入すればいい
などとすぐ考えてしまいます

しかしそれは順番では最後に考えること

そもそもその『運ぶ』という動作を
なくせないか?というところから
検討をはじめて欲しいのです

実現すれば一番効果が大きいからです

なのでECRSの順番が非常に重要なのです

 

ECRS(改善の4原則)の実践的活用法

では、このECRSはどのように使うべきか
その実践的活用法についてお話します

 

まずIE手法の7つ道具などの適切な分析で
現在の状況が明らかになったとします

そこで重点的に改善すべき箇所が
少し問題があるかな?と気になる部分が
ある程度見つかっているでしょうか?

 

その工程、作業、動作について
何のためにその業務を行っているのか?
をあらためて見つめ直したうえで
その業務はなくせないかと考えます

検査やある一定の作業について
やめることはできないか

改めて見つめ直すと
不必要な動作や二度手間作業などが
意外と多かったりますので見逃せません

例えば前工程と後工程との重複作業
不良などの対策として生まれた暫定作業
作業の不備から発生する選別や調整作業
などが代表的です

そして排除こそできなかったものの
一緒に作業することで時間短縮が可能か?
あるいは別々に作業した方が効率アップ?
柔軟な発想で変更後の成果を想定します

例えば仕上げと検品の作業場所を統合
2チームの合同会議を各テーマ別に開催
複数作業者作成の書類を1名で作成
物品別の発注担当をまとめて数名に
などが実例として上げられます

 

さらに排除・結合での着想はないものの
入替えや代替えで成果は得られないか?

例えば営業ルートの見直し
上長によるチェック作業を前倒しに
就業時の会議を朝一番での開催へ
などが効果がありました

 

最後に検討すべき視点は
これまでのやり方にとらわれない
シンプル化への着想

例えば、データ入力項目をスリム化
報告・連絡をメールからLINEへ変更
GoogleDriveでファイル共有化
作成資料の書式統一などです

 

改善を最大化するECRSとその実践的活用法とは?まとめ

このECRS(改善の4原則)

実はIE手法だけでなく
あらゆる業種・業務での活用が可能なため
代表的な改善フレームワークとして
その名が知られています

現場を良くしたいなという
想いをお持ちの方であれば
ぜひこの視点に慣れていただき

意識しなくともこの見方を使いこなして
欲しいな、とせつに願っております

 

 

それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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