IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)MOST法の本当の利点編

IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)MOST法の本当の利点編

IE手法の7つ道具の中の動作分析
その代表的なPTS法の1種:MOST法の
普通移動シーケンスの使い方事例を
解説しました

【前回記事】>IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)MOST法とは?標準時間の設定法編
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今回はその続きとして
このMOST法の本質的な素晴らしい利点と
あと2つのシーケンスモデルについて
説明を加えたいと思います

しばらくお付き合いくださいませ
  
  

 

目次

MOST法の3つのシーケンスモデル

【3つのシーケンスモデル】
(1)普通移動シーケンス
(2)制限移動シーケンス
(3)工具使用シーケンス

少し復習です

前回記事では上記のような
3種類のシーケンスモデルがあり
そのうち普通移動シーケンスモデルについて
事例を踏まえて解説をしました

おそらくどんなものか
ご理解をいただけたかと思いますので
今回は記憶が新しいうちにあとの2つ

制限移動シーケンスモデル
工具使用シーケンスモデル
を説明したいと思います
 

制限移動シーケンスについて

普通移動シーケンスとの違いは
自由度が少なく制限されている移動なこと

つまり経路が決まっている運搬のこと
例えばエレベーターや運搬機器など
操作を伴う移動も含みます

普通移動シーケンスの時のように
簡単に作業を説明すると

①何かモノを取りに行く
②そのモノを(操作して)持ってきて置く
③自分は戻る

ことになります
②が少し変わっています

ではモデルを示してみます
 

制限移動シーケンスモデル

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普通移動シーケンスに使用された
A・B・Gのサブアクティビティに加え
新たにM・X・Iでモデルを表現します
 

取る:ABG

これは普通移動シーケンスと同じく

モノを取りに行く時に
どれくらい歩くか?:A
身体を動かすか?:B
その難易度はどれくらいか?:G
の3つの組合せABGで
モノを取るという動作を表現します
 

移動・操作:MXI

このMは運搬のプロセスの難易度を
Xはそのプロセスによる移動時間を
Iはその調整にかかる度合いを表し

移動・操作にかかわる一連の動作を
XMIで表現します

 

戻る:A

これはもう大丈夫ですよね

戻るアクション距離:Aのことです

では同様に工具使用シーケンスについても
説明しましょう

 

工具使用シーケンスについて

これは手工具や器具の扱いや
その使用作業を表します

簡単バーションのプロセスは以下のとおり

①工具・対象物を取りに行く
②工具・対象物を取ってきて位置決めする
③工具を使用する
④工具・対象物を次の場所へ持っていく
⑤戻る

これまでは3プロセスだったが
5つに増えています

このシーケンスモデルは工具使用において
様々なサブアクティビティを表現するため
多くのバリエーションを備えています

ではこちらもモデルを見てみましょう
 

工具使用シーケンスモデル

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プロセスと同じくこれまでは
3つのブロックでしたが5つに増えてます

そして真ん中がジョーカー”_”と
なっているのが特徴的ですよね

これは工具使用に柔軟性をもたせるための
変数と言ってよいでしょう

これ以上の説明が必要な場合はぜひ
日本能率協会マネジメントセンター出版の
『新版 MOST(モスト) 画期的な標準時間の設定法―新しい発想“シーケンス”による最新の作業測定技術』を購入して、研究してみてくださいませ。

さて、ここまで理解をしていただくと
少し想像がついている方も
いらっしゃるかもしれませんが

このMOST法の本質的な利点とは
いったいどういったことでしょうか?
 

MOST法の本当の利点について

例えば普通移動シーケンスで
下記のような例があったとします

【例】
作業台の前に立っている作業者が床から重い材料を取って作業台の上に置く。ただし材料置き場から作業台までの距離は3mとする。

そうするとデータカードを参照に
インデックスを当てて表すとあら不思議

IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)MOST法の本当の利点編

時間のかかっている
つまり、重点的に改善すべき動作要素が
数値で表されていることになるわけです

これを活用して改善ターゲットを抽出
そして動作改善を施すことで
効果値まで算定できるおまけ付きです

このMOST法のインデックスを決める
そういった過程だけで素晴らしい手法です

ぜひ最大限活用していただければと
そう考えます

 

IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)MOST法の本当の利点編まとめ

さてこのMOST法
少し慣れる必要があるものの
相当使える内容となっています

またこのMOST法には
BasicMOST, MiniMOST, MaxiMOSTと
3タイプ存在しています

BasicMOSTは今回説明した内容で
さまざまな生産方式、作業に広く使えます

また一方、MiniMOSTは組立工程など
MaxiMOSTはプラント工程や物流作業など
サイクルタイムによって使い分けて下さい
  
 
これは使える!と感じた方は
ぜひ下記の書籍で研究してみてください

とても実用的な内容になっていますので
試しながら学習するには最適です

新版 MOST(モスト) 画期的な標準時間の設定法―新しい発想“シーケンス”による最新の作業測定技術

 
 

  
  
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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