連合作業分析表のつくり方 M-Mチャートの書き方を理解する

連合作業分析表のつくり方 M-Mチャートの書き方を理解する

前回記事でご紹介したM-Mチャートですが
単純に連合作業分析表とも呼ばれます

【前回記事】>連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析
[getpost id=”2453″]
ではこのM-Mチャート(連合作業分析表)

どのような手順で
作成していくものなのでしょうか?

今回はそんなお話を進めていきます

しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

M-Mチャート(連合作業分析表)の作成手順

まずは作成手順について確認をします

手順としては以下の5ステップです

【M-Mチャート(連合作業分析表)の作成手順】
(1)分析対象の選定
(2)現状の定量化
(3)オペレーションリストの作成
(4)目標サイクルタイム(TCT)の算定
(5)M-Mチャートの作図

まずはどの手法もそうですが
どの作業を対象にこの分析を進めるのか?
ブレないよう最初に決めておきたいのです

そして現状の定量化(タイムスタディ等)
を進めておいてオペレーションリストを
前段階として作成します

どんなものかは後ほど説明します
  
  
そしてTCTを把握しておくことで
作業全体に余裕がある状態かどうかが
後で評価ができるようになります

そして調査して情報を持ち寄って
M-Mチャートを完成させる流れです

それではもう少し細かく説明しましょう
  
   

分析対象の選定

普通は繰り返し的な生産の場合が多いので
ライン作業分析の時ように
対象製品の品種や生産量を把握しておきます

具体的にはP-Q分析、P-MH分析です

一方でこの連合作業分析の場合
段取り作業のような繰り返さない作業も
対象となる場合があるのが
ライン作業分析とは少し違うところです
 

現状の定量化

まず繰り返し作業を分析する場合は
作業時間や稼働時間、良品率など
目標サイクルタイム(TCT)が
計算できる情報を押さえておきます

繰り返しのない作業は
それぞれの作業時間を明らかにします

これら作業時間を定量化する時に
以下の項目に注意して下さい

【作業時間を定量化する時の注意点】
①計測する作業は連合する作業を選択する
②作業の作業過程のすべてを計測する
③連合部分のタイミングを明らかにする
④「手待ち」や「停止」は計測しない
⑤連合部分の作業時間は作業主体間で統一する
⑥作業の分担をしっかり区分する

特に抑えておきたいポイントは④です

それぞれの作業主体を計測していれば
必ず作業者の「手待ち」や
設備の「停止」が発生します

しかしそれは計測しないで下さいと
言うことです
  
  
なぜかというと
実際の作業そのものにスポットをあてて
ロスがあるかどうかはチャートを描いた
その後で客観的に評価したいからです

あと⑤は言葉ではわかり難いのですが
連合作業が作業者3秒、設備4秒など
違わないように統一ルールを守ってねと
いうシンプルな意味合いです
  
   

オペレーションリストの作成


連合作業分析表のつくり方 M-Mチャートの書き方を理解する

そして調査した計測情報を作業主体ごと
つまり設備(プレス機)とか
作業者Aとか、作業者Bごとに
どんな作業をしているのか?
そしてそれぞれの作業時間は?

一連の状態がわかるよう、上記のように
オペレーションリストとして整理します

ここではまだ
作業者の手待ちや設備の不稼働は
評価していません

まずは作業プロセスを整理することが
目的なわけです

 

目標サイクルタイム(TCT)の算定

そして繰り返し作業の場合は
目標サイクルタイム(TCT)を明らかに
しておきましょう

他の記事と重複しますが
計算式は以下のとおり

IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)ピッチダイアグラムとは?-ライン作業分析編1

詳細は省きますね
 

M-Mチャートの作図


連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析

目標サイクルタイムも決まって
オペレーションリストも書けましたので
M-Mチャートを作成していきましょう

作成する時のルールは以下の4点です

【M-Mチャート作成のルール】
①すべての作業主体のスタートを合わせる
②連合作業のタイミングを合わせる
③作業の1サイクルを明らかにする
④各作業主体の稼働率を計算する

③の意味はM-Mチャートの上と下
つまり分析対象の範囲を決めるということ

その範囲を決めて整理してみることで
ここではじめて「手待ち」や「停止」を
確認することとなります
  
  
この結果的に現れる「手待ち」「停止」が
実は大変重要になるわけです

なぜなら連合作業のタイミングを合わせる
ことではじめて現れる「手待ち」「停止」
が存在するからです
  
  
計測する段階ではおそらく
プレス機の最初の停止時間は
作業者Bの最初の手待ち時間は
正確には計れないですよね

そういう意味ではプレス機と作業者Aが
プレスを始めた時の作業者BとCの
手待ち時間12秒も作図してみなければ
はっきりと顕在化することが出きません
  
  
『あ、ここにもムダが!』
  
  
そういった発見を関係者全員で共有する

そういった積み重ねができることが
IE手法を活用する意義のひとつと言えます
  
   

連合作業分析表のつくり方 M-Mチャートの書き方を理解するまとめ

連合作業分析表のつくり方、つまり
M-Mチャートの書き方は
ご理解いただきましたでしょうか?

このIE手法の使い方入門として
説明記事を書いてはおりますが
結局の所、活用をしなければ
これを読んでいる皆さま方の時間のムダ

ぜひこれらを参考に手を動かしていただき
新たな発見から改善へ結び付けて下さい

それで次回、この作図したM-Mチャートを
どのように改善へと進めていくのか?

そのやり方を実例を踏まえながら
お話を進めてまいります

 
   
  
  
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次