連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析

連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析

IE手法の代表的な手法について
おおよそ全体の説明を
網羅してまいりました

そして手法紹介として最後にひとつ

有効でなおかつ
改善に大いに役立つ連合作業分析手法を
この記事をご覧の皆さまへお伝えします

この記事を読み終えるまでの3分程度
しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

連合作業分析とは?作業の連携状態を見える化する手法

そもそも『連合作業』というのが
イメージつきにくいですよね

まずいつものように一般的な定義を
確認してみましょう

【連合作業分析とは】
 連合作業分析とは、連合作業を行なう「人と人」または「人と機械」の作業状況を「単独作業」「連合作業」「不稼働」の各性質に区分してチャートに表し、ロスや改善のねらい目を明確にする手法で、サイクルタイムの短縮や要員数を減らすことを目的としている。

これは比較的表現がわかりやすいですよね

実はこの『連合作業』とは
人や設備など複数の作業主体が
共同する作業も独立した作業も持ちながら
お互いに作業のタイミングの拘束されつつ
行う作業だと言えます

要するに複数の作業者間、または
設備と作業者間の組合せ作業など
通常当事者目線では見つけにくいムダを
チャートに描くことで顕在化させる手法

それが連合作業分析だということです

いかがでしょう?あなたの職場でも
応用が効きそうな方法でしょうか?

ではもう少し詳しくみていきましょう
  
   

連合作業分析の見える化ツール:M-Mチャートについて

この連合作業分析では
見える化するために『M-Mチャート』
というツールを活用します

このM-Mという部分は
マン・マシーン:人と設備の組合せ作業
マン・マン:人と人の組合せ作業
 
 
ManもMachineも頭文字がMなので
M-Mチャートと呼ばれるのだそうです

そして組合せとして以下の4種類あります

【連合作業分析の種類】
◯「1設備-1作業者」連合作業分析
◯「1作業者-1作業者」連合作業分析
◯「1設備-複数作業者」連合作業分析
◯「複数設備-複数作業者」連合作業分析

最後の「複数設備-複数作業者」は
少し複雑性が増すためM-Mチャートでなく
4Wチャートなるもので表現する場合が
多いです

ではこの最初3タイプのM-Mチャートを
さらには4つ目は4Wチャートをそれぞれ
見比べることで連合作業分析のイメージを
掴んで頂きたく考えます
 

「1設備-1作業者」連合作業分析用M-Mチャート(実例)


連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析

この左側が「1設備-1作業者」の
M-Mチャートを表しています

作業者Aがある中型ブレス機で加工します

その状況をプレス機の視点
そして作業者Aの視点
それぞれの主体作業ごとに作業を
同時進行的に並べてあります
  
  
そしてお互いに同時に作業している
連携している作業は編みかけで
独立して作業している部分は
黒塗りで表現してあります

つまり編みかけ部分が
相互に干渉して制限を受ける作業と
言えるわけです

さらに設備の『停止』している空白部分が
なんとかならないかなぁという部分です

これがM-Mチャートという訳です
  
  
このように2つの作業主体が
どう組み合わさっているのかが
明らかにできる、と言うわけです

ではさらにもう少しみていきましょう
  
   

「1作業者-1作業者」連合作業分析用M-Mチャート(実例)

上記の右側の表を見て下さい

これが2人の作業者の組合せを
表したものです

設備とほぼ同じですよね

パット見ますとそれぞれ単独で
うまく組み合わさっていることが
よくわかります

ただし、連携している部分は
最後の製品搬出とホイスト操作で
作業していることがわかります
  
  
結果的に課題としては
作業者Aは不稼働が10%
作業者Bは35%
どちらもロスのメインは手待ち

なんだかうまく組合せたら
なんとか減らないかなぁと
  
  
こうやって問題を顕在化することが
可能となるわけです

だいぶご理解いただいてきたでしょうか?

ではどんどん複雑化してきます
 

「1設備-複数作業者」連合作業分析用M-Mチャート(実例)


連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析

今後は設備1台で作業者が3名の場合は
このようなM-Mチャートとなります
  
  
作業者Aは設備にもっとも近い担当
作業者Bはホイスト操作中心
そして作業者Cは両者のサポートです

それぞれがどう連携(編みかけ部分)
しているかがわかります
  
  
これ、普段作業している時は
頭の中では整理がついてますよね

しかし実際に効率化を図ろうと思えば
特殊な才能が必要となってきます
  
  
そのため複数人で検討するなんてことは
ほとんど不可能なのです

でもこのM-Mチャートで共有できれば
相互に意見を出すことが
可能になるんですよね
  
  
あとはさらに複雑になる
複数設備-複数作業者の組合せですが
もう、整理するのが大変なので
4Wチャートという図式化がお勧めです
 

「複数設備-複数作業者」連合作業分析用4Wチャート(実例)

連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析

これだと少し分かりやすいでしょうか?

金型取り外しと組み付けは3人でないと
できない制約がかかっています

そのため作業者が最低3名必要なのです
でもさらに効率化するには
まずこのように作業を見える化します
  
  
場所移動部分にだけラインを引いています

そして編みかけ部分が手待ちで
重点改善対象という理解でいいと思います

 

連合作業分析とは?概論編 M-Mチャートの種類を把握して自職場分析まとめ

さて、連合作業分析
そしてM-Mチャートや4Wチャート
イメージがついてきたでしょうか?

IE手法って手法によって
考えた方も生まれ出た背景も違うので
それぞれの空気感が違います

そのため慣れて下さいと
言うことしかできません、苦笑

すべては改善を進めるため
もう少しお付き合いくださいませ

それでは次回はこのM-Mチャートを
どうやって作成するのか?について
お話を進めていきたいと考えます

   
   
  
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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