IE(インダストリアルエンジニアリング)手法に隠された経緯とは?

IE(インダストリアルエンジニアリング)手法に隠された経緯とは?

インダストリアルエンジニアリング手法
つまりIE手法について改めて解説します

インダストリアルエンジニアリングは
皆さまご存知のように管理工学の一分野
インダストリアルエンジニアリングの
英語の頭文字2文字とって
IE(アイ・イー)手法と呼ばています

 

もちろんこのサイトのメインテーマです

これまでIE手法の活用方法や事例など
現場よりのお話が中心ですが
今回はこのIEの学術的な概略について
お話を進めてまいります

 

インダストリアルエンジニアリングとは?

英語では『industrial engineering』

直訳では『産業工学』となりますが
本来の意味では以下のとおりです

【インダストリアルエンジニアリングの本来の意味】
『経営管理や生産管理に活用する科学的な技術手法の総称』

そのため我が国に輸入された後、
生産工学、経営工学、管理工学などと
目的によって呼び方が変わっています

しかし明確な定義があるわけではなく
industrial engineeringを略してIE
つまりIE手法として呼ばれることが
もっとも一般的です

実は我が国だけではなく
IEの定義は各国それぞれ違っています

 

米国IE協会では

『IEは、人間、資材、設備、およびエネルギーの総合されたシステムの設計、改善、および実施に関する技術である。IEは、このようなシステムによって得られる結果を明示し、予測し、評価するために、工学的な分析や計画に関する方法とともに、数学、物理学、および社会科学における専門知識や技法を使用する』

と定義されています

難しい表現ではありますが
要するに価値を生み出す仕組みの
設計・改善・実施に関するノウハウ
だというわけです

 

また日本IE協会では

『IEは、人間、材料、および設備が一体となって機能を発揮するマネジメント・システムの設計、改良、設置をすることである。前記システムの成果を規定し、予測し、評価するために、数学、自然科学、人文科学中の特定の知識を利用するとともに、技術上の分析と総合についての原理と手法を併用する』

と定義されています

まぁ意味合い的にはほぼ同じですが
より広い知見も取り入れようとの表現

 

つまりその国々によって
理解すべき意味合いが変わらないよう
言葉の羅列を変えているイメージです

 

インダストリアルエンジニアリングの意味合い

あなたの職場が今
何かの問題を抱えているとします

例えば。。。
○ 倉庫作業の効率化
○ 組立工程の10%原価削減
○ 新工場のレイアウト立案
 などの
テーマが与えられたとします

皆さまならそのような状況にあるとき
どのように問題を解決しますか?

 

すでに使ったことがある手法で?
これまでの経験とカンで?
関係者を集めて検討すれば?
試行錯誤でトライすれば?
現場をよく観察すれば?

実際にそんな考え方で挑戦して
うまくいかず苦しんだ経験が
あるのではないでしょうか?

そんな状況の時に100%ではないけれど
成功確率を高めるために編み出したのが
科学的なアプローチや問題解決の手順
だということなのです

 

要するに『仕事を科学する』ということ

 

なんだかカッコいい響きですよね!
でもこの考え方そのものを理解することが
次世代の工場:スマートファクトリーを
構築できることに繋がります

ですがその話題はまた別の機会に♪

 

IE手法とは『仕事を科学する』アプローチ

ギリシア時代に発展した論理学により
推論の基本が提唱され、近世になって
科学の方法論の議論が盛んになった結果
観察分析-仮設設定-仮説検証-法則樹立
というパターンが確立されました

 

製造工程にこういった科学の方法論を
応用したのがF.W.テーラ氏であり
科学的管理法と呼ばれました

具体的には1日の適正な仕事量研究のため
どの要素が仕事量の大小を決めるのか?を
26年間も実験して見つけ出したのです

 

またF.B.ギルブレス氏も同様に
動作の経済性の問題に取り組みました

具体的には作業を細かく動作に分けて
動作時間を規定する条件を定義しました

 

そして彼ら先駆者達の努力によって
数々の分析方法が開発されていきました

そしてたくさんの学者や経営者などにより
それらの手順が標準化されて
科学的な改善アプローチとして
発展を遂げたのが
『インダストリアルエンジニアリング』
IE手法というわけです

 

まさにワークデザイン知識の集積ですよね!
そしてこれらを使いやすくまとめたのが
『IE手法の7つ道具』というわけです

詳しくはこちらを参考ください
> IE手法とその実践的活用法!全改善手法が大集合!(参照リンク集)

 

一方でこれらの手法を使いこなすには
テーラーやギルブレスの取り組んだ視点を
理解することがとても重要なんです

つまり知識を習得するだけでは
十分に使いこなせないと言うこと

この話題についても別の機会に解説します
ぜひお楽しみにお待ちくださいませ♪

 

IE(インダストリアルエンジニアリング)手法とは?まとめ

IE手法の定義そして生まれた経緯など
理解がいただけたかと思います

確かに手法そのものが個性的だと思ったら
それぞれ生み出したヒトが違うわけですね

そりゃ思想が違うなら個性的にもなります

 

一方で先人たちの知恵を活用すれば
それぞれの自身の職場を改善できるなんて
とても素敵なことですよね

苦悩に苦悩を重ねて素晴らしいツールを
現代にまで残してくれた彼らにに感謝して
やはりそれぞれしっかり習得しながら
コツコツを改善を進めたいものです

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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