計測とは何か?計測管理の誤差と不確かさの違い

計測とは何か?計測管理の誤差と不確かさの違い

QC活動そのものはもちろん
職場の品質力の向上を目指すものです

その品質保証における活動の中で
品質を定量化して管理する計測管理は
とても重要な役割を担っています

そこで今回は計測管理面について
詳しくご理解いただくことで
皆さま自身の職場を再点検して
よりよい品質活動に役立てて下さい

 

目次

計測とは何か?

そもそも計測とはいったいどのように
定義されているのでしょうか?

まずは一般的な言葉として
調査をしてみました

【計測とは?】
器械を使って、数・量・重さ・長さなどをはかること。

とてもシンプルですよね

要するに数値として扱うための
最初の作業となるわけです

そしてさらにこの『計測』は
日本工業規格(JIS(ジス))にも
定義されています

【計測とは?】
特定の目的ともって、事物を量的にとらえるための方法・手段を考究し、実施し、その結果を用い所期の目的を達成させること

いきなり難しい表現になりますが
簡単に表現し直すなら
計測にはそれぞれ目的があって、その
『目的を達成するための方法・手段』
だと言えそうですね

 

また別の視点からは
計測活動の体系を管理することを
『計測管理』と呼んで
手順整備、計測機器、計測データ等を
職場で管理することが求められます

また『計測』とそっくりな言葉に
『測定』があります

JISの定義によれば
『ある量を、基準と比較して数値、
または符号を用いて表すこと』であり
ほとんどは測定機器の目盛りを
読み取る行動のことを指すとのこと

つまり計測活動の手段です

 

計測活動における重要ポイント

この測定活動全体における
重要なポイントはズバリ!

測定値が正しい値であることが
保証できる状態を確保することです

そんな状態をつくるためには
◯ 計測機器の維持管理
◯ 測定作業の標準化
など、測定値の正当性の保証を目的に
計測管理体制を整える必要があります

 

計測管理とは何か?

計測管理はどのようなものか?
一般的な以下の3要素を参考にして
理解いただければと考え紹介します

【計測管理の3要素】
要素1:計測管理計画の策定
要素2:計測機器の維持・管理
要素3:計測作業の標準化

では要素それぞれについて
解説を加えていきましょう

 

要素1:計測管理計画の策定

まず計測管理を進めるための
計測管理計画を作成します

具体的な計画の内容は
まず実施すべき
計測の種類および頻度
使用する計測機器および
それら機器に要求される精度を整理し
各々対する管理項目、管理方法を
決めて管理します

 

要素2:計測機器の維持・管理

測定に使う計測機器は以下の項目を
満足するように管理します

◯ 目的を達成する性能・精度の確保
◯ 国際標準などの上位標準に準拠
◯ 機器の精度そのものの維持

計測機器は要求精度の維持のため
定期的に計測機器を点検して
管理する必要があります

また認定を受けた校正業者による
校正を受けることて国家計量標準への
トレーサビリティーを確保します

 

要素3:計測作業の標準化

計測して獲得した情報には必ず
多種多様な環境が影響して発生する
『計測の不確かさ』が含まれます

例えば、計測機器や測定者の状態、
測定方法のバラツキ、環境、使用条件
などが考えられます

可能な限りその要因を減らす目的で
計測作業の標準化およびその教育・
訓練の仕組みづくりを進めます

 

計測の誤差と不確かさについて

計測には『不確かさ』がつきものです

一方で『誤差』という概念も同時に
存在しています

それぞれの定義を見ていくことで
違いを確認したいただければ幸いです

 

計測の誤差について

計測分野では昔から『測定の誤差』
いう表現を多く用いてきました

これはJISにも定義されているものの
運用上の国際的な統一見解が検討され
計測における不確かさの表現ガイドに
新たな概念として『不確かさ』
設定されたようです

この『不確かさ』とは
『誤差』を細分化したイメージです

定義は以下のとおり

誤差 測定値から真の値を引いた値
真の値 ある特定の量の定義と合致する値(ただし、特別な場合を除き、観念的な値で、実際には求められない。)
系統誤差 測定結果にかたより(測定値の母平均から真の値を引いた値)を与える原因によって生じる誤差
偶然誤差 突き止められない原因によって起こり、測定値のばらつき(測定値の大きさがそろっていないこと。また、ふぞろいの程度)となって現れる誤差
かたより 測定値の母平均から真の値を引いた値
ばらつき 測定値の大きさがそろっていないこと。また、ふぞろいの程度(ただし、ばらつきの大きさを表すには、例えば、標準偏差を用いる)
正確さ かたよりの小さい程度(真度)
精密さ ばらつきの小さい程度(精度)

 

計測の不確かさについて

さきほど解説したように『誤差』
新たに細分化したものを『不確かさ』
と呼んで用います

計測活動の中で『不確かさ』の原因は
以下の状況が考えられます

◯ 計測機器を校正した標準の不確かさ
◯ 計測機器が読み取れる最小単位の限界
◯ 計測環境の影響(温度、湿度、気圧など)
◯ 不安定な計測方法
◯ 計測機器の目盛りの読み方
◯ 計測者そのものの能力

そのため、品質保証を行うためには
どこまでの不確かさが許されるかを
事前に確認したうえで
計測機器の選定や計測環境の整備、
計測者の選定や訓練などの管理体制が
大切になってくるわけです

 

計測管理の誤差と不確かさの違い

今回は品質管理上、大切になってくる
計測管理についてお話しました

あなたの職場ではいかがでしょうか?
品質保証をちゃんとしているのに
お客さまからの評判が不安定なら
こういった計測管理体制に原因が
あるのかもしれません

ぜひこれを呼んだ機会を活用して
自職場を点検してみてください

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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