仕事の基本:整理・整頓・清掃
この徹底のためさらに2つのsを加え
5s活動と呼ぶようになったのは
1980年代後半だと推察されています
ですが3sと5sの定義の違いは
多くのサイトで説明がありますが
活動そのものがどう違うかを
徹底的に分析した記事には
出会ったことがありません
そのため今回は3sと5sとが
それぞれどのような活動を行うのか
その違いそのものにスポットをあて
3s活動の真の姿に迫っていきます
ぜひ読み終える3分少々時間
お付き合いいただければと思います
3s活動と5s活動の定義の違い
まず3s活動は
整理=Seiri
整頓=Seiton
清掃=Seisou
そしてこれらを継続させるために
清潔=Seiketsu
習慣=Syukan
の2つのSを加えて
5S活動と呼ぶようになりました
習慣はかつては”しつけ”と呼び
厳しい職人技の教育姿勢として
学ぶべきニュアンスを含んでいたと
推測されます
それぞれの言葉の定義を
国語辞典を参考にしながら
1つひとつ捉えていきましょう
整理:ムダなモノを取り除く
整理(読み)セイリ
[名](スル)
①乱れているものをそろえ、ととのえること。 「引き出しを-する」 「論点を-する」
②不必要なものを取り除くこと。 「小枝を-してから生ける」 「人員-」
③株式会社が支払い不能・債務超過に陥るおそれや疑いがある場合、裁判所の監督下に会社の再建を図る目的で行われる旧商法上の手続き。会社法制定により廃止。会社整理。
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
整理という言葉の定義からは
ムダなモノがないさまが浮かびます
しかし一方で職場にはムダが混在し
必要なのか、必要でないのか
一見して見分けることができません
だからこそ3s活動の最初は
このムダなモノの存在をできるだけ
なくしてしまおうとするわけです
整頓:職場にあるモノを大切に扱う
整頓(読み)セイトン
( 名 ) スル
物事をととのった状態にすること。 「整理-」 「道具類を-する」
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
整頓はととのえること
では『ととのう』とは
どのような状態なのか?
整う・調う・斉う(読み)ととのう
①望ましい、きちんとした状態になる。 《整》 「 - ・った顔だち」 「形が-・う」 「準備が-・う」
②必要なものがそろう。 《調》 「書類が-・う」
③話し合いなどがまとまる。 《調》 「縁談が-・う」
④楽器などの調子が合う。 「いと賢く-・ひてこそ侍りつれ/源氏 若菜下」
⑤多数の人を率いる。 「窃に六千の兵を発し-・ひ/続紀 天平宝字八宣命」
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
『望ましい状態になる』
『きちんとそろう』
『調和がとれる』
より背筋が伸びてきそうですね
では次を調べてみましょう
清掃:ピカピカな状態を維持する
清掃(読み)セイソウ
[名](スル)
きれいに掃除すること。「室内を清掃する」「清掃当番」
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
では、掃除とはどういうことか
掃除(読み)ソウジ
[名](スル)
①掃いたりふいたりして、ごみや汚れをなくしてきれいにすること。 「部屋を-する」 「 -機」
②害悪を除き去ること。 「悪の温床を-する」
③便所の糞尿を汲み取ること。
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
いやー、糞尿の表現には驚きます
もしかすると糞尿同然の価値が
職場にこびりついてるのかも
しれないと思うと焦りますね
ここまでは3sの活動でしたが
ここからは5sの領域に入りますので
ちょっと空気が変わります
清潔:3s活動ができている状態
清潔(読み)セイケツ
( 名 ・形動 ) [文] ナリ
①よごれのないこと。きれいなこと。また、そのさま。 「 -な衣服」
②人格や生活態度などが正しくきれいである・こと(さま)。 「 -な人柄」 「 -な交際」
▽⇔ 不潔
[派生] -さ ( 名 )
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
いきなり表現が名詞から形容動詞に
変わっているので戸惑います
形容動詞とは形容詞と同様に
物の性質や状態を表します
つまり整理・整頓・清掃によって
よごれがなくきれいであり
人格や生活態度などが
正しくきれいである状態を指します
そして最後は習慣(しつけ)です
習慣(しつけ):自然に繰り返される礼儀作法
習慣(読み)シュウカン
[名]
①長い間繰り返し行われていて、そうすることが決まりのようになっている事柄。また、繰り返し行うこと。 「早寝・早起きの-をつける」 「悪い-」 「この目にて-せしことは、憶おもひ出して/西国立志編 正直」
②ならわし。しきたり。風習。慣習。
③ 〘心〙 学習により後天的に獲得され、繰り返し行われた結果、比較的固定化するに至った反応様式。
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
ちなみに「しつけ」は
以下のような意味とのこと
仕付け・躾(読み)シツケ
[名]
①(「躾」はからだを美しく飾る意の国字)子供などに礼儀作法を教えて身につけさせること。また、身についた礼儀作法。 《躾》 「 -の厳しい家庭」 「店員の-が悪い」
②本縫いを正確に、きれいにするためにあらかじめざっと縫い合わせておくこと。また、出来上がった衣服の形が崩れないように、折り目などを縫って押さえておくこと。 「 -をかける」
③作物を植え付けること。特に、田植え。 《仕付》 「 -休み」
出典 三省堂/大辞林 第三版 より
礼儀作法を教えて身につけることで
からだを美しく飾ることだそう
つまり習慣+しつけだと
『自然に繰り返される礼儀作法』と
言えそうですね
5Sと3Sの活動の違いとは?
もう一度言葉の定義を整理すると
整頓:職場にあるモノを大切に扱う
清掃:ピカピカな状態を維持する
清潔:3s活動ができている状態
習慣(しつけ):自然に繰り返される礼儀作法
となります。
整理・整頓・清掃の活動は
3S活動と呼ばれて
清潔・習慣(しつけ)を加えて
5S活動となります
つまり相違点は
清潔・習慣(しつけ)の有無
要するに活動ベースでいうと
清潔と習慣(しつけ)について
3S活動でどう取り扱っているのか?
そこがポイントになりそうです
そのため、
それぞれの『活動』についてもう少し
深く分析していくことにしましょう
整理活動について
整理活動は職場の中にあるモノを
必要か不必要かを判断して
不必要なモノを処分する活動です
まさにムダなモノを取り除きます
一般的には職場にあるモノを
すべて判断していく方法を取ります
要るor要らない、要るor要らない
ところがこの方法は
仕分けするヒトによって
判断基準がまちまちになって
最終的にほとんど置いておくことで
やっても変わらないという結果を
よくお聞きします
実は整理活動を実行する前に
しっかり判断基準を決めておき
それに準じて処分を実行する
目的はこの整理活動によって
不要なものが『まったくない』
そんな判断が可能な職場を造ること
それを『しくみ』によって実行する
つまりルールをつくって
それを徹底して守る
簡単なようで、簡単じゃないことを
当たり前にできる職場にするんです
結果として同じ敷地で
広々としてスペースが入手できます
それが整理という活動です
整頓活動について
整理活動によって不要なモノが全滅
つまり必要なモノだけになってます
だからこの必要なモノが
最大パフォーマンスとなるよう
最適な置き方を考えて収納します
そのために必要な考え方が
3定:定位+定品+定量
定まった位置に
定まった品物を
定まった量だけ置くようにします
そのことによって
モノを探す時間を最小化できるし
ルールは守れるようになるし
いろいろな優秀な職場のやり方を
パクって真似て先進職場になれます
清掃活動について
清掃活動はさきほど調べたとおり
掃除で職場をピカピカにします
なのでピカピカにするためには
どのように掃除すべきか?
全員で考えて実行する活動です
その方法を考えて決めたうえで
毎日毎日全員で繰り返すことで
実現できるかどうか検証します
なので、ただたんに
ホウキや雑巾をもって十分間の
やってるフリには意味がないです
ですからピカピカのためには
掃除だけで実現するかどうかも
しっかり全員で考えに考えて
ゴール達成に向けた対策を実行する
清掃はそんな活動なんです
清潔活動と習慣活動について
さて本題に入ってきましたね
この清潔活動と習慣活動とは
5s活動にはあるけど
3s活動には入っていない活動です
清潔とは基本的に
整理・整頓・清掃の3s活動が
うまくいっている状態を意味します
そして
そのためには何が必要でしょうか?
その要素は2つあるんです
それは。。。
『組織的なしくみの適正さ』と
『個人の意識の強さ』です
この2つが高まっていけば
清潔な状態は維持されると言って
いいと思うんです
それはどういうことか?
もう少し詳しく解説します
組織的なしくみの適正さ
組織っていうと難しいですが
皆さんが属しているチームだと
思ってもらうと間違わないです
そのチームの役割分担が
適正でない時を考えてみて下さい
そのチームは機能しますか?
他チームに試合で勝てそうですか?
整理・整頓・清掃の3つの活動
これが適正に機能していれば
しっかり職場は良くなります
ですが整理・整頓・清掃を
どのように進めていくべきか
その考え方もやり方も
1人ひとりの判断基準で決めて
それぞれバラバラにやっていたら
ゴールの達成で難しいですよね
だからそれぞれの活動について
どの期間でどの程度達成するか
それぞれチームで目標を決めて
そのためのやり方も決めて
全員で取り組んでいくべきです
だから何をどのタイミングで
どのように進めるのかを標準化
それを徹底して守ることが
メンバー全員のミッションだと
しっかり知らせることが必要です
そういったルールを決めること
そしてそれを知らせること
それが清潔活動だということです
個人の意識の強さ
チームとしての体制が整ったら
あとは個人個人の意識の問題です
あなたは自らの職場をどうしたい?
そのためにあなたは何をしますか?
清潔活動によってある程度
チームとしてどうあるべき?
そして何を取り組むべき?という
最低限の情報は共有されます
でも、それに協力するかどうか
その強弱は本人の判断に
どうしたってゆだねられます
だからこそ教育が必要なんです
社会や市場に対する礼儀作法を
しっかり徹底することで我々は
仕事があり、報酬があることを
しっかり理解する必要がある
そのための知識提供や指導・助言を
習慣(しつけ)活動というわけです
5Sと3Sの活動の違い
5s活動のみに存在する
清潔活動と習慣(しつけ)活動
これらは整理・整頓・清掃の活動を
適正に継続させるための視点だと
いうことがわかってきましたね
ただしこれら2つの活動のない
3s活動というくくりにおいても
その推進組織機能の重要性や
学習機会の設置の必要性は常に
主張してきたトピックスです
つまりこれらの2機能を活動として
別出しして表現すれば5s活動
整理・整頓・清掃の3つの主機能に
集中して表現すれば3s活動
ちょっとした機能フレームの
区分の違いと言ってよさそうです
今回の分析から分かった活動の真の目的
今回の言葉の定義や活動比較により
この活動の全容の理解が
より深まったと考えますが
皆さまの感触はいかがでしょうか?
やはり日本人と整理・整頓・清掃
仕事を進めるうえで
切っても切れないご縁があるように
思えてなりません
きちっとした仕事ができる職場へと
確実に成長に導くための2つの要素
・個人のチカラを高める
・組織のチカラも高める
→習慣(しつけ)活動+清潔活動
この2つの要素を鍛えるため
まずは誰もが必要だと判断しやすい
・毎日いて安心・安全な職場
・働いていて気持ちがよい職場
・ヒトもモノも迷子にならない職場
→整理活動+整頓活動+清掃活動
の実現を目指す
そんな素晴らしい職場をつくれる
実力を養うことそのもの
それが3s(5s)活動の真の目的だと
そう結論づけてよいと考えます☆
それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合い下さい☆
長文乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために