QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

最後のQC7つ道具である管理図の
その統計的な意味合いと種類について
説明を重ねてまいりました

なかなか強烈なツールであることは
ご理解いただけているとは思いますが
いよいよ今回はその作り方について
解説を進めていきます

今までの説明からすると
結構難しく感じているかもしれません

しかし実際にやってみると
意外とそう難しくはありませんので
試してみてくださいませ

 

目次

x̄-R管理図の構成について

今回はよく活用されるx̄-R管理図を
実際に作ってみる解説をします

x̄-R管理図とはx̄管理図とR管理図とを
組み合せた管理図だと前回伝えました

もちろんこの管理図を描く場合は
x̄管理図を作図してその下に
R管理図を描き加えます

つまりそれぞれ作図する必要が
あるという構成です

ではこれをどのように描いていくのか
説明していきましょう

 

x̄-R管理図のパーツ名称について

QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

x̄-R管理図の作り方が説明しやすい
ように管理図を構成するパーツの
名称についてまずは説明します

【x̄-R管理図のパーツ名称】
①中心線(CL)
②上方管理限界線(UCL)
③下方管理限界線(LCL)
④管理線
⑤群

では判別できるように
もう少し詳しく説明をします

 

①中心線

x̄管理図やR管理図のデータの
中心を示す直線で
実線で表します

この場合、データが5個集まった
群の平均を平均したもの

あるいはその群の範囲を平均
したものを指します

 

②上方管理限界線

中心線の上に並行に引かれた
上側の管理限界線で
破線、または一点鎖線で表します

英語ではUpper Control Limitで
頭文字からUCLと略されます

また上側管理限界線とも言います

 

③下方管理限界線

中心線の下に並行に引かれた
下側の管理限界線で
破線、または一点鎖線で表します

英語ではLower Control Limitで
頭文字からLCLと略されます

また下側管理限界線とも言います

 

④管理線

中心線と管理限界線を総称して
管理線と呼びます

 

⑤群

データを1日あるいは1Lotのように
小さなグループに分けることを
『群分け』と呼び
分けたデータのまとまりを
『群』と言います

また群を構成しているデータの数を
『群の大きさ』と言い
記号:nで表します

今回の場合1日5個のデータなので
群の大きさは5でありn=5と示す

 

x̄-R管理図の作り方

それではx̄-R管理図の作り方は以下の
7つの手順で作図していきます

【x̄-R管理図の作り方の7手順】
手順1:データをまとめる
手順2:群ごとに平均値と範囲を算定
手順3:それぞれの平均値を計算する
手順4:それぞれの管理線を計算する
手順5:x̄-R管理図作成の準備をする
手順6:データと管理線を記入する
手順7:その他の必要事項を記入する

それではこの手順について
一つずつ押さえていきましょう

 

手順1:データをまとめる

QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

まずは日付、曜日、群番号などを記載
獲得したデータを表にまとめます

実際にはエクセル等の表計算ソフトで
まとめることが多いと思いますので
そのソフト上にまとめていただければ
この後の計算も早いと思います

 

手順2:群ごとに平均値と範囲を算定

QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

そして群ごとに合計、平均値、範囲を
算定します

範囲は群の5つのデータのうち
最大値から最小値を引いた値
つまりバラツキの幅を示します

後にこの平均値がx̄管理図の打点
範囲がR管理図の打点となります

 

手順3:それぞれの平均値を計算する

そして群毎に出した平均値の平均値を
また群毎の範囲の平均値を計算します

群毎の平均値の平均値=50.913
群毎の範囲の平均値=7.464

そして後に
この平均値の平均値がx̄管理図の
そして範囲の平均値がR管理図の
中心線の値となります

 

手順4:それぞれの管理線を計算する

まずはx̄管理図の管理線の値を求めます

この計算に出てくるA2、D4、D3は
後ほど詳しく説明します

中心線(CL)=群毎の平均値の平均値
=50.913

上方管理限界線(UCL)
=中心線+A2×範囲
=50.913+0.577×7.464
=55.220

下方管理限界線(LCL)
=中心線-A2×範囲
=50.913-0.577×7.464
=46.606

 

そしてR管理図の管理線の値を求めます

中心線(CL)=範囲の平均値
=7.464

上方管理限界線(UCL)
=D4×範囲の平均値
=2.114 × 7.464
=15.779

下方管理限界線(LCL)
=D3×範囲の平均値
=0.000 × 7.464
=0.000

 

上記の計算に出てきたA2、D4、D3は
群の大きさにより定義されていて
以下の表から係数をひらってきます

A2 D4 D3
2 1.880 3.267 0.000
3 10.23 2.574 0.000
4 0.729 2.282 0.000
5 0.577 2.114 0.000
6 0.483 2.004 0.000
7 0.419 1.924 0.076

※ 上記は管理限界線を計算するための係数表である(JIS Z 9021:1998より)
※ nは群の大きさを示す
※ ただしn=6以下の場合はD3は示されない

 

手順5:x̄-R管理図作成の準備をする

QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

グラフ用紙や方眼紙などを準備して
縦軸にはx̄管理図とR管理図の
それぞれの値が入るように目盛ります

 

手順6:データと管理線を記入する

QC7つ道具の使い方⑬管理図の作り方(エクセルは次回)

まずは群毎の平均値をx̄管理図に
群毎の範囲をR管理図に
それぞれ打点していきます

JISなどでは打点は記号『●』で
定義されていますが見やすくするため
変更することは大丈夫です

またx̄管理図とR管理図の
管理限界線を引きます

中心線は実線で、管理限界線は破線
あるいは一点鎖線とします

 

手順7:その他の必要事項を記入する

その他の補足情報などがあれば
その管理図に追記して完成です

 

管理図の作り方(エクセルは次回)まとめ

実際に手作業で作図する手順は
計算さえ慣れてしまえば大丈夫です

一方でやはり発表資料を作成する
効率性と見やすさを考えた場合は
エクセルで作図したいところですよね

と、いうことで次回のこのシリーズは
エクセルでのx̄-R管理図の作り方を
解説したいと思いますので
楽しみにお待ちくださいませ

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次