QC7つ道具の7つ目のツール:管理図
その管理図には多くの種類があります
しかし今回はシューハート管理図と
呼ばれるJISで定義された管理図の
種類に限定したお話とします
その現場でよく使われる管理図は
その取り扱うデータによって
計量値管理図と計数値管理図と大きく
2タイプに分けることができます
どういう場合に使い分けるのか?
それはどういった違いがあるか?
今回はそういった管理図の種類を
わかりやすく紹介していきます
管理図で扱う2種類のデータ
さきほどの管理図の2タイプは
計量値管理図と計数値管理図
その名前のとおり扱うデータは
計量値と計数値
でも名前からは何のデータか
想像つきませんよね
計量値とは長さや強さ、時間、重さ、
成分、温度、湿度など、測量して
得られるデータを指します
そして計数値とは、不良品の数や
事故件数の数えて得られるデータ
および、対象の大きさが一定でない
場合の不良率や事故率なども含みます
つまり計量値は測量データ
計数値はカウントデータ
実際に管理図を活用する場面では
結果そのものである計数値よりも
その結果に影響を与える計量値を
管理対象とする場合が多いですね
ではどんな種類の管理図が
存在するのか見ていきましょう
計量値管理図の種類について
測量データを取り扱う計量値管理図
その代表的な管理図のカタチを
見ていきたいと思います
x̄-R管理図(WEB上ではX-R管理図と略されます)
x̄-R管理図というのは
x̄管理図とR管理図とのセットです
つまり2つの管理図を縦に並べて
表現することで2つの指標を同時に
見ていきます
x̄管理図の管理対象とされる
x̄は『エックスバー』と呼ばれ
平均を意味します
つまりこのx̄管理図はある一定数の
データの集まりの平均を打点して
管理するための表だということです
さらにR管理図のRはRangeの略で
その定数データの振れ幅を意味します
具体的には最大値と最小値の差
つまりバラツキの範囲が管理対象です
まとめるとx̄-R管理図というのは
平均値の推移とバラツキの推移を
見える化することで異常を発見する
ツールとして使おうというものです
ただしこのx̄-R管理図は
一定数のまとまりとなるデータの数が
8つ程度までが望ましいとされていて
10個を超えると次のx̄-s管理図が
すすめられるようです
x̄-s管理図(WEB上ではX-s管理図と略されます)
x̄-s管理図というのは
x̄管理図とs管理図とのセットです
x̄管理図はさきほどと同じです
相方がs管理図に変更されただけ
なぜならデータの数が増えたらです
このsはStandard deviationの略
つまり標準偏差です
標準偏差とは何か?
標準偏差とはバラツキを表す数値で
データと平均値との差の2乗を平均し
その平方根を求めた数値を言います
これって難しですよね!
バラツキってR管理図の時には
最大値と最小値の差をRで表しました
これは振れ幅でわかり易いですよね
でもデータが10個以上になると
その差の中でどこかに偏っているのか
あるいは全く偏っていないのか
異常が隠れる可能性が高くなります
そのためデータを個別で見ていく
必要がでてくるんです
その方法は平均との距離
つまり平均からどれだけ離れているか
1つひとつみていくことになります
しかし実はこの差を平均しても
バラツキって表れてこないんです
理由は平均からデータを差し引くと
単純にプラスもマイナスもあるから
だから手っ取り早くマイナスが
なくなるよう2乗しちゃって平均し
そして平方根を求めて元に戻した
それが標準偏差という指標なんです
まとめるとx̄-s管理図というのは
x̄-R管理図の場合と同じく
平均値の推移とバラツキの推移を
見える化するツールでした
違いは一定数のまとまるデータの数で
10個未満はx̄-R管理図
10個以上はx̄-s管理図という
使い分けで覚えてください
Me管理図
x̄-R管理図のx̄の代わりに
Meを用いた管理図です
MeはMedian(メディアン)の略で
中央値を指します
中央値とは
データを小さい順に並べた時に
中央に位置する値を指します
管理図を手計算でプロットした時代に
x̄:平均値を計算する必要がないで
活用された時代もありました
現在は計算機もパソコンも使えるため
見ることはだいぶ少なくなりました
X管理図
獲得したデータ(X)をそのまま打点
していく管理図です
これは一定数の
まとまたデータが1つだったり
均一すぎてデータを取る意味がない時
また、測定時間が長く1個のデータで
管理したい場合に用いられます
これも測定機器の発展や
テクノロジーの進歩により
あまり見なくなりました
計数値管理図の種類について
数を数えるデータ、あるいはそこから
計算できる数値などの管理図です
主には結果:不良品に関する管理に
使われることが多い管理図です
ではどんな種類があるか
見ていきましょう
p管理図(p管理図のpとは)
p管理図とは不良品率を管理する時に
使う管理図です
このp管理図のpとは
proportion chartの略で
(JISハンドブック「品質管理」より)
文字通り割合や比率を管理するための
管理図というわけです
そのため管理対象のデータの大きさが
一定でない場合でも適応が可能で
不良率をは逆の適合品率や出勤率など
このp管理図でバラツキを見ることが
可能です
np管理図(np管理図のnpとは)
np管理図はJISハンドブックによれば
number of nonconforming items chartと
表現されていて、npの内pは出てきません
意味合い的には不良:poorが関係するものと
個人的に考えています
np管理図では1つひとつの製品の
良品か不良かを判別した結果
その管理対象の中に不良がいくつ
発生したか?という不良数を
管理したいときに使われます
c管理図(c管理図のcとは)
c管理図は、製品のキズの数、
塗装の塗りムラ、ガラスのピンホール
電線の断線、トラブル回数など
管理対象に発生した不適合数を用いて
工程を評価するための管理図のこと
c管理図のcとはcount chartの略
そのままですよね、笑
u管理図(u管理図のuとは)
u管理図はcount per unit chartと
JISハンドブックに定義されていて
u管理図のuはunitのuを指します
つまり生産単位を定めて
その単位あたりの不適合数uを計算し
それを管理図でバラツキを見ます
管理図の種類(計量値管理図と計数値管理図の違い)まとめ
さまざまな管理図の種類を
用途別に見てきましたが
現場で多く活用されているのは
x̄-R管理図です
そのためまずはこのx̄-R管理図を
理解いただけるよう今後も
詳しく簡単に説明を続けていきます
それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
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