QC7つ道具の使い方⑪管理図とは何か?わかりやすく統計学を語ります

管理図とは何か?最も簡単に統計学を語ります

さてQC7つ道具を紹介してきた
アイテムも次は最後の7つ目
管理図を紹介する予定です

でも実はQC7つ道具の中でもっとも
分かりづらいのがこの管理図と
言われています

それもそのはずで統計的な要素が多く
専門的な学習をしていなければ
なかなかスッとは入ってきません

そこで今回は管理図に関係する
統計学の一部を簡単に説明することで
理解していただきたいと思います

この記事を読む時間の3分間程度
お付き合いいただければ幸いです

 

目次

統計学とは?ウソをつかない数字の科学

まずこの統計学とは皆さまは
どういうものだとお思いでしょうか?

【統計学とは】
統計学は、経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。統計的手法は、実験計画、データの要約や解釈を行う上での根拠を提供する学問であり、幅広い分野で応用されている。

そうなんです!

数学のチカラを借りて
データが語る言葉を解釈する
そんな学問なんですよね

データは向こうから語りかけませんが
実は話しかけると流暢にしゃべるもの

ただしこの統計という言葉で
話しかけてあげる必要があるのです

しかもヒトは様々な事情でウソをつき
時には無意識に自分をも騙します

ところがこの数字はウソがつけません

環境の変動や記録者による誤差なども
データのバラツキ具合として
すべて反映されてしまいます

データを分析するチカラをつければ
問題の本質が見えてくる

そんなすごいチカラを秘めています

 

ただしそのチカラを使うには
少々専門的な学習が必要になります

そのため学術的な詳しい説明は
他のサイトに任せることにして
ここでは必要最小限の知識を
掘り起こしていきましょう

 

正規分布とは何か?

管理図とは何か?最も簡単に統計学を語ります

 

統計学を理解する上で大切な確率分布
それを図で表したのが正規分布です

正規分布= Normal Distribution

その名前から読み取れるとおり
『Normal=ありふれた、通常の』
確率の分布を表した図です

正規分布とはこの平均値を中心に
左右対称の曲線を描きます

 

別名、ガウス分布、吊り鐘曲線とも
呼ばれています

どこかで聞いたことありますか?
そうです!ヒストグラムの安定型!
【関連記事】ヒストグラムの分布形状の見方を知る

実はこの正規分布は
あのヒストグラムのデータを
無数にちりばめた図だとも言えます

 

でもこの正規分布の図で何がわかるか
どんな意味があるか
それが肝心なところですよね

実はこの正規分布は自然界にある
確率を正確に表しているんです

どういうことでしょうか?

 

正規分布の標準偏差の見方を理解する

管理図とは何か?最も簡単に統計学を語ります

 

正規分布で重要な標準偏差という指標
詳しい説明は別の機会に回しますが
これはバラツキを表す指標です

標準偏差が大きくなればなるほど
この吊鐘は横長で背は低くなり
逆に小さければ小さいほど
幅は短くなって頭はとんがります

要するにデータがバラつけば横長
データがまとまれば縦長になります

そしてその標準偏差はσ(シグマ)と
呼ばれて、その分布を把握する上で
重要な役割を担います

 

それはどういうことでしょうか?

 

この正規分布はこの曲線の下の面積で
その事象が現れる確率を表しています

そしてその平均値を挟んで左右の
±σ分の中にデータが収まる確率が
68.26%
±2σ分の中にデータが収まる確率が
95.44%
さらに±3σ分の中に収まる確率が
99.73%

となる性質を持っています

この性質を管理面に活かそうと
生み出されたのが
今回の『管理図』なのです!

 

管理図とは何か?

管理図とは何か?最も簡単に統計学を語ります

 

【管理図とは】
QC7つ道具のひとつで、品質・工程管理を行うためのグラフのこと。製品の大きさや質量などのデータを毎日記録し、異常な製品がないかを管理する。値が上方管理限界線、下方管理限界線の間にない場合は、品質や工程に異常があると考えられる。

これもQC7つ道具のひとつと
しっかり記述があるほど代表的です

実はこの管理図は正規分布を横にして
時間軸で変化を追っかけるカタチを
とった管理手法です

 

つまり±3σ内にデータが現れる確率は
99.73%だとわかっています

ではその外にデータが現れる確率は
0.27%=100%-99.73%

今までの状態からこの小さな領域に
データが推移したことを考えれば
工程の状態が今までと異なる状態に
なったと判断すべきでしょうね

 

そのため平均値=中心値を中心に
上限を上方管理限界(UCL)
下限を下方管理限界(LCL)と
設定して管理基準とします

データが管理限界線の範囲内であれば
工程に異常は発生していない安定状態
範囲外に推移すれば何らかの異常が
発生した管理外れ状態と判断します

さらに管理限界内でもデータの
動きそのものから異常の疑いを
発見できるように視覚化したものが
この管理図だというわけです

 

管理図とは何か?まとめ

さて少しはイメージを固めることは
できたでしょうか?

今回は統計学を簡単に説明ながら
管理図を解説してみました

統計の世界ってむちゃくちゃ広くて
なかなか簡単には説明できないので
ちょっと省きすぎかもしれません

でもこんなもんだと
まずは理解していただき
少しずつ興味を持って
学んで頂ければ幸いです

では当シリーズの次回はいよいよ
管理図の種類や作り方を説明します

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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