系統図法の作り方と事例(無料テンプレート付)~現場の課題解決とAI活用法~

系統図法の作り方(テンプレート付)と事例を知って具体策を絞り込む

新QC7つ道具のひとつの系統図法

問題をメンバー間で共有するのに
とても重宝する新QC7つ道具ですが
この系統図法は少し方向が違います

目標は決まったけれど
具体的に何をすればいいか分からない…

そんな現場のモヤモヤを解消して
実行できる具体的なプランに
落とし込めるのが最大の強みです

だけど使いこなせるようになると
とっても便利なんです!

どのように便利なのか?
どうやって役に立てるのか?
そしてその使い方は?

今回は実務ですぐに使える
エクセルテンプレートの準備にくわえて
製造現場の超・実践的な事例や
AIを活用した最新のアイデア出しまで
網羅して説明していきます

では早速、この系統図法について
解説を進めていきましょう

目次

系統図法とは?具体策の絞り込みツール

まずは系統図法とはどんなものか
早速、辞書で調べてみました

系統図法(読み方:けいとうずほう)

 新QC7つ道具のひとつで、目的を達成するための適切な手段を探すための手法。目的を達成するまでのいくつかの手段と手順を、ツリー状に展開して整理することで、問題解決の指針を見つけ出せる。

出典:デジタル用語辞典/ASCII.jp より

目的達成のために必要な
手段を探すための手法

しかもツリー状であることが
ひとつの特徴と解説があります

問題を見える化できたとしても
その対策が具体的でないと
なかなか実行に移せないってこと
よくありますよね

整理整頓しましょう!って決めても
何を、どのように、いつ、だれが
整理整頓するのか決めないと
実行に移されることって少ないです

今度、お食事にいきましょうね!
っていう社交辞令と同じです、笑

つまり実際に行動を起こすためには
具体的に表現することがとっても
大切なことなんです

そこで役立つのが今回のツール
系統図法だというわけです

特性要因図やロジックツリーとの違い

ところで、この系統図法を学ぶとき
特性要因図(フィッシュボーン)や
ロジックツリーといった他の図解と
「何が違うの?」と迷う方も多いはず

どれもツリー状に展開していく点は
よく似ているのですが
実は「何を探し出すか」という
目的が明確に違います

なので使う時に迷わないよう
整理しておきましょう

手法(ツール)名思考の方向何を探すためのツールか?(目的)現場での主な活用シーン
系統図法
(本記事)
How
(どうやって?)
目的を達成するための「具体的な手段・方策」を探す新しい目標の達成、改善策の立案、実行計画の作成
特性要因図
(新QC7つ道具)
Why
(なぜ?)
結果(問題)を引き起こしている「根本的な原因」を探す品質不良の原因追及、トラブルの再発防止策の検討
ロジックツリー
(論理的思考)
What / Where
(何が?どこが?)
複雑な事象を漏れなくダブりなく(MECE)「要素に分解」する漠然とした課題の全体像把握、問題箇所の特定

簡単に言えば
「なぜ不良が起きたのか?」と
過去や原因を深掘りするのが特性要因図

それに対して

「どうやって目標を達成しようか?」と
未来に向けた具体的なアクションを
洗い出すのが系統図法です

目的と手段の連鎖を見える化して
実行可能な組織的な姿勢をつくる
これが系統図法の役割なのです

系統図法の種類

実はこの系統図法には
用途によって2つの種類に
わけることができます。

系統図法の2つの種類

  • 種類1:方策展開型
  • 種類2:構成要素展開型

この2種類について
もうすこしだけ補足しましょう。

種類1:方策展開型

これは問題解決の方策、
つまり手段や対策を絞り込んでいく使い方のこと。
一般的にはこちらが多く使われています。

種類2:構成要素展開型

こちらはどちらかというと
改善対策の中味を詳細に掘り下げていく使い方のこと。

複雑化してしまう改善対策の場合に
その理解を深める目的で使われます。

以下の図を見ていただくと
少しイメージが進むでしょうか。

系統図法の概念図(方策展開型)

系統図法の作り方(テンプレート付)と種類を知って具体策を絞り込む
系統図法のイメージ図(方策展開型)

目的達成のための一次手段を考え
その一次手段を実現させるために
さらに二次手段、三次手段を考える。

それが方策展開型の系統図法です。

これによって
重要な手段を忘れてしまったり
もっと有効な手段がほかにあったり
そんな対策のモレをなくすことができます。

ツリーの右に行けば行くほど
具体的に書いていくというのが
この系統図法の特徴でもあります。

それではこの系統図法の作り方を
説明していきましょう。

系統図法の作り方の5ステップ

系統図法の作り方(テンプレート付)と種類を知って具体策を絞り込む
系統図法の作成事例

系統図法の作り方は以下の
5つのステップで解説します

系統図法の作り方:5つのステップ

  • [STEP1]基本目的を設定する
  • [STEP2]制約条件を整理する
  • [STEP3]一次手段を考える
  • [STEP4]二次・三次と展開する
  • [STEP5]全体の流れを確認する

それではこの系統図法の作り方を
順番に説明していきます

※このあとに紹介する作成事例と
照らし合わせながら読んでみてくださいね

[STEP1]基本目的を設定する

解決したい問題あるいはテーマを
『〇〇を〇〇する』のカタチで
表現してみます

もし系統図法に慣れない場合は
『〇〇を〇〇するには?』
書いてみると他のメンバーには
わかりやすくなるかもしれません

のちほど紹介する基礎事例では
『ボールペンの営業力を高める』を
解決したいテーマに設定しました

[STEP2]制約条件を整理する

次に目的・目標を達成していくため
制約条件が必要な場合は記載します

たとえば
人的制約、モノの制約、費用の制約、
期限などです

ない場合はこのステップは
スルーしてください

[STEP3]一次手段を考える

基本目的を達成していくための
一次手段として
『〇〇を〇〇する』の表現で
アイデアを出し合います

基礎事例では
ボールペンの営業力を高めるための
一次手段をメンバーで話し合って

『商品説明頻度を増やす』
『目標を決定する』
『他社商品の展開を調査する』
『商品知識を高める』の4つを
一次手段として検討しました

[STEP4]二次・三次と展開する

次は一次手段を目的として
それぞれ達成するための手段を
メンバー間で出し合っていき
これを繰り返し行っていきます

つまり逆に表現すれば
三次手段の目的は二次手段
二次手段の目的は一次手段
となるように構成するということ

こうやって検討を進めれば
右に行けば行くほどどんどん
自然に具体的になっていきますよね

基礎事例では
『商品説明頻度を増やす』ための
二次手段として
『お客さまに商品を説明する』を
『目標を決定する』ための
二次手段として
『店別の売上高実績をまとめる』など
より具体的になるよう展開しました

[STEP5]全体の流れを確認する

[STEP4]で三次手段まで展開できたら
三次手段から逆に目的を確認しながら

重要な手段を忘れてないか
もっと有効な手段はないか

全体の流れをチェックすることで
必要であれば新しい手段を追加して
系統図法が完成となります

系統図(方策展開型)の作成事例

系統図法の作り方(テンプレート付)と種類を知って具体策を絞り込む
系統図(方策展開型)の作成事例

【基礎編】ボールペンの営業力 / 事務作業の標準化

事務作業の標準化を進めるための
方策を引き出すために上記のような
系統図を作成してみました

この系統図を作成することで
事務作業を標準化するには

『事務作業の手順書を作成する』
『仕事の分析ツールを使いこなす』
『業務のボトルネックを取り除く』

などなど多くの具体的な方策を
検討することが可能です

こういった方策を全員で見ながら

検討していくプロセスを共有すると
問題解決ってこうやってするんだと
新人や幹部教育にもとても有効です

一人で対策を考えるのもいいですが
やはり組織全体が強くならないと
てごわいライバル会社との競争に
勝てなくなってくる時代です

なぜなら彼らも同じように
総力戦で闘いを挑んでくるからです
ぜひこの系統図も使ってみてください

【実務編】製造現場における「4M変更時の品質トラブル撲滅」

ここまでの「事務作業の標準化」などは
基本を理解するための
シンプルな事例でした

ここからは、より実務的で
複雑な課題に対する活用例を
見ていきましょう

製造業の現場改善や品質管理など
「絶対に抜け漏れが許されない対策」
練る際に、系統図法はその真価を発揮します

今回は、現場で最もトラブルが起きやすい
「4M(人・機械・材料・方法)変更時」
品質トラブルをゼロにする、という
基本目的を設定して方策を展開してみます

■ 実務作成事例:4M変更時の品質トラブル撲滅

  • 基本目的: 4M変更時の品質トラブルをゼロにする
  • 制約条件: 量産移行までの3日以内に検証を終える

以下のように
[一次手段] ➡ [二次手段] ➡ [三次手段]
展開していきます

  • 一次手段:作業者(Man)の変更リスクを潰す
    • 二次手段:代替作業者のスキルを担保する
      • 三次手段:スキルマップから同等レベルの有資格者をアサインする
      • 三次手段:作業開始前に旧担当者と新担当者でOJTを実施する
  • 一次手段:設備(Machine)の変更リスクを潰す
    • 二次手段:設備稼働の初期流動を安定させる
      • 三次手段:保全担当者による稼働前30分の特別点検を実施する
      • 三次手段:初モノ加工後、品質管理部による寸法測定を挟む
  • 一次手段:材料(Material)の変更リスクを潰す
    • 二次手段:新材料の特性バラツキを把握する
      • 三次手段:業者から検査成績表を入手し過去ロットと比較する
      • 三次手段:ロット切り替え時の「最初の1箱」は別パレットに隔離する
  • 一次手段:方法(Method)の変更リスクを潰す
    • 二次手段:新しい標準作業を現場に定着させる
      • 三次手段:作業標準書(SOP)を最新版に改訂し現場へ配信する
      • 三次手段:朝礼時に4M変更内容と注意ポイントを全員で声出し確認する

このように、現場のリアルな課題に対して
系統図法を用いることで
「教育する」「点検する」といった
曖昧な対策から

「誰が・いつ・何を使って・どうする」という

具体的なアクションプランまで
抜け漏れなく一気にブレイクダウンできます

難易度の高い問題解決こそ
頭の中だけで考えず
この系統図法を使って組織の集合知を
見える化してみてくださいね

アイデアに行き詰まったら?生成AIを活用した手段の洗い出し

系統図法の作り方はわかった!

でも、いざ白紙のエクセルを前にすると
「一次手段がぜんぜん思いつかない…」
と筆が止まってしまうこと、ありますよね

2010年の法人化から今日まで
数多くの企業の現場を見てきましたが
この「最初のアイデアが出ない」という壁は
本当によくある悩みなんです

そんな時に圧倒的な威力を発揮するのが
ChatGPTやGeminiなどの「生成AI」です

AIに答えをすべて出させるのではなく
アイデアを引き出す「壁打ち相手」として

活用するのが現代だからこそ使える
強力の参考方法です

■ そのまま使える!AIプロンプト(指示文)

以下の文章をコピーして
AIのチャット画面に入力してみてください

あなたは現場改善のプロフェッショナルです。

新QC7つ道具の「系統図法」を作成します。

以下の【基本目的】を達成するための
【一次手段】と、それを具体化する【二次手段】の
アイデアを5つの異なる視点から提案してください。

【基本目的】

4M変更時の品質トラブルをゼロにする
(※ここは自社の課題に書き換えてください)

【条件】

・精神論ではなく、具体的な行動(ToDo)にすること
・「誰が・何を・どうする」が明確な表現にすること

いかがでしょうか?

ほんの数秒で、自分たちだけでは
思いつかなかったような切り口や
具体的なアクションプランの「種」を
AIがいくつも提案してくれます

あとは、そのAIのアイデアをベースにして

「うちの現場ならこうだね!」
「この手段はうちでもすぐできる!」と

メンバー全員で取捨選択していくんです

ゼロからウンウン唸って考えるより
何倍も早く、そして質の高い
系統図法を作り上げることができるはず

ぜひ、最新のデジタルツールも味方につけて
現場の課題解決を加速させてください

系統図法のエクセルテンプレートについて

系統図法の作り方(テンプレート付)と種類を知って具体策を絞り込む
系統図法のエクセルテンプレートについて

さて最後になりますが
以下のアンケートに協力をいただいた方に
すぐ実務で使えるエクセルテンプレート

プレゼントさせていただいています

このエクセルテンプレートでは
系統図の作成に役立てるだけでなく
効果と実現性を◎、〇、△、×の
4段階評価による点数計算機能

さらに具体的に実行できるよう
何を、どのように、いつ、だれが
記入欄が追加されている
実用性の高いテンプレートです

ぜひご協力のうえご活用ください

今回のまとめ:系統図法の作り方と事例

系統図法とはなにか?
その作り方と事例
さらにはそのテンプレートについて
今回はお話を進めてまいりました

目的と手段を整理することで
実行可能な組織的な姿勢をつくる

そういった時には
とても有効に働く新QC7つ道具

次回に説明する
マトリックス図法との相性も
抜群ですので楽しみにお待ち下さい

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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