IE手法とIoT活用による製造現場改善(後編)

IE手法とIoT活用による製造現場改善(後編)

前回に引き続き、IE手法と近年話題のIoT
(=Internet of Things)を活用した
製造現場改善についての事例や
具体的にどのように進めれば良いのか
を説明してまいります

しばらくお時間頂戴くださいませ♪

 

製造現場へのIoT導入の進め方

 

IE手法の観点でIoT活用方法を見極める!

前回、IoTは実はIE手法にとって
とても相性がいいと説明しました

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その理由はIE手法による改善において
現状把握のためのデータ収集に
多大な工数がかかりますが

IoTを活用することによって
手間をかけずにデータ収集を行えるし
改善のための現状把握を
効率化することができるからです

さらには効率化して
現状把握の時間を短縮した分を
重要な「仮説と検証」や改善実行に
時間をかけることができ
同じ期間に数多くの改善サイクルを
回すことができる

というのがIoTとIE手法とが
相性がいい理由でした!

 
ここで大切なのはIoT導入そのものが
目的になってしまってはいけません

やはり解決すべき課題があって
その課題解決の方法として
IE手法やIoTがあるということです

まずは、やってみよう!
というスピード感は改善だけではなく
IoT導入においても重要なのですが
あくまでも課題解決の手段の一つ
ということは忘れないでくださいね
 

IoT導入に必要なシステム構成とは?

では、実際にIoTを導入するとして
必要なシステム構成とは
どのようなものなのでしょうか?

前回の改善事例を基に
説明いたします


「稼働監視システムis-Look:飯山精器(株)」

この構成によりますと

  1. データを上げる
  2. データをためる
  3. データを分析する
  4. データを活かす
  5. データを見せる

という機能が必要ということです

こちらは設備の稼働情報を取得する
事例でしたが
同じく前回説明いたしました
作業者の位置を取得する事例においては
「1. データを上げる」
の部分が異なるだけで
システムの規模や導入方法に応じて
「2. データを貯める」
「3. データを分析する」
の部分がパソコンであったり
クラウドであったりはしますが
基本的なシステム構成はほぼ同じだと
考えて差し支えないと思います

 
ということは、システム構成において
どうやってデータを取得するのか?
の視点で検討すれば良さそうです♪

その際もIE手法の考え方が役立ちます

例えば、時間研究をする際にも
「工具を掴む」が作業の開始
「設備の扉を閉める」が作業の終了
というように、基準を決めます

同じように、まずは現場を観察して
どういう状態を取得したいのか
そのためにはどうすればよいか
を考えましょう!

 

IoT導入費用はどれくらい?導入パターン別の概算価格

では、気になる費用面は
どうなのでしょう?
色々インターネットで調べてみても
『価格は要相談』
となっていることが多いですよね?

ものづくりの数だけ製造現場があり
それぞれ異なるので
一概には言えないのは理解できますが
価格イメージは掴んでおきたいところ

自分たちでどこまでやるか、の観点で
いくつかパターン別に紹介します♪

 

IoT導入をコンサルタントに依頼する

まずは、外部の専門家に任せてしまう
パターンです

一例として
(株)日本能率協会コンサルティングが
現場IoT7つ道具として
サービス化していますので紹介します

それによりますと
IoT機器やシステム価格で200万円〜
コンサルティングもついて400万円〜
というのが相場のようです

 

IoT機器を購入して自前でシステム構築する

次は、IoT機器を購入して
自前でシステムを構築するパターン

最初のパターンと比較して
IoT機器を選定する必要があるのと
それらを組み合わせてシステム化する
必要あるのでIoTだけでなく
ITに関する技術に精通していれば
その分費用は安くすみます

例えば前回の設備稼働時間を取得する
事例のデータを収集する端末の価格は
1台5万円とのこと
その他に初期導入費用50万円
保守契約3千円/月が必要なようです

同じような機器は他にもありますが
だいたい端末の価格は5万円前後
であることが多いです

 

IoT機器も自作して自前でシステム構築する

最後はIoT機器すら自作する!
という最も技術的なハードルが高い分
費用は安くすむ、というパターンです

一例として、
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)
と言う小型ボードPCとセンサーを繋ぎ
設備のシグナルタワーのOn/Offを
取得する方法で説明します

 
このRaspberry Pi(通称ラズパイ)は
Linux(リナックス)というOSで
動くPCで通常のWindowsPCとは異なり
電気的な接点を持っています

それに光センサー等の電子回路を接続
電気信号として情報化し取得データは
CSV形式でUSBメモリに保存
WindowsPCへデータを移して分析する
といった方法が取れます

この場合、必要となる機器は

  • Raspberry Piキット ・・・ 1万円
  • センサー等の電子部品一式 ・・・ 千円程度
  • USBメモリ ・・・ 2千円程度

となりますので
2万円以下で実現できる感じです♪
だいぶ安くなりましたね!

しかしながら
以下のような技術が必要です

  • LinuxOSのセットアップ
  • 電子回路の設計・実装
  • センサーからデータ取得するためのプログラミング

最後のプログラミングは
最近ではpython等の言語が主流です

 
予めやりたいことが決まっていれば
1番目や2番目のパターンで良いですが

まずはIE手法で現場の課題を洗い出し
それから3番目のパターンで小規模で
IoT導入の効果を確認しながら
徐々に拡大するというのが
私の一番のオススメです♪

 

 

それでは今日はここまで
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

システムエンジニアを経て、自動車部品メーカで生産管理・業務改善を経験。その後、総合電機メーカで現場改善に従事。最近はIoT導入に携わり、IE手法との融合を目指す。現場改善と業務改善は両輪!がモットーの現場大好き人間!

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