製造業のDX戦略①製造業で重要なQCDをデザインする

製造業のDX戦略①製造業で重要なQCDをデザインする

前回は製造業でDXで解決できる
5つの課題をお伝えしました

 
これらの課題をもう少し噛み砕いて
今回はお伝えできればと考え
お話を進めてまいります

1つ目の課題は顧客価値として
とても重要なQCDデザインです

それをDX戦略としてどう進めるか?

今回も読み終えるまでのお時間
しばらくお付き合いください

 

目次

QCDデザインとはなにか?

QCDって皆さまがご存じのとおり

Q=Quality:品質
C=Cost:価格・コスト
D=Delivery:納期

 
の製造業の重要な3要素を指します

 
お客さまに対して
品質:期待どおりの価値を確実に
コスト:納得のいく適正な価格で
納期:必要な数を必要な時に届ける

ことが求められています

こうやって書くと当たり前だし
簡単な理想像かと思うかもですが
実際にこれを高いレベルにするのは
とても労力と時間がかかります

なぜならこれらの3要素は
トレードオフ、つまり
こちらを立てればこちらが立たずな
関係があるからです

 
例えば、大量に受注した注文の
納期を短くしようとすると
設備台数や外注量を増やすと
コストがかかってしまいます

逆に低価格販売で採算を取るには
省力化した検査体制が必要となり
手厚い品質保証がし辛くなります

つまり現在、継続注文をくれている
お客さまの要求するQCDバランス

 
これを将来に向けてしっかり
デザインをしていく必要があり
少しずつ高度化していくことが
我々のミッションであると言えます

このQCDデザインを設計するには
それぞれ次のような課題があります

少し確認してみてください

 

生産計画上の課題

多品種、小ロット、短納期化等により
刻々と変化する標準時間や生産能力

生産計画を策定するのに必ず必要な
これらの基礎データの精度が悪く
実態を表していないために生まれる
ロスはむちゃくちゃ大きいことは
あまり知られていないことが多い

また実績情報が実は手入力が多く
進捗把握の精度が低いとともに
リアルタイムで消込や再計画が
自動計算ができない課題があります

 

在庫管理上の課題

現在のほとんどの現場の在庫管理は
ただの在庫把握であることが多く
コントロールできる体制にないです

理想的な姿としては
実在庫の数量を自動的に把握して
在庫量をコントロールできること

なので自動把握機能と
それを自動制御システムの構築が
主な課題だと言えます

 

情報管理上の課題

受注や発注にまだFAXが多様され
多くのムダが発生していたりします

これらの受発注情報をデータ化して
取り扱うことがまず優先されます

その上で工場内の受入検査、入庫、
出庫、配膳、製造現場への配送など
調達品が今どこにあるのか?

現物把握が容易にできる仕組みの
構築も課題であると言えます

 

進捗管理上の課題

工程進捗や作業進捗にしても
リアルタイムで情報が得られず
工程管理上問題が起きています

これらの自動取得が可能な仕組みを
組み立てることは大きな課題です

 

品質管理上の課題

品質検査結果の素早い情報伝達で
すぐさま作業を微調整できれば
製品のバラツキを最少化できます

また検査結果と製造条件の相関等を
分析することで重要な管理項目を
見つけられる可能性も高いわけです

そのため品質情報の自動発信と
その処理システムの構築および
これらを設計するプロジェクト組織の
発足と活性化も大きな課題です

 

製造業DXによる課題解決の考え方

これらの課題を解決しようとすれば
それぞれの仕組みの高度化が
課題解決の道筋となるはずです

もう少し具体的に解説を加えます

 

生産計画のDX戦略

まずは生産計画の精度が高めます

組立スタートまでに必要な部品が
加工や処理が完了されていなければ
実際に作業が始められないですよね

そのため工程間の同期はとても重要

 
しかし実際には進捗情報は精度よく
獲得されてないので大きなロスを
生んでいることが多いです

工程を同期させるのには3つの情報
情報1:標準工数時間
情報2:ヒトや設備の生産能力
情報3:工程や作業の進捗情報

が必要となると共に
生産能力を超える作業の山崩しなど
平準化できる機能も必要となります

 

調達管理と在庫管理のDX戦略

まずは受発注をデータ化することが
とても大切なステップになります

たとえば中小企業共通EDIなども
データの自動取得の選択肢の1つ

また工場内物流の課題として
自動倉庫化も候補に挙がりますが
一定の規模がないと投資効果が低い

そのためいまは現実的には
RFID(無線メモリカード)の活用で
ロケーション把握がベストでしょう

 
また在庫管理のコントロールは
部門間の情報連携に問題なことが
多く報告されています

そのためまずは在庫管理の責任者を
部門横断的な役割として設置する

そしてその責任者を中心に
最適な仕組みの構築を進めることが
何より大切なことであると考えます

 

進捗管理のDX戦略

工程進捗は細かく早く情報把握する
ことが求められます

たとえば

○ A工程の段取り中
○ A工程の本作業中
○ 工程間仕掛り
○ B工程の段取り中
○ B工程の本作業中
○ B工程の作業中断中

などの進捗情報をIoTにより
自動取得できるよう環境整備します

それを元に生産管理スタッフが
コントロールできる仕組みを
構築していくことができます

 
また作業進捗については理想的には
『Aの設備は現在Bの仕事していて
C個つくる内のD個目を加工中で
あとE分後にBの仕事が終了予定』

なんて情報があれば嬉しいですよね

このような情報を秒で把握可能な
システムを組むことも目指して
あらゆるデバイスを組み合わせて
実現していきたいですよね

 

品質管理のDX戦略

お客様に安定した価値を届けるには
バラツキの最小化に積極的に
貢献できる仕組みがいいですよね

なので到達したい世界観としては
不良が発生したらリアルタイムに
不良分析が表示されるようにして
そしてその表示を見ながら
製造作業ができるようにします

またさらに不良発生が続いたら
自動的に作業を中断する仕組みなら
各段にバラツキ最小化への貢献が
可能となっていきますよね

あとはデータ化されていない情報を
収集しながらその相関や回帰分析等
統計的な分析・解析をしていけば
これまでわからなかった重要要因が
見つかる可能性も高まってきます

これらが実現すれば
すごいことになりますよね!

 

まとめ

DX戦略とは表現してはいますが
ITツールを積極的に活用して
どのように問題解決に結びつけるか

DXという言葉が生まれる前から
この観点が大切だったと言えます

方向や考え方をお読みになりながら
具体的なイメージを固めていただき
ぜひ行動=改革に結び付けて下さい

皆さまからの吉報をお待ちしています

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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