IE手法の7つ道具の中で最重要項目
タイムスタディ(時間研究)を活用方法
標準時間の設定について前回解説しました
【参考記事】>IE手法7つ道具①タイムスタディ(時間研究)標準時間設定編
[getpost id=”2448″]
その元となる基本時間の計測方法として
動作分析(作業分析)の代表的手法
PTS法について今回は紹介してまいります
しばらくお付き合いくださいませ
PTS法とは
PTS法とは
Predetermined –Time Standard
(Predetermined –Time System)
の頭文字3つを表したものです
直訳すれば『予め決定された時間標準』か
『予め決定された時間システム』です
JMACによる定義は以下のとおり
【PTS法とは】
作業を人間の基本動作に分解し、その動作と条件に応じて、前もって定められた時間値のテーブルから標準時間を設定する手法。引用元: ㈱日本能率協会コンサルティング
たとえば、シャープペンを取って
ノートに5桁の数字を書く
そんな作業があったとします
そうすると以下の6動作に分解できます
・シャープペンをつかむ
・ノートにシャープを移動する
・5桁の数字を書く
・シャープペンを移動する
・シャープペンを置く
この6基本動作それぞれの特性に準じて
時間テーブルから該当時間をあてはめ
作業時間を見積もる方法だということです
PTS法のメリットとデメリット
PTS法のメリットとしては
・ストップウォッチでの計測がいらない
・誰が設定しても同じ数値を得やすい
・生産開始前や頻度の少ない作業でもOK
などが挙げられる一方で
デメリットとして
・動作単位の分析なので分析時間が必要
などが挙げられます
ですので必ずしもこの手法を使うのでなく
工程により、作業の特性により
上記の特徴を把握したうえでご検討下さい
PTS法の種類
PTS法にはいくつか種類が存在し
代表的なものにWF法、MTM法が挙げられます
その2つについて少し紹介しましょう
WF法とは
【WF法とは】
工場、建設現場などでの人間の作業に要する標準時間をあらかじめ決める手法の一つ。人間の作業は指、手、腕、胴、足などの動作で行われるが、これら各部分の動作の距離に、動作の困難性を示す作業条件としてのワーク・ファクターを加味して、標準時間を算出する。引用元: ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典コトバンク
WF法はWork Factor analysisの略で
直訳的には作業因子法と訳します
1900年代前半に米国のクイックさんらから
標準時間の体系と同時に発表されました
わが国では日本能率協会が
米国より導入した手法だそうです
基本的な前提として
『同じ作業は誰がいつどこで行っても
同じ時間でできる』という考えのもと
動作時間に影響を及ぼす主な要因として
次の4つを挙げています
(2)運動距離
(3)重量または抵抗
(4)人為的な調節 一定の停止、方向の調節、注意、方向の変更
(1)と(2)は基本動作
(3)と(4)は動作を遅らせる要因
を表しており、
これらをワーキングファクターと呼びます
上記の4要因の組合せを条件に
動作時間を決めていく手法です
このWF法に対し、MTM法があります
MTM法とは
【MTM法とは】
標準作業時間を設定するPTS法の一つ。MTM法では、運ぶなどの手の動作、焦点合わせなどの目の動作、および身体動作からなる基本動作を設け、動作の種類、移動距離、目的物の条件、難易度に応じた正味時間値の表がつくられる。各作業に含まれている動作の内容を分析し、表の時間値を計算的に合成することにより、作業の標準時間を求めるというものである。引用元:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)コトバンク
MTM法は1948年に
米国のメイナードさんらから発表された
基本動作から標準時間を決める手法です
方法と時間の両方同時に設定するため
Method Time Measurement と命名され
直訳では動作時間測定法と呼ばれています
MTM法の特徴は、WF法の4要素を
さらに細かく10の基本動作まで分類
(2)運ぶ(M)
(3)まわす(T)
(4)押す(AP)
(5)つかむ(G)
(6)定置する(P)
(7)放す(PL)
(8)引き離す(D)
(9)目の移動(ET)
(10)目の焦点合わせ(EF)
これらの基本動作と移動距離
そして動作の難易度の3項目で
MTMデータカードと呼ばれる一覧表を使い
動作ごとに基準時間を当て込んでいって
それを積算すれば基本時間となります
IE手法7つ道具④動作分析(作業分析)PTS法編まとめ
この動作分析(作業分析)の世界は
日進月歩で方法が開発され
様々な分析手法が生まれています
そのためご自身の職場にマッチした
分析手法は何か?について検討して
適切な手法での分析がベターです
とはいえ、よくお聞きするのが
どの手法が良いかわからないため
分析を進めていないケース
それはあまりにもったいない時間です
確かにベストではないかもしれませんが
現状分析すればある程度の結果が出ます
そうすれば改善に着手することができる
さらにやってみることで
どの手法がより適しているか?を
知ることができます
その機会を棒に振るなんてことは
職場改善を進めるべき使命に対し
見て見ぬフリをしているのと同じこと
ぜひ有利、不利ではなく
まずやってみることをお勧めします
さてそれでは次回は
これまで多くの企業が採用している
MTM法の中でも適応範囲の広い
MOST法の具体的な事例を踏まえて
説明を進めていく予定です
それでは今回はここまでとなります
今後とも宜しくお付き合いください☆
長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪
すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために