IE手法7つ道具①間違いだらけのタイムスタディ(時間研究)の進め方

IE手法7つ道具①間違いだらけのタイムスタディ(時間研究)の進め方

IE手法7つ道具の中で最も活用されている
タイムスタディ(時間研究)という手法

いつもセミナーなどでお聴きすると
多くの会社がこのタイムスタディを
実施したことがあると答えます

でもよくよくヒアリングしてみると
間違った進め方をしている会社が
なんとも多いのが事実

そこで今回はついつい間違ってしまう
そんな進め方を紹介することで
活動成果を高めていただければと思います

 

タイムスタディ(時間研究)の失敗実例1:測定するたびに変わる作業手順

タイムスタディ(時間研究)の失敗で
最も多く聞くのはこの事例です

タイムスタディ(時間研究)の進め方は
以前詳しく解説をしました

【ご参考】
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大まかな実行プロセスは以下の4つ

【タイムスタディ(時間研究)の進め方】
1.対象作業の区分
2.観測実施
3.観測結果のまとめ
4.改善案の検討

つまり一番最初に改善対象の作業を
細かく区分して観測する対象を決めます

具体的には要素作業単位にリスト化して
時間を測れるように準備してから
実際に計測する、という段取りです

 

ところが実施に現場に行って
時間を測ろうとしたら
あれ?作業の内容が違う!!
ってことがよく起こるのです

『いやいや、そんなことないでしょ?』
そう思いますよね。
でも実際によく起こるんです

 

現場での作業は
さまざまな状況変化が生まれます

組み立てる部品に不具合があったり
供給タイミングで品切れを起こしたり
前工程の作業者の体調が悪くなったり
本当にさまざまな状況変化です

その状況に対応しながら調整して
生産を進めている現場がほとんどです

 

そのため、作業マニュアルどおり
あるいはISOの作業手順書のとおり
作業項目を並べていざ計測に向かっても
実際の作業と一致しないことも多いのです

また作業者が変わればその体格に合わせて
さまざまな工夫を施していたり
品質のこだわりで作業の順番を入替えたり
しているなど、本当によくあるんです

 

ですのでこの計測前に
ベストな標準作業はどういったものか?
まずは作業者の皆さまと膝をつきあわせて
がっつりと話し合う必要があるわけです

全員が標準的な作業手順を守ること
まずはそこから手を付ける必要があり
それをすっとばすと計測さえできない

そんな状況になりますので注意が必要です

 

タイムスタディ(時間研究)の失敗実例2:改善につながらない測定結果

次に多いのが時間測定は終えたものの
どう改善すればいいのかわからなくなる
そんな事例が後を立ちません

え?どういことかって?
説明しましょう

 

まず要素作業を区分して時間を計測します
そしてその結果を整理したとします

ところが
その要素作業の区分が大雑把すぎてしまい
後から細かく設定して再計測しなければ
実際に改善を進まない、なんてことが
ゆく起こるのです

 

例えば、
①ボルトをセットする
②ナットを取って締める
で時間計測したとします

で『②ナットを取って締める』にとても
時間がかかっていることがわかりました

ところがよく考えてみると
『ナットを取る』『ナットを締める』の
どちらを改善すべきか?
再測定しないと改善が進まない
そんな状況がよく起こるということです

そのため、要素作業に区分する時に
こういったことがおこらないよう
イメージしながら進める必要があります

 

タイムスタディ(時間研究)の失敗実例3:成果を生み出せない整理方法

さらによくお聞きするのが
時間観測後の情報整理をすぐに行わず
せっかくの改善着想のアイデアを忘れて
効果の少ない改善案のみになるケース

 

このタイムスタディに関わらず
IE手法で分析を進めている最中にこそ
実は改善案の着想がよく生まれてきます

メモはもちろん取っていただきたいですが
時間観測の直後の情報整理が最も
よい改善案が生まれるタイミングです

そのため、時間観測をしたらその日中に
情報整理を進めていただくことで
効果的な改善案を検討していただきたく

 

間違いだらけのタイムスタディ(時間研究)の進め方まとめ

さて、今回はタイムスタディを進めてみて
よくお聞きする失敗事例をご紹介しました

その多くは事前準備で対策が可能ですが
なにより何回もこの作業はやってみて
慣れていただくことが一番だと思います

ぜひこのタイムスタディ(時間研究)手法
使いこなせていただきたいと思います

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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