作業研究とは?~作業研究(ワークスタディ)という切り口を知る~

作業研究とは?~作業研究(ワークスタディ)という切り口を知る~

このサイトはIE手法の使い方の学習に
スポットをあてていますが
実はIE手法を学ぶにも
多くの選択肢があります

その中のひとつの切り口として
作業研究(ワークススタディ)という
活動をメインに解説しているところも
存在しています

ではこの作業研究とはどういうものか
これまでの説明とどう違うのか
今回はわかりやすく説明をします

 

作業研究(ワークススタディ)とは何か?

作業研究(ワークススタディ)とは
IE手法の基幹部分を機能的に
表現し直したものです

F.W.テイラーの時間研究と
ギルブレス夫婦の動作研究が発展

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この2つが融合・体系化されたもので
IE手法の中で基礎的手法と呼ばれます

この作業研究(ワークススタディ)は
現場作業を構成するワークシステムの
問題解決を図る技術的活動です

そのため現場で働く人たちに積極的に
活用して頂くことが推奨されています

ではこの作業研究の主目的を
説明していきましょう

 

作業研究(ワークススタディ)の目的

作業研究(ワークススタディ)の
主な目的は以下の4つです

【作業研究(ワークススタディ)の4つの目的】
目的1:最適な生産方法の検討
目的2:方法・材料・設備等の標準化
目的3:標準時間の精度確保
目的4:新しい方法の浸透と安定化

 

目的1:最適な生産方法の検討

最適な生産方法というのは
投入した素材を製品へ変換させるため
人が設備や道具で工程・作業・動作を
どう組み合せるか検討して決定します

つまり最大の生産性が確保できるよう
あらゆるムダをなくしていくことで
つねに経済的にバランスがとれるか
あらゆる原因を対策してはじめて
最適な生産方法を決めていきます

それを検討するためにこの
作業研究(ワークススタディ)が
活用されるということです

これが目的の1つ目です

 

目的2:方法・材料・設備等の標準化

最適な生産方法が決まれば
これを構成する要素、つまり
手順、材料、設備、道具等を標準化し
再現可能な標準方法として確立させる
必要が出てきます

これが目的の2つ目

 

目的3:標準時間の精度確保

標準方法が安定して確立すれば
自ずとこの標準方法で作業するための
必要な標準時間が決定できます

この標準時間は、生産活動を
計画・管理するうえで、あるいは
見積を作成するうえでの基本情報と
なるため重要です

 

目的4:新しい方法の浸透と安定化

最適な生産方法と、その方法で決まる
標準時間は、実際に再現できることが
前提となっています

しかし実際にはその作業を知らない
あるいはちゃんと理解していない
さらにはやろうとしても出来ないなど
現場で問題が発生することがあります

そこで、標準方法どおりにできるよう
作業員を教育したり訓練する必要が
出てくるのも現実です

そのため最適な生産方法を
マニュアルとしてまとめる活動も
この目的の中にはいってきます

 

作業研究(ワークススタディ)の構造

この作業研究(ワークススタディ)は
方法研究と作業測定との2つの機能で
構成されています

この2つについて改めて説明します

 

方法研究とは何か?

方法研究はギルブレス夫婦が確立した
『動作研究』から発展してもので
最も効率的な生産方法を追求して
理想的なワークシステムの確立を
めざす手法を指します

方法研究では、ワークシステムを
以下の2方向から検討していきます

【方法研究の2つの検討方向】
方向1:製品の流れ
方向2:作業の流れ

この2つについてもう少し補足します

 

方法研究の検討方向1:製品の流れ

素材から仕掛品になり製品になるまで
あるいは工程の組合せや
空間的なポジショニングにいたるまで
製品の流れを対象として検討します

具体的には工程分析、流れ線図、
経路図などで現状を細かく整理して
最適な生産方法を考えていきます

 

方法研究の検討方向2:作業の流れ

こちらは作業プロセス、人や設備の
稼働状況やコンビネーションなど
作業の流れを対象として分析します

具体的にはワークサンプリング、
サーブリッグ、PTSなどなど
多くの手法を活用して
最適案を検討していきます

 

作業測定とは何か?

作業測定とは、F.W.テイラーが考えた
『時間研究』から発展したもので
方法研究によって最適化された作業を
定量的に測定することで削減を行って
さらに最適な方法を考える手法です

この作業測定には以下の2つの
目的が存在しています

【作業測定の2つの目的】
目的1:さらなるムダをはぶく
目的2:標準時間を設定する

この2つの目的を
もう少し詳しく説明します

 

目的1:さらなるムダをはぶく

この作業測定は、人のエネルギーが
どのように使われているか?を
測定することで数値化して
作業時間を取り扱うところが特徴です

そしてこの作業測定は
方法研究と並行して実施します

並行して作業測定をやってみると
方法研究だけでは見えてこなかった
時間的な構造が明らかになり
意外な作業の時間が大きいことに
驚かされることがあるから不思議です

 

目的2:標準時間を設定する

そしてムダを省いた次のステップは
最適な生産方法で行った場合の
『標準時間』を正確な測定によって
決定します

標準時間を決めると
あらゆる分野の尺度として使えます

実際の作業条件が変わると
もちろん作業時間も変りますので
標準時間を比較することで
異常を発見しやすくなります

それに原価計算や見積にも使えるため
管理の幅がぐぐっと広がりますよね

 

作業研究とは?~作業研究(ワークスタディ)という切り口を知る~まとめ

作業研究(ワークスタディ)という
切り口からIE手法を説明しましたが
つかう手法は同じIE7つ道具です

それらのツールをどういう配置で
準備しておくか?という
頭の中のレイアウトの問題です

ぜひ、ご自身のわかりやすい方で
取り扱っていただければ幸いです

 

 

それでは今日はここまでです
今後とも宜しくお付き合いください☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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