物と情報の流れ図でトヨタがリードタイム短縮を図れた理由と作成事例

物と情報の流れ図でトヨタがリードタイム短縮を図れた理由と作成事例

トヨタが物と情報の流れ図を使って
リードタイム短縮を図ってきたのを
あなたはご存じでしょうか?

 
物と情報の流れ図とは記号を使って
物と情報の流れを図にします

このトヨタの中でよく使われている
物と情報の流れ図というツール

これでリードタイムを飛躍的に
短縮してきたと言うのです

そう聴くと、どうリードタイムの
短縮に結びつけたのか?

トヨタじゃなくて我が社の中
つまり中小製造業でも使えるのか?

どうしたって気になっちゃいます

 
そこで今回は物と情報の流れ図は
どんなもので、どう使えば
リードタイム短縮に結びつくのか?
それは我々でもやれそうなのか?
これを読むあなたにお伝えします

今回も読み終えるまでのお時間
しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

物と情報の流れ図:VMSとは?

まずこの物と情報の流れ図とは
どんなものなのでしょうか?

この物と情報の流れ図は元々
トヨタ生産方式
(TPS:TOYOTA PRODUCTION SYSTEM)
を進化させるために生まれました

 
トヨタと言えば有名な自動車製造業

数ある日本の優秀な企業の中でも
唯一、世界で闘えてる企業ですよね

2021年ブランド価値ランキング:世界7位

 
そのトヨタがリードタイム短縮を
大幅に進めることができたツールが
この物と情報の流れ図だといいます

英語ではValue Storm Map
通称:VSMと呼ばれています

なぜか国内よりも海外でよく使われ
シックスシグマという品質改善の
有力なツールとして採用されるほど

ほんと意外なものですよね

では早速その物と情報の流れ図が
どんなイメージか見てみましょう

 

物と情報の流れ図の作成事例

2社の作成事例を紹介します

 

金属板金業の物と情報の流れ図

これは実際の金属板金業の会社で
作成した物と情報の流れ図です

従業員は12名:年商は5億円規模

トヨタが物と情報の流れ図でリードタイム短縮を図れた理由①

作成事例①:とある金属板金業の会社の物と情報の流れ図

 
従業員全員であーか、こーかと
話し合いながら全体の流れ図を作り
後でパソコンで図表化したものです

 

金型製作業の物と情報の流れ図

そして別の金型製作業の会社で
作成した情報の流れ図です

従業員は6名:年商は2億円規模

トヨタが物と情報の流れ図でリードタイム短縮を図れた理由②

作成事例②とある金型製作業の会社の物と情報の流れ図

 
こちらは模造紙で議論したうえで
問題点を付箋で貼り付けたものです

こやって写真で残しておくと
当時、話し合った時の記憶が
後から想起しやすい状態も作れます

 

VMSでリードタイム短縮が図れる理由

ではこの物と情報の流れ図を使えば
なぜリードタイム短縮が図れるのか

その理由を説明していきましょう

 

リードタイムを決める3つの構成要素

そもそもリードタイムとは
受注してから納品するまでの時間

それぞれ
開発リードタイム
調達リードタイム
生産リードタイム
配送リードタイム
 など
お客さまに価値を届けるまでの
スピードを表現しているわけです

このリードタイムが短くなれば
以下のメリットが生まれます

リードタイム短縮のメリット
①お客さまの利便性が高まる
②必要な在庫量を最少化できる
③効率が高まり生産性が上がる

いいことづくめですよね

しかしこれらを短縮を図るには
それぞれ以下の3つの構成要素で
リードタイムが決まるんです

ひとつずつ見ていきましょう

 

構成要素1:情報リードタイム

1つ目の構成要素は
情報リードタイムです

顧客要求の確認、作図、出図や
材料手配をするなど情報に関わる
リードタイムを指します

 

構成要素2:加工リードタイム

2つ目の構成要素は
加工リードタイムです

材料加工、ワークの脱着、段取りや
検査、運搬など加工に関する
リードタイムのことです

 

構成要素3:停滞リードタイム

最後の構成要素は
停滞リードタイムです

手待ちやロットまとめ、仕掛りなど
状態が変わらずただ単に時間だけが
過ぎていくリードタイムがこれです

 

3つの構成要素の影響の大きさ

これら3つの構成要素は一般的に
加工リードタイムよりも
情報リードタイムや
停滞リードタイムが大きいんです

だからリードタイム短縮を図るには
情報リードタイムと
停滞リードタイムに着目して
短縮を行う必要が高いことは
多くのヒトがわかっていることです

 
しかしその情報リードタイムが
あるいは停滞リードタイムが
どのプロセスの間に発生しているか
またそれはどの程度大きいのか

全工程を俯瞰して診てみないと
問題の全容が把握できないんです

 

そこでこの物と情報の流れ図を
書いてみることからスタートして
工程のどこにどんな問題があって
どの程度時間がかかっているのか

 
問題の見える化を図ることができる

 
そうやって見えてきた問題に対し
対策を打って改善していくことが
できるようになるんです

それが出来ればすごいですよね!

 

中小製造業でも活用は可能か?

書籍で学習したりすると
とっても難しそうに書いていますが
実際には中小製造業でもできます

前述した作成事例はどちらも
小さな会社の作成事例です

 
つまり中小には中小のやり方があり
別に大学で教えている通りに
進める必要はないわけです

またその書き方や作り方は別途
違う機会に解説したいと思います

楽しみにお待ちください

 

物と情報の流れ図情報のまとめ

物はどう流れているのか?
そして情報はどう流れているのか?
それらを見える化することで
普段できない第三者目線で
問題を見つけて対策する

我々はトヨタのように
世界で闘うまで必要ないかもですが
賢者に学ぶことでチカラをつける

そのために小さく真似てみることから
始めてみるくらいが丁度いいかと

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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