工場の3s活動は古い?改めて考える3s活動の目的と現場視点

工場の3s活動は古い?改めて考える3s活動の目的と現場視点

3s活動を徹底できている工場なら
当たり前に理解できていることが
徹底できていない工場では
浸透していないことが多い要素

それはなんと言っても
その目的と現場視点だと思います

 
違う表現をするなら
それらの理解が間違っているから
徹底ができない、ということです

そのため今回は改めて3s活動の
目的と現場視点について述べて
その意味を深堀りしてみます

今回も読み終えるまでのお時間
しばらくお付き合いくださいませ

 

目次

工場の3s活動は古い?

工場で行われる3s活動なんて古い

若手の作業員はそう思うようです

しかし専門家の意見としては
大切なことから逃げているヒトの
認識の弱さを肯定している状況が
この意見からは読み取れます

 
それはなぜか?

 
ヒトは自分が判断したことを
無意識に正当化できる確証を
いくつか用意していくものだから

つまり古いという批判はそのひとつ

 
ま、逆説的に古いと言うので
新しい効率的な方法は何?と聞くと
応えられないか、デジタル化か
くらいしか出てきません

つまり深くは考えずに
現状の体制を否定したいわけです

気持ちはわからなくはないですが
あまりに安直すぎる思料の浅さが
残念に感じますよね、笑

 

3s活動が徹底できない工場の考え方

まず3s活動が徹底できない工場に
浸透している考え方は以下の3つです

 

3s活動を徹底できない工場の考え方
考え方1:学校の掃除と同じレベル
考え方2:作業者ファーストが定着
考え方3:工場を良くするのは上司

 
この考え方についてもう少し
補足を加えていきましょう

 

考え方1:学校の掃除と同じレベル

整理・整頓・清掃とは
衛生美化を目的とした
活動であるとの誤解

もう言うなれば学校の掃除と
同じレベルで捉えていることが多い

 
そうなるとどうしても
真面目にやることがカッコ悪いとか
変にふんわりした雰囲気に包まれて
やっても、やらなくても
仕事の評価が変わらない

なら、やらない方が得だわな、と
キーマンでさえ避ける始末

これでは定着なんてできないですね

改めて認識合わせが必要です

これがよくある1つ目の考え方

 

考え方2:作業者ファーストが定着

次に古きよき職人時代が継続してて
作業者そのものの考え方が優先され
チームや組織のパフォーマンスには
あまり協力的でない空気が定着

そのため『会社が何を言っても
我々は守られる立場である
』と
勝手に勘違いしていることが多い

 
大切なのはチームであり組織であり
その結果お客さまに喜んでもらう
価値提供ファーストであることを
ちゃんと理解できていない

自分達がなぜ選ばれているのか?の
事実をまったく無視した考え方が
定着している工場は本当に多いです

本当に怖いことですよね

 

考え方3:工場を良くするのは上司

最後は工場を良くする仕事が
自分には関係ないことだと
当たり前に認識している現場

これは完全なる責任の放棄です

 
自分が工場の一員であることは
理解していると思うんですよね

けれど過去の美徳であった
俺についてこい!』的な文化
これを誤解しているヒトが多い

リーダーも、ついていくヒトも

ただ無責任に身を委ねることとは
根本的に意味が違うはずなのに
都合よく解釈を変えていることに
気づいてない人がなんと多いことか

残念ですがこれが事実で
自然に任せるとそうなっちゃいます

 

3s活動の真の目的と現場視点

ではまず3s活動の目的を整理します
改めて認識し直してくださいませ

 

3s活動の3つの目的

3s活動を進める目的は
以下の3つだと言われています

 

3s活動を進める3つの目的
目的1:改善が自分の仕事である認識
目的2:作業者が成長できる機会の設置
目的3:進化・改善できる組織づくり

 
これら目的についてもう少し
補足を加えていきましょう

 

目的1:改善が自分の仕事である認識

3s活動を進めることによって
自身の現場を改善させていくのは
自分達の仕事だったんだと認識を
改めてもらうことが1つ目の目的

誰だってキレイな職場で働きたいし
就職する時にはできるだけ
美しい職場を期待すると思います

だけどいざその職場に入ってみると
不満ばかりで何もしないってのは
ちょっとおかしいと思うんです

 
上司に期待したって無理です
社長に期待してももっと無理です

自分達で積極的に自職場をキレイに
あるいはキレイできる、保てる
そんな職場に進化させることを
ひとつの仕事の愉しみにしてほしい

そんな職場改革が1つ目の目的です

 

目的2:作業者が成長できる機会の設置

2つ目の目的はそんな改善を
進めることで作業者そのものが
成長できる機会をつくることです

3s活動ではゴールを設定したうえで
ゴールに届いていない点=問題点を
見つけて改善を繰り返します

 
もちろん問題を見つける目線は
一朝一夕で育つものではありません

だからこそ、理想はどんなレベルで
問題箇所はどこか?を見つける訓練
そしてどこから改善するのか?
優先順位を決める訓練
さらにはその実績を報告する訓練

これらを繰り返すことで
作業者自身の感性が研ぎ澄まされ
改善のためのノウハウが蓄積します

つまり作業者そのものの
問題解決能力を高める機会として
最適なのは言うまでもありませんね

 

目的3:進化・改善できる組織づくり

最後はこういった個人の活動を
チームの取り組みルールとして
定着させることで組織として
進化・改善できるスタイルが整います

さらにモグラ叩き型の改善から
未然防止型の改善に進化させた時に
レベルを上げる感触を味わえます

 
これは現場で働く作業者にとって
これ以上ない手応えを感じる瞬間

まるでドラクエのレベルアップの
BGMが鳴るように明らかです

だからその現場力を高めることを
3つ目の目的と置くべきです

 

3s活動の現場視点

3s活動を経営者や管理者側から
表現することは多いのですが
現場視点としてはどうでしょうか

それらを以下の3点に分けて
少し触れてみたいと思います

 

3s活動の3つのよくある現場視点
視点1:自分ひとりが頑張っていて疲れる
視点2:やっても評価されないのでムダ
視点3:3s活動をやっても何も変わらない

 
これら目的についてもう少し
補足を加えていきましょう

 

視点1:自分ひとりが頑張っていて疲れる

多くの従業員は正しくは3s活動を
進めるべきだとわかってます

ただやるヒトとやらないヒトとで
2分されているのが事実

そうすると多くをやっているヒトに
自分だけが頑張っている感が強い

 
そうするとしばらくは続いても
バカらしくなってくるんです

いつしか自分も理由をつくって
実行しなくなってしまう

そうすると尚更、続けているヒトが
トータルで少なくなっていきます

これでは進化・成長できる組織なんて
できるはずはありませんよね

 
だから全員でかならず取り組める
環境づくりが重要になるわけです

これが1つ目の現場視点です

 

視点2:やっても評価されないのでムダ

2つ目は、評価の目線です

3s活動をちゃんとやっているヒトと
やっていないヒトの評価に差を
つけていないことがほとんどです

これでは本当にやっているヒトが
損をするシステムが動いている

つまり活動を止める仕組みです

 
ま、これは完全に経営者責任ですが
気づいた管理職が伝えてあげないと
改善に向くことはないでしょうね

だから経営者がただの美化運動だと
捉えているとその職場に3s活動が
定着することはないと思います

 
だってリーダーが重視しないことを
社員が重視するわけありませんよね

だからこそ経営戦略の1つとして
3s活動を付け加えることで
組織力の強化を図る意思決定が
なにより大切なわけです

 

視点3:3s活動をやっても何も変わらない

最後の視点では3s活動をやれば
何がどう変わるか?狙いが分からず
やっても何も変わらないと
思い込んでいる現場視点です

誰もムダなことに
時間を割きたくないですものね

 
だからこそ、工場をどうしたくて
3s活動を導入する決断をしたのか?
その目的をしっかり全員に伝えて
協力を要請する

そのうえで、どこまで実現できたか
それは遅れているのか早いのか?
ちゃんと気にして報告して
共有の課題として扱うスタイルが
大切になってくるわけです

 

改めて考える3s活動の目的と現場視点まとめ

いかがだったでしょうか?

3s活動を徹底できない工場には
それなりの理由がちゃんと存在して
それがそのままになっている

だからこそそれらを解決するための
あらゆる試行錯誤が必要であること
賢明なリーダーならおわかりかと

ぜひご自身の工場の現状と
照らし合わせて対処方法の参考に
していただければと考えます

 

 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

目次