QC活動のテーマの見つけ方(事例)

QC活動のテーマの見つけ方(事例)

QC活動を進めはじめた時に
迷い勝ちなのがテーマ設定です

このテーマの見つけ方について
少し事例を踏まえながら
説明をしていきます

『QC活動のテーマが見つからない』
『取り組むべきなのはどんなこと?』
『職場の問題点が見えてこない』

そんな方は参考になると思います

 

目次

ご存知ですか?QC活動のテーマが見つからない理由

QC活動を始めることになりました

そしてQCストーリー1にて
テーマを選定して改善対象を決める
ことが必要になりました

しかしテーマが出てこない
またたくさん出たけど
どう絞り込むべきか分からない

そんな声をよくお聴きします

なぜ、そういうことが起こるのか?

まずはそれを把握する必要があります

【テーマが出てこない3大理由】
理由1:考える技術がない
理由2:問題を見つけるチカラが弱い
理由3:どうなりたいかの理想がない

どういった状態なのか
もう少し詳しく説明しましょう

 

理由1:考える技術がない

いざ何かを決めようとするとき
どうやって決めてよいか
普通は迷います

それでも集団を仕切った経験のある
誰かが存在していればおそらく
意見をまとめて決めてくれます

でもそんな方がいらっしゃらない場合
グループ討議で決めることができず
職場の課題さえ定められません

 

まずはチームで検討をする時に
どのようにして決めるのか
何をどの順番で検討していくのか

そういった集団のチカラを
うまく引き出す技術が必要なわけです

多くの価値観をひとつにまとめる技術
それがない場合はテーマを決めるのは
難しい作業となってしまいます

これが1つめの理由

 

理由2:問題を見つけるチカラが弱い

『問題意識』

これって鍛えるものであって
自然発生的には装備されないと
思っててちょうどいいです

どういうことか

 

実際にヒトは素直に
やるべきことに気づくと
対処しようとする習性があります

しかしヒトは賢い生き物で
大人になればなるほど
無意識にムダの少ない
楽な方法を選びはじめます

つまり、気づかなければ
対処しなくていいと学ぶわけです

 

そのため問題に気づかない訓練を
知らず知らずのうちに繰り返して
せっかく気づいた点を無視するクセが
ついてしまいます

こうなると問題が見つかりません
でも本質の議論を避けていては
はじまりませんよね

これが2つめの理由です

 

理由3:どうなりたいかの理想がない

問題というのは何かしら基準があって
現実がそれに達していない状態のこと

その基準=理想がない場合は
問題がないということになります

 

そのため職場を『こうしたい』との
イメージを持っていない場合は
問題を見つけられないわけです

つまり
『全国大会で優勝したい!』
『誰にも負けたくない!』
『海賊王に俺はなる!』など
ゴールを設定しない限り

誰も厳しい現実に向き合って
毎日の鍛錬を続けるなんてことは
できないのです

これが3つめの理由です

 

これらの理由を取り除くために
以下のようなやり方で
テーマを見つけてください

事例を含めながら説明をします

 

QC活動のテーマの見つけ方(事例)

QC活動のリーダーになったA氏は
ほとほと困り果てていました

直属の上司から
QC活動を取り纏めるよう言われ
引き受けたはいいけれど
みんな元気に出社してるし
ちゃんとしっかり働いているし
言うほど問題は起こってない

『いったいどんな問題があるの?』

改善メンバーにお聴きしても
同様な感覚だというので
とても困っていました

何に取り組めばよいのか
検討がつかなかったわけです

 

そこでA氏はQC活動の専門家に
相談して以下のステップで
テーマ設定を行うことにしました

【テーマ設定が決まりそうにない時の3ステップ】
ステップ1:理想的な職場を定義する
ステップ2:現状とのギャップ=問題を見つける
ステップ3:問題を解決できるテーマを考える

具体的に何をしたのか
説明していきましょう

 

ステップ1:理想的な職場を定義する

まずテーマの検討会議の開催通知を
メンバーに送りました

その内容の中で宿題を出しました

『出席するまでに我が職場の理想を
20個以上付箋に書いてくること』

いろんな意見が出ました

ピカピカな工場であること
もっと合理的な職場であること
さらに先進的な技術を盛り込むこと
製造LTを1/2程度になること
原価が2/3程度になること
職場がもっと明るいこと
働く時間が半分になること

もう言いたいほうだい

でもそれをグルーピングしたことで
たくさんの理想があることを
メンバー全員で共有できました

そしてその職場の今期の方針を
改めて皆さまへ説明して共有

そのうえで多くの理想の中から
その方針に合致する項目を選び
赤丸で目立たせたわけです

これでこの職場が
『どうなりたいか』
『どうならなければいけないか』
メンバー全員で共有できました

 

ステップ2:現状とのギャップを見つける

その理想が固まったうえで
現状とのギャップを見つけます

『ではこの職場のもっとも
埋めるべき差はどれか』
メンバー1人あたり10個をめどに
付箋に書き出してもらいます

それをまたグルーピングすると
もうおわかりですよね

 

これで問題点のラインナップが
完成しました

ないと思われていた問題が
実に8個も見つかったわけです

そしてその中から
QC活動で今回解決したい問題を
ひとつピックアップします

 

今回ピックアップしたのは
『原価低減』に決まって
最初のミーティングは終了しました

 

ステップ3:問題を解決できるテーマを考える

あとはピックアップした問題解決に
直接的につながるテーマを設定します

 

その前に原価低減に関する情報を精査

パレート図で製品出荷数を分析し
円グラフで原価構成を表現しました

次のミーティング時にはその情報を
メンバー間で共有したあと
テーマを検討していきます

 

やはりテーマ候補を一人10個程度
付箋に書いていただき
皆さまでグルーピングして
ホワイトボードにラインナップを
書き込んで共有しました

事前の共有情報で
製品Aが全体の6割を占めていて
原価の3割が労務費であったため
今回の事例では、ほぼ全員一致で
『製品Aの検査時間の短縮』
決定されました

検査時間が労務費の多くを
占めていることを
感覚的にご存知だったということです

 

QC活動のテーマの見つけ方(事例)まとめ

考える技術がない
問題を見つけるチカラが弱い
どうなりたいかの理想がない

そんな場合でもまとめ方によって
意見を引き出すことができます

 

みんな本当は
自分の職場は良いほうがいいんです

だからちゃんと機会を提供すれば
しっかり取り組もうと
足元を見直していきます

 

そんな機会をつくるかどうかが
組織の成長を促すための有効な戦略

QC活動とはそういう場を
強制的に作ってしまうパワーを
持っているということです

ぜひ積極的に活用していただくことを
願ってこの記事を書いております

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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