正しい整頓の進め方=みんなで進める3Sのポイントシリーズ②

正しい整頓の進め方=みんなで進める3Sのポイントシリーズ②

3S活動は職場の基礎能力を養います
だからこそ全員で取り組んでこそ
その効果の最大化が狙えます

みんなで進める3Sのポイントを
お伝えするシリーズ第2弾

今回は正しい整頓の進め方です

しばらくお付き合いくださいませ
 

目次

整頓活動とは何か?

整頓活動はすでに過去の記事でも
詳しくお伝えしてきました

つまり職場の整頓を進めることで
以下の3つのメリットが生まれます

整頓活動がもたらすメリット
メリット1:探すムダな時間の削減
メリット2:個人と組織の創意工夫力強化
メリット3:モノを扱う作業の標準化

もう少しだけ詳しくお話しましょう

 

メリット1:探すムダな時間の削減

我々は多くの仕事を行う場合
モノを扱うことが多々あります

しかし、そのモノを探す時間は
正直いってムダなわけです

理由は付加価値を生まないからです

 
そのためできるだけ短時間に
あっと言う間に手に取り、使い、
戻すことができる環境づくりを
整頓活動によって実現します

あれってどこだったっけ?
誰か使っているのかな?
確か前にあそこにあったっけ?

ゴソゴソやっている時間が多ければ
それだけ利益を損ねているわけです

そりゃそうですよね
その分違う仕事ができますから

 
すべてのモノには住所があり
そのとおりに位置付けておけば
探す必要もなくなるわけですし
良く使うものは極力使う場所に
近い場所に置くようにするのが
整頓活動なのです

そのためひとつ目のメリットは
探すムダな時間が削減できること

 

メリット2:個人と組織の創意工夫力強化

この整頓活動は、整理活動と違って
創意工夫が必要となってきます

整理活動は廃棄ルールを考えて
それを徹底して守る活動です

それによって必要なモノだけの
職場に進化していきます

 
そして次はその必要なモノを
できるだけ効率よく使うことを狙う

つまりどうやれば効率よくなるか
考えて改善する必要があるんです

 
とは言っても最初は良い方法なんて
なかなか思いつくものではないです

だからこそ他社の事例を真似る

真似てみるうちにうちの会社だと
もっとこんな感じがよいのでは?と
応用力がついてくる

 
そんな活動を繰り返していると
個人の発想力がどんどんと鍛えられ
それが組織の創意工夫力として現れ
自分たちの手で職場を
良くしていくことが当たり前に

これはすごいメリットですよね!

 

メリット3:モノを扱う作業の標準化

どんどん整頓活動が進んでいくと
類似したモノは同様な扱い方を
するようになっていきます

人は自然とパターン化するためです

 
そうすると同じようなものは
同じ考え方でモノを使うようになり
支援と作業の標準化が進みます

これはとても大切なことで
バラツキのない作業は
品質の安定を、納期の安定を
コストの安定をも生み出します

 

多くの職場で発生する整頓活動の問題

多くの重要なメリットを生み出す
整頓活動ではあるのですが
多くの職場ではいくつかの問題が
発生することがあります

代表的な3つを紹介しましょう

整頓活動によくある3つの問題
問題1:整頓するスペースが存在しない
問題2:表示をする改善が多発
問題3:ルールが守れず維持できない

それぞれどんな問題でしょうか?
もう少しだけ詳しく説明しましょう

 

問題1:整頓するスペースが存在しない

「なぜ整頓が進まないのか?」
その原因をお聴きすると
「整頓するスペースがない」
答える職場が多く出てきます

そして現場にいくと確かに
所せましとモノがあふれていて
どうやって整頓を進めるべきか
発想することが面倒になる気持ちが
わかる気がする職場はよくあります

 
しかしそういった職場に限って
同じ道具が道具箱に溢れていたり
過去から使ってない設備があったり
古いオイル缶が積んでたりします

もうおわかりですよね

整理活動が進んでない状態です

 
整頓活動とは大切なモノを
さらに大切に扱おうとする活動です

しかし実際には大切でないモノを
大切に扱おうと考えてみても
やはりその意欲は高まらないんです

そりゃそうです

本当は大切なモノでないと
ちゃんとわかっているからです

 
そのためしっかりと区分できるよう
整理活動でルールを決めて徹底して
モノを捨てることから始めましょう

進め方には適切な順番があるのは
これからもお分かりいただけます

 

問題2:表示をする改善が多発

次に多いのは整頓活動をしようと
改善は進めてくれるのですが
やたら表示をする改善が多発します

それは表示改善がひとつの改善だと
そういった認識がある事実を逆手に
もっとも簡単な改善をしようと
安易に考えてしまうからです

 
確かに表示改善は大切です

 
しかし実際にはその改善によって
どういった効果が期待できるのか?
それによってどれだけ
探す時間が短縮されるのか?

つまりその改善は意味があるのか?
そう問う機会がないわけですよ

 
取組む時間がない多忙な職場に
よくでてくる問題です

てっとりばやく「改善した」という
事実をつくりたい人が生まれれば
その思想は伝染していくものです

目的の再確認と本当にそれでよいか
まっすぐな問いかけが必要ですよね

 

問題3:ルールが守れず維持できない

整頓活動で改善はできても
それが維持できない悩みは
よくお聴きします

決めたルールなのに守れない

 
守るためには2つ方向性があります
1つは個人の意識を高めるか
組織の仕組みでカバーするか

前者は何度も何度もお願いして
うっかり忘れる機会をなくすよう
徹底していく以外方法はありません

それでも守れない場合は後者で
カバーする方法に移ります

 
守れなかったグラフを張り出して
自己申告制、あるいは他者観察で
赤シールを貼って注意喚起するなど
自らの発想でなくすためのしくみを
考えて試行錯誤していきます

そこまでするとさすがに減ります
これによって守るべき空気が高まり
個人の順守意識が強まるからです

ヒトってやはりメンタルな生き物
面白いものです
 

正しい整頓の進め方

これまでのよくある問題も踏まえて
正しく整頓を進めるためには
何に気を付ければよいのでしょうか

そのポイントを3つ紹介しましょう

正しく整頓を進めるための3つのポイント
ポイント1:整理活動をしっかり進める
ポイント2:整頓活動の目的を何度も伝える
ポイント3:徹底して守り抜くことを宣言する

 

ポイント1:整理活動をしっかり進める

あきらかに大切でないモノを
大切に扱う整頓を進めようとしても
やっぱり無理が出てきてしまいます

そのためその前段階である
整理活動をしっかり進めてください

 
やはり整理活動は3Sの最初の活動

この徹底度合は後の活動の
クオリティに影響を及ぼします

そのため以下の整理のポイントも
改めて参考にしてみてください

 

ポイント2:整頓活動の目的を何度も伝える

ヒトは都合よく解釈する天才です

以前しっかり受け止めたことでも
時間が経てばその記憶も薄れていて
都合のよい解釈を優先し始めます

 
これはそのヒトがいい加減で
信用できないからではありません

これは個人負荷を和らげようとする
脳の働きによるところが大きいです

なのでそうならない工夫が必要で
その効果が高いのが繰り返しです

 
何度も、何度も、繰り返し伝えて
整頓活動の目的を、その重要性を
記憶から遠ざけないようにします

みんなで合意した信念を抱きしめて
徹底して守るためには必要なんです

 

ポイント3:徹底して守り抜くことを宣言する

そしてそれを外部のヒトたちに
本気で宣言することが必要です

「自分たちは守るんだ!」と
そう自分と約束したのだ、と
そう宣言することで我がチームは
ルールを守る組織であると
自分たちが認識を強めます

他のヒトに言ってしまったからには
ちゃんとしようと思うものです

 
ただし「本気」でないと
意味がないんです

そのためにはウソでも全員の
合意が必要となります。

「職場がよくならない方がいい」
なんて公然と言い放つヒトは
いないと思いますし
事実みたことはありません

 
そのため全員で話し合って
守っていく意思を確認してください

確認したら必ず守ろうとします

そして本来の目的のために
しっかりと改善を進められるよう
全員で問題を1つずつ丁寧に
対処していきましょう
 

正しい整頓の進め方=みんなで進める3Sのポイントシリーズ②まとめ

3Sの改善を進めることができる
まずはそこが最初のステップ

その次のステップは
それを維持することです

全員の納得を得ながら進めることは
この3S活動でなくとも
チームを良くするうえでは
とても重要なポイントと言えます

ぜひそこをしっかり押さえながら
改善を進めていってくださいませ!

 
 

それでは今日はここまでです

今後とも宜しくお付き合い下さい☆

長文乱文を最後まで読んでくださり

いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

 

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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