現代のものづくり職場が取り組むべき生産性向上策について

現代のものづくり職場が取り組むべき生産性向上策について

これまでたくさんのIE手法の解説を
繰り返してきましたし、このサイトは
これからも噛み砕いたお話は進みます

一方で上大田氏がIE手法とIoTとを
組合せた改善ノウハウを惜しげもなく
説明してくれています

でもまだご自身の職場に積極的に
応用しようとしていない方も
多いのではないでしょうか?

現時点で経営診断させていただく
ものづくり職場の実状として危機感を
感じざるを得ないのが現実です

そこで今回は現代を生き抜く製造業が
取り組むべき生産性向上の
方向性についてお話していきます

読み終える3分間だけ
お付き合いください

生産性を向上させることの重要性

QCDを向上させることはもちろん
重要課題であることは間違いないです

一方で意外ではあるのですが
生産性向上を実現させることが
この3指標の改善につながることを
あまり意識していないことが多いです

生産性が高くなれば
品質向上にかける時間を作れますし
コストはもちろん減少しますし
納期を短くすることもできます

それだけでなく、需要が高いなら
同じ稼働時間でつくれる生産量が
増えるわけですから売上も
増やせるかもしれません

もう職場の最重要課題と言っても
間違いではないかと考えます

で、その生産性を計測するため
以下の計算式を考えてみましょう

生産性=標準作業時間÷実績作業時間

つまり標準作業時間に比べて
実績作業時間が少なければ100%を超え
逆であれば100%未満となる

単純ですよね!簡単に管理できます

しかしせっかく便利な計算式ですが
実際にはこの計算式は使えない職場が
とても多いことが事実なんです

それはどういうことでしょうか?

中小ものづくり職場の現実と課題

中小ものづくり職場の現実として
生産実績や売上実績は管理してても
加工時間の実績をカウントしている
職場はあまり見かけません

さらに標準時間を予め計算している
そんな職場はあまり出会えません

これがどんな意味を持っているのか
皆さまには理解できますでしょうか

まず作業実績の時間がわからない

これは作業者が懸命に取り組んだか
チンタラ作業したのかさえ
わからないということです

また標準時間がないということは
それを評価する基準もないということ

一所懸命仕事しても
ぐうたら仕事しても
評価が変わらない職場を意味します

『そんなことない!』
『見てればわかる!』
『うちは公正に評価している!』
そうおっしゃるかもしれませんね

それはウソです

誰かが仕事した時間を知らずして
比べるべき標準時間も持たずして
いったいどうやって公正に
評価ができるのでしょうか?

ちょっと想像して見てください

タイムさえ計らない
そして目標を持たない陸上選手が
存在していたとします

その選手は間違いなくまじめで
一生懸命練習します

その選手はどこまで実力を
上げることができるでしょうか?

その選手は『地区大会優勝』を
目指しているそうですが
達成できそうでしょうか?

同様に実績も標準も知らない職場は
実力を上げることは難しいのです

そりゃそうなんです

目標もなく、計測もしない陸上選手が
ただ一生懸命走っている状態ですから

それが現実なのです

この現実をまず変えることから
始める必要があるわけです

中小ものづくり職場の生産性向上策について

実績時間と標準時間とを
把握できる体制をつくる

もちろんそれが前提なのですが
もう同時に改善活動を進めながら
把握体制を構築することを
オススメします

なぜなら改善を進めるためには
どちらも必要になるからです

そのためにはまず改善活動のための
推進組織を編成してください

いったい誰が改善を進めるのか
それをはっきりさせておきます

リーダーを決めてメンバーを決めます
職場のリーダーが望ましいですが
次なるリーダー候補でもOKです

まずは標準と実績時間の把握について
具体的な進め方を説明していきましょう

標準時間のつくり方

具体的には改善活動の初期の数日を
作業時間の測定に当てて、まずは
測定した時間を標準時間とします

作業をビデオ撮影して
メンバー全員でムダな作業を省いて
改善を施します

そしてさらに実測を続けて
数週間から数ヶ月の作業時間平均値を
標準作業時間として取扱います

標準作業時間は、生産性向上とともに
ゆるやかに短縮されていくものです

そのため前年度の平均作業時間を
本年度の標準作業時間にするなど
定期的に値を見直していきます

この標準作業時間を見積計算に
反映することで見積り上の利益を
把握することにも活用可能です

実績時間の把握方法

まず基本的に作業実績時間は
作業開始および終了の都度
生産の掲示板ないし工程シートなどに
手書きに記入して収集することが
ほとんどです

まずそれさえやれてない職場は
そこから取り組んでください

それらを集計することで
標準時間に対して多かった少なかった
がやっと評価することができます

情報はあっても収集していない職場も
多いですがそれはもったないです

なぜなら収益がわからない状態は
目をつぶって走っているに
等しい状態であるからです

あとは段階的に設備から情報を収集
あるいは『ながらスイッチ』による
時間入力により把握
さらにはIoT応用によって自働収集
など進化させていくことで
精度向上を図ります

現代の製造業が取り組むべき生産性向上策についてまとめ

さてとても基本的な情報ですが
まだ収集できてない状態であれば
事業組織としては致命的な欠陥です

こうやって収集した情報を
加工すれば状態が見える化します

見えるようになれば改善も進みます

ぜひものづくり職場としては
標準装備していただきたく
対処してみてください

 

 

それでは今日はここまでです
今後ともよろしくお付き合いくださいませ☆

長文・乱文を最後まで読んでくださり
いつもありがとうございます♪

すべては御社の発展のために
すべてはあなたの笑顔のために

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この記事を書いた人

 大手総合電機メーカーで20年間経験を積んで平成22年に独立。10年間で600社を超える中小企業支援、そして自らも小売業を立ち上げて業績を安定させた実績を持つ超現場主義者。小さなチームで短期的な経営課題を解決しながら、中長期的な人材育成を進める「プロジェクト型課題解決(小集団活動)」の推進支援が支持を集めている。

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